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December 23, 2006
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穿天の黒柱   ~第三話 少女と死神~




   ザンッッ

 叩き折られた凱虫の顎が少女の足元に突き刺さる。

だが、少女は太陽と彼女との間にある黒い影から目を放すことができなかった。

おそらくはあの影の者が「森の死神」なのであろう。いや、そうに違いない。

あの少女を取り囲む大きな凱虫の大顎を叩き折ったのである。

他の誰がそんな力技ができるというのだ。

少女は未知の恐怖に身を強張らせ、体の自由が利かなくなっていた。

 その影は少女と凱虫の上を旋回し、あのロボットの子供たちのところへ舞い降りた。

ヒトに似た体、両の手の甲からは皮膚を突き破るようにして湾曲した金色の爪が一本ずつ生えている。

背中には金色の翼・・・というか昆虫の羽根を思わせるようなものが輝いている。

漆黒の髪は頭の後ろで束ねられ、むき出しの褐色の肌に裸足で黒い半ズボンをはいている。

身長は少女よりも小さく、小柄で・・・まるでヒトの子供である。

「おい、オメーら大丈夫か?」

・・・やはり子供である。

少女もあっけに取られた顔で少年のほうを見ていた。

 少年は子供たちの盾になるようにして立ち、子供たちは彼の後ろに隠れるようにして固まっている。

彼らは顔見知りなのであろうか?

「やい、バケモノ共。今度はオラが相手だ!!」

鋭い爪を構えて立ち向かってくる。勇ましい少年である。

(・・・・「バケモノ共」って言った?)ふと、少女が気付く。

周りを見ても凱虫は一匹しかいない。・・・・・血の気が引く。

「ちょ・・・ちょっと。」少女が訳を話そうとした瞬間、再びあの金属音がした。

よほど硬い甲冑に覆われているのであろう。

だが爪はそれよりも鋭く、見る間に凱虫が空中で鰻の開きのようになっていった。

死神はそのまま空中で少女のほうに標的を変え襲いかかる。

彼の爪が彼女のヘルメットにかかったとたん、ぴたりと止まった。

「おめぇ・・・ヒトか?」

少年が声をかけてきた。

少女は首がもげ落ちそうになるほど縦に振った。

「そっかぁ。オラてっきりエンデュだとべぇ思って、すまねかったな。」

彼から笑顔がこぼれ、少女は緊張の糸が切れ力が抜け落ちるようにへたり込んだ。

(助かった~)心のそこからそう思った。

「あなた・・・死神?」

座ったままの少女は恐る恐る尋ねた。

「?なんだそれ。オラ、アルファだ。」

「アルファっていうの?その子達知り合い?

 なんで私がヒトって分かったの?この森にヒトはいないのに。

 なんで裸で平気なの?さっき言ったエンデュって?」

質問の嵐だ。仕方ない、不可解なことが多過ぎるのだ。

「話は後だ。ココは柱に近すぎる。集まってきた。」

少年は空を見上げた。つられて少女も見上げる。

空には別の種の凱虫がいた、ハエのようなクモに羽をつけたようなやつが・・・3・4・・5匹。

羽音も立てずに集まっていた。

「おい、おめぇ立てっか?こいつらん家まで走っかんな。ついてこい。」

少年は言うが早いかロボットを3人かついで走っていった。

「げ・・・ま・待ってよね~」

少女もあの宇宙服で走り出す。(・・・なんでこんな目に)背に腹は替えられない。



 森の中、黒柱がさっきより小さく見える。

子供たちの家まではまだあるのだが少女の体力はもう限界である。

「ここまでくりゃ大丈夫だ。・・・しっかし走るの遅ぇなぁ。いつもそんな服着てんのか?」

ごもっともな意見である。

しかし、ヒトならばこの服ナシでは生きられないこの森を肌をさらして歩いていることこそが彼がヒトではないことの証明になってしまうのだ。

「(うっさいなー)ね、ねー・・アルファ・・・さ、さっきの質問・・・」

息を切らせながら少女が少年に問う。

「アルでいいぞ。じいちゃんもそう呼んでるしな。

 じいちゃんにヒトに会ったら助けてやれって言われてんだ。

 じいちゃんもヒトだからな。会ったらきっと喜ぶぞ」

アルの答えに耳を疑った。やっと出会えるのである。

捜し求めたこの森の住人に。

「私はララ=ル=アパ=ローザ。ララでいいわ。ヨロシクね♪」







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最終更新日  December 23, 2006 11:53:44 AM
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