ホルモン療法ホルモンレセプターとは エストロゲン・レセプター(ER)とプロゲステロン・レセプター(PgR)の事を指します。(主は、ER) 乳がんが発症する時は、すべてがホルモンレセプターが陽性であるといわれています。(始から、陰性という人はいない) ホルモンレセプターが陽性の場合は、エストロゲンに影響をうけがん細胞の増殖が促進されますが、がん細胞の変化が進むとホルモンの影響がなくても増殖するようになり、これがホルモンレセプター陰性の場合です。 ホルモン陰性の場合も、ホルモン療法の効果が10%の人にみられます。(*ほとんどの病院で、ホルモン陰性であればホルモン療法対象外) そして、女性ホルモンの影響を受けやすい乳がんを「ホルモン感受性乳がん」といいます。 乳がん治療に使われる主なホルモン療法剤と主な副作用
閉経前と閉経後ではホルモン療法の施行順序が異なる 閉経前と閉経後の人では、ホルモン剤の働きに差が出ます。 一般的にエストロゲン・レセプターを持った乳がんであるかが最も影響しますが、抗女性ホルモン剤であるタモキシフェンは、女性ホルモンが豊富に分泌される閉経前の人には効果が薄いことがわかっています。 そのため、閉経前の人の乳がんに対しては、女性ホルモンの分泌自体を抑制するLH-PH剤を優先して用い、他のホルモン剤を併用する方法がとられます。
・子宮体がんの発症率が高まるタモキシフェン タモキシフェンは、乳がんの細胞に抑制するように働きますが、一方では女性ホルモンと似た働きをします。 例えば、子宮ではがん細胞を増やすように働くので、子宮体がんになる確率が高くなります。 定期的(年1回)に子宮がんの検診をうけることで、死亡リスクを減らすことができます。 子宮体がんの心配のないアロマターゼ阻害剤 タモキシフェンとは別に、ホルモンの動きを抑える薬として、アロマターゼ阻害剤があります。 アロマターゼは、体の脂肪組織や副腎や卵巣に存在し、男性ホルモンをエストロゲンに変更する酵素です。 主に閉経後の女性の場合、このアロマターゼの働きが重要になります。 最近の研究で、乳がん組織内にもアロマターゼが存在することがわかっています。つまり、乳がんは自分自身でエストロゲンを作って、そのエストロゲンの力で増えてゆくことをしています。 このアロマターゼの動きを抑えて、これらの組織でエストロゲンが作られられないように作用するのがアロマターゼ阻害剤です。 こちらは子宮体の危険性はありません。 |