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カテゴリ:ドイツ職業訓練システム
ドイツでは新学期がはじまって、また通勤中に子供たちと一緒になることが多くなった。
自宅の近くに「職業準備学校」という学校があり、そこの生徒達と時々市電で一緒になる。 「職業学校」とはその職業に必要な知識を学ぶところだが、この「職業準備学校」とは何を学ぶところなのか。 そもそも職業につく準備とはなんなのだろうか。 実は私にも良くわからないが、職業訓練先の就職が決まらなかった未成年者が一年間通うところらしい。 (一応ドイツにも義務教育というものがあるので、就職が決まらなくても義務教育を終えていない中卒以下、高校中退の子達はなんらかの教育を受けなければいけない) 外人率がとても高く、ドイツ人は稀だ。 トルコ系、アフリカ系が多くて、アジア系も多くはないが時々いる。 ほとんどがB系、ヒップホップ系のストリート系ファッションで身を固め、最新の携帯からはレゲエやラップ、時にはあやしいアラブ系音楽。 若者のスラングに私には理解不可能な言語が入り交じり、そんな集団がヤンキー歩きをしながらむこうからやってくると、一瞬ビクっとしてしまう。 そんなちょっと怖い(風貌の)16、7の子供達なのだが、市電のなかとかで話している内容を聞くとなかなか真剣にいろんなことを考えていたりするのだ。 -- 以下、少年A(トルコ系。うっすらヒゲをはやしたストリートギャング風、「薬、まけとくよ」というセリフが似合いそう)と、少年B(ユーゴ系。ムキムキな体にシルバーのアクセサリー。チンピラ風)の会話。-- 少年A 「あ~、おま、研修先きまったんだって?」 少年B 「あぁ、一応。」 少年A 「っで、どうなんだよ、職場」 少年B 「、、、どうって、初日に遅刻してったらさ、オヤジ、マジで怒りやがってさぁ。うぜーよ。」 少年A 「はあ~?なにいってんだ?あたりめーだろ、遅刻したんじゃ。おまえ、やる気あんのかよ?」 少年B 「・・・」 少年A 「今、研修先なんてほとんどねーし、雇ってもらえただけラッキーってことじゃね?今そんなんで、就職先とかどーすんだよ。そこ、ア◯ディー系なんだろ?(研修先は車の修理工場のようです)スゲーじゃん、オレもそういうところで働きたいよ。」 少年B 「・・でも、親方とか厳しいし、、、、」 少年A 「ば~か、てめーはべんきょーしにいってるんだって!幼稚園じゃねーんだから、、、」 少年B 「だよなあ、、、」 少年A 「っつぅかさぁ、ここでヤル気っつぅものをみせなくちゃいけねーんだって。授業でもやっただろ。ヤル気だよ、ヤル気。オイっ、おま、聞いてんのかよー、(以下省略)」 どこからみても大変ガラの悪いふたりが大真面目に話しているのをみて、おもわず笑ってしまいそうになったのだが、もしかしたらこの学校、へたをすればすぐに社会の落ちこぼれになってしまうこの若者達にちゃんと大切なことを教えているのかもしれない、、と少し見直したものだった。 今日も、カラーリングして逆立てた髪に太いズボンをズルズルひきずりながら、 「指定のノート、どこで買えるんだっけ?」 と仲間に聞いている職業準備校生をみながら、ふと、 「ヤル気があれば、どうにかなるんだって!」 と熱く語っていたあの麻薬ディーラ風トルコ人の若者を思い出した。 彼は無事就職できたのだろうか。 おわり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年09月19日 01時00分25秒
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