2012年ラクトフェリン市場、前年比18.7%増の124億円|富士経済調査 週間粧業
富士経済は、健康美容食品(国内市場)のうち、近年注目されている成分や新たな訴求を行っている効能について調査を行った。 同調査では、ミックスポリフェノール、レスベラトロール、ラクトフェリンなどの注目成分を配合したH・Bフーズ(注目成分:30品目)と、スカルプケア、歯周病予防などの新たな効能を訴求したH・Bフーズ(新訴求効能:7品目)の各市場について、現状を分析し今後を予測した。
レスベラトロールは、2011年が15.5億円(前年比384.4%)、2012年(見込)が27.0億円(同74.2%増)と予測する。
2011年6月放送のテレビ番組にて「長寿遺伝子を活性化させて、長寿を促進する」などと取り上げられたことを受けてレスベラトロール配合H・Bフーズ市場が急拡大。山田養蜂場やディーエイチシーなど新規参入企業が相次いだことも拡大を後押しした。2012年はテレビ番組による特需が薄れてきており、前年より伸び率が鈍化すると予想している。
ミックスポリフェノールは、2011年が14.0億円(前年比366.7%増)、2012年(見込)が20.0億円(同42.9%増)と予測する。
2009年、2010年の両年ともに3億円と小規模であったが、2011年は前年に新規参入したエーザイが大々的な広告宣伝活動を行ったことや、ポーラが新規参入したことによって、前年比4.7倍の14億円と急拡大した。参入各社は女性向けのアンチエイジング商品としての需要開拓を強化しており、引き続き伸長すると予想している。
ラクトフェリンは、2011年が104.5億円(前年比16.8%増)、2012年(見込)が124.0億円(同18.7%増)と予測する。
古くからラクトフェリンを手掛け原料供給も行う森永乳業と2007年に参入したライオンの2社が圧倒的なシェアを占め、市場を牽引している。ラクトフェリンには抗ウイルス活性機能が確認されており、ヨーグルトのインフルエンザ感染予防効果も話題となる中、森永乳業が3月に「ラクトフェリンヨーグルト」をリニューアル発売しており、ライオンも引き続き通信販売チャネルを中心に新規需要の開拓を進めていることから、2012年は昨年を上回る伸び率を予想している。
2011年は、歯科医の推奨販売の定着や前年発売商品の好調を背景に10%台後半の伸びを示した。歯周病は潜在患者も含め患者数が非常に多いため、2012年も10%台前半の伸びが期待できるとしている