初めての朝・・・俺シス
「・・・っ。・・・っ。」もう朝か。あれ・・・誰かの声がするな。「・・・アニキ、早く起きないと鈴凛ちゃん特製目覚まし“ウェイクアップ君”使っちゃうよ?」鈴凛の声・・・?ああ、そうか。鈴凛は昨日、家に来たんだっけ。「アニキってば、こんなに可愛い妹に起こされるんじゃ不満なの?」あの日、鈴凛は僕に告白をした。それは僕の予想もしなかったことだったのに、僕はすんなりとその言葉を受け止めた。“鈴凛、僕も好きだよ。鈴凛がいいなら、一緒に暮らそう”と。それから数週間が過ぎて、4月になったんだ。昨日のように思い出せるけど、もうそんなに経ったんだ。妹達はどんどん魅力的になるし、時間って早いなぁ。「アニキってばぁっ!もう、朝ご飯冷めちゃうよ?せっかく頑張って作ったのにー。」ん、久しぶりだな。一人暮らしが多いと朝ご飯食べることも少なかったからな。よし、鈴凛今起きるよ。「・・・キス、したら起きるかな・・・。あの日以来してないし・・・いいかなぁ・・・・」「え、ちょ、鈴凛!?」「あ、アニキ、寝たフリしてたの!?」しまった、声が出た。「アニキ、明日からはやっぱり鈴凛特製目覚まし“ウェイクアップ君”使っちゃうからね!覚悟してね!!」うう、こういう類の発明品はスパルタなんだよなぁ。明日からは厳しい朝になりそうだ。・・・それでも鈴凛と迎える朝なら、楽しみ・・・か。