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ジュエリー宝飾細工師マイスターのミュンヘンより愛をこめて

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2008年07月09日
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あれは高校生の頃、青少年ジャズミュージックセミナーで最終日に予定されていたコンサ-トの音あわせかなにかをしていたときだ。(夏の思い出 ~恐怖のヒッチハイク~参照)

その日は午前中だというのにもう気温はすでに30度を越していたが、山の奥の青少年の家にエアコンなどという気のきいた設備などあるはずもなく我々はとにかく窓を開けてリハーサルをしていた。

私もあまりの暑さに自分で何を吹いているかもわからないまま、トランペットをとりあえずプップップーとするしかない。
周りをみると、たぶん似たようなことを考えているのかみんな同じようにいいかげんにピロピロやっている。
しかし、ここまで暑いとまともに演奏しろ、という事自体が無理というものだ。
かなしいかな、今この廃人ビックバンドが奏でているものはフォクシーではなくもうすでに葬送行進曲だった。

そこに突然、絹を引き裂くような悲鳴が響いた。

と同時にはじの方でフルートを吹いていた女の子が立ち上がって何かを叫びながら部屋のなかを走り回っている。
よく聞いてみると、なにやら

「モンスター!モンスター!」
と言っているようである。

半分死んでいたリハーサル室のテンションが一気に上がった。

そのうちに、他の女の子にもヒステリーがうつったらしく彼女らも騒ぎ出す。
私は何があったかさっぱりわからなくポカンとしていると、そのひとりが私の腕をつかんで、

「蠅!モンスターバエ!」
と言ったのだ。

「???」(モンスター?)
と、その子が指差す方向をみてみると、、、、、

そこには、「トンボ」が飛んでいた。(・・・・・)

そんなバカな!
いくら都会育ちだからといって、トンボを知らない人間がいるわけがない!と思ったのだが、彼女らは、

「このハエ、ぜ~ったいに襲ってくるんだから!かじられるー!」
と本気で怖がっている。(ハエって襲ってくるっけ、、?かじるっけ?)

私が、
「あのね、あれはトンボっていってね、蠅じゃないし、かじらないし、襲わないのね、、、」
と説明しても、誰も聞く耳をもたない始末。

疲れてきたので、
「窓が開いてるからそのうちでていくわよ。」
といったら、全員の総スカンをくってしまった。

しかも怖がっているのは女の子だけではなく、男子生徒も各自トロンボーンやらサックスやらをふりあげている為にトンボもびっくりしてしまってなかなか外にでられない。
仕方がないので、私がこのかわいそうなトンボをつかまえて逃がしてやると、

「キャーっっ!」

という女の子達の悲鳴と共に

「はやく、手を洗って!はやく!」

とせき立てられながら今度は私が部屋を追い出されてしまったのだった。(どうしてトンボをさわって手を洗わなければいけないのだろうか、、、、)

この大騒ぎの後私が、「モンスターバエを素手でつかんだ(野蛮な)女」として合宿中の有名人になったことはいうまでもない。

トンボをハエだと言い張る国、ドイツ。
少しばかり考えこんでしまった17才の夏であった。
おわり





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最終更新日  2009年08月30日 02時41分04秒
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