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カテゴリ:映画/エンタメ
そうそう、マイペースで観てます『天地人』。少々間が空いてしまいましたが、去る連休で一気にリアルタイムに追いつきました。いやぁ、実に濃い展開でした。
というか、もしかして事実上、派手な要素としてはピーク、迎えちゃいました?関ヶ原の戦いで…。 あとは、大河っぽく、主人公の晩年を描いて、地元に愛される英雄に成熟し果てるまでを描くのであれば…やっぱりピーク、迎えてますよね(汗)。 なんせ秀吉の死から、家康の台頭、そして一気に関ヶ原の戦いまで畳み掛けるところは、もう 「惜しげもない」という言葉にふさわしい名場面、名エピソードのオンパレード。それが第38回「二つの関ヶ原」に向かって一気に加速して行く。う~ん、笹野氏の秀吉も素晴らしくイヤなヤツ(褒め言葉です!!)でしたが、松方氏演じる家康の喰えぬヤツっぷりもまた…巧い。こんなヤツが江戸幕府開いて、伝記になっているのか…と教育のあり方に首を傾げたくなるほど(苦笑)。参りました。現実にいそうだもんなぁ、こういう人…。 で、ここで所謂イケメン・キャストたちがどんどんその一番の見せ場で散って行く。上地雄輔氏の小早川秀秋もよかったなぁ。坊ちゃんらしい、立派な赤い鎧と、おどおどした雰囲気のギャップ、淀に陳情するときのやつれ演技もまた。城田優氏演じる真田幸村、いつまでチョイ出演なんだ!!嗚呼、これがまさに、後に戦国最後最強の兵と謳われるもなかなか本舞台を与えてもらえなかった幸村自身の無念さを醸し出す演出なのか(いや、それは深読みし過ぎだろ)!! で。小栗旬氏。いいですね、ホントに。石田三成。いいです。前田慶次は、期待がプレッシャーになったのか、敢えてのスルーなのか、出してくれませんでしたが(苦笑)、小栗氏の石田三成で救われました。 この高邁な理想と不器用なまでの意地、そして正義をもってしても勝てなかった理想主義の限界に直面して向かえる死。美しいです。実に美しい。大体、硬質な正義など勝ったためしがないのです。この世で今も勝ち続けているのは、せいぜい玉虫色の正義。欺瞞なのです。だからこそ、フィクションの中で、融通の利かない正義を信じる石田が格好いいし、それが滅び崩れる様も、対岸の火事の?のゆらめきをぼうと眺めるように美しいと感じてしまう。まさに、この世では敗北する理想主義の彼岸に身を投じることで、別世界に勝利の石碑を打ち立てたような趣き。天晴。 脇も良かった。若林豪氏、「我が首取って手柄とせよ!!」、ベテランだけが言える台詞。痺れる。飄々としたイメージ、目だけの演技でファンを納得させたのでは?と思わせるのが、津田寛治氏演じる、三成のもう一人の盟友・月光仮面な大谷吉継。自身の病を不憫と感じさせぬ優雅なオーラと、ユーモアある洗練された才気を滲ませた、短いながらも名演技&名シーン。熱い男っぷりも見せてくれました。 結局、直江兼続を描く、ということはどういうことなのか。これまで歴史上マイナーとされてきた武将を描くというのはどういうことなのか。この「二つの関ヶ原」で迎えたピークに一つの答えがあるような気がしました。つまり『天地人』とは、歴史上、最前線で斬り結んできた英傑たちの心に、すっと入り込んできて、通り抜けて行く。そして相手が敵であろうと味方であろうと関係なく、あとには、消えない清々しさのようなものを残して行く。 つまりそういう、地味だけど忘れられない男を主人公としておきながら、その実、その心にどう印象として残っているのかという「歴史を通過して行く英雄たち」目線で描いている。さらにこの目線をもう一度直江@主人公目線にひっくり返すと、『天地人』とは、“名将の心にどう残ったか列伝”であり、“名将スタンプラリーにいくつ直江スタンプを押し、コンプリートしていくか”、というコレクションの過程を視聴者に見せていく作業だったのかも知れない、などと思っているわけです。無論、直江兼続自身にそのような奇矯な蒐集癖や下心などなかったわけで、そうでなければ清々しさなどとは無縁になってしまうのですが、こうした人物を主人公にした場合は、卵の両面焼きのように、テーマを二度三度とひっくり返していたりするのではないか、と勝手に節介な謎解きをしながら日曜日を過ごしていたりするのです。(了) 送料無料!【Wii本体同梱版】戦国無双3 with Wii(特製クラシックコントローラPRO同梱)(RVL-S-KH59)(4988615033209)2009年12月3日発売 ■帯津良一・帯津三敬病院名誉院長推薦、出版記念講演・青木新門『何のために生き、死ぬの?』(地湧社)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/10/16 02:25:45 AM
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