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テーマ:山登りは楽しい(12030)
カテゴリ:趣味/旅行他
この週末を使って、宇宙に一番近い山‘チンボラソ山’登頂を試みてきました。 宇宙に一番近い山‘チンボラソ山’ 宇宙に一番近い山という響きに惹かれた!!ってだけの理由で、エクアドルに来る前から‘この山だけは登っとかんと~’って思ってた。 宇宙飛行士の毛利さんが‘エクッ!’って本で、そう表現してたのです。 きちんと説明すると、地球って厳密にはまん丸じゃないんですね。 赤道部分がビヨ~ンって伸びてる。 だからちょっと楕円形。 その赤道付近の山で一番高い山(赤道上で一番高い山とは違います)がエクアドルにある‘チンボラソ山’なのです。 この山は地球の核からの頂上までの距離がヒマラヤよりも確か2000mくらい長いんだよ。スゴイ!! 登る前は友人と「そうやって考えると1万m級の山に登るって考えられないこともないですからね~。ハッハッハ。うちらスゴイな~」なんてのん気に笑っていたのです。 チンボラソ山の高さは6,310m!! もう、それだけでも今思えば十分すごくって、だってキリマンジェロより高いですからね~。 そんな山にお気楽なド素人軍団に1名憐れなエキスパートが付き添ってくれて目指しちゃったもんだからもう大変!! まあ、一番大変で迷惑だったのは間違いなく私なんだけど。。。 私は6年前くらいにアメリカンロッキーの中の一つの山‘グランドティートン山’に登る機会があって、大学の先生&後輩なんかと仲良く10人くらいで何日かかけて登ったんだけど、その時、頂上付近で私だけ高山病になったんだよね。。。 も~、その辛いことってったら無くて、もうどんなケアを施されても全然良くなんないんですよ。 山を降りない限り。。。 頭は割れるほど痛いし、ゲロが止まんないから薬飲んでもすぐ吐いちゃうし、外はもちろんマイナス何十度?って世界だし、寝床はテントに寝袋で激サムだし、息は吸えないし。。。 どんな感じだろう。。。 「一晩中、ファミレスの業務用冷蔵庫に閉じ込められながら、トンカチでガンガン頭を殴られ続け、酸素は現実世界の10分の1、そして体中の全ての臓物が体から出たいよ~、出たいよ~、って言って私を突き破ろうとしてくる。 そして、私もここから出たいよ~、出たいよ~、って泣くんだけど、ファミレスの冷蔵庫と違うのは、一歩出ればそこは現実世界ってんじゃなくて、だーいぶ下山しないとこの苦しみから逃れられない。」 高山病はそりゃ~恐ろしい病なんですよ。 まあ、10m降りて治る人も居るらしいけど、私の場合はだーいぶ降りても意識が混濁したまま病院に運ばれて個室に入れられ(アメリカの病院は進んでるから大体個室みたい)手の甲に点滴グサグサさされてなんとか生還したのです。 後輩が着替えやらなんやらしてくれたそうだけど、何一つ覚えてないもんね。 覚えてるのは、テントの中でみんなが心配して、吐いても水分取んなきゃいけないから‘ウィダーインゼリー’をキャップ外して寝袋付近に並べてくれてさ、でも私はのたうち回っててそんなもん飲めるはずもなく、のたうち回る中でウィダーを体で踏み潰しまくり、テント中に飛び散らして、それが私に落ちてきたりして、マットもグシャグシャになって、惨劇だな。。。って人事みたいに思ったことくらい。 人間の記憶ってきっとロクなこと記憶しないのかも。。。 まあ、でも、その時の仲間には今も本当に感謝してる。 みんな、素直ないい子達で、最年長の私があまりにバカだから先生に怒られたな(泣) まあ、楽しかったからヨシとしよう!! そんな感じで生死の淵をさまよった高山病の想い出があり、私は高知に弱い!という自覚があるので、やっぱり今回も結構、緊張していた。 アメリカで高山病になった時、先生に言われたことが「トモコはあんまり水飲まなかったから悪いんだよ~」だったから、今回は異常なくらい水を飲み、3日前くらいから3リットル以上飲んでた!(←多分、全く効果ない) 登山前日は日本の家族に電話もした。 なんとなく。。。声聞いときたくて。 そしたら、おかんが「とーもーこーさーん!」ってハイテンションで電話に出て、「もう、プレゼントありがとうね~。お母さん、涙がぽろぽろぽろぽろ出てきてさあ、サイッコーだよ~。」って開口一番言ってくれた。 母の日に贈った手作りプレゼントとこっちで偶然載った新聞の記事を送ったんだけど。 うちのおかんは良くも悪くもリアクションができる人で私はそういう人が好きだ。 地球の裏側ですごく喜んでくれているのが電話口から伝わって、私もとても嬉しかった。 三十路間近の娘でも、いくつになっても私はただの子供なんだろうな~って普遍性を感じて、なんとも温かい気持ちになった。 で、「私さあ、明日から‘宇宙に一番近い山’(←とにかくこのフレーズを使いたい!)登ってくるよ。エクアドルで一番高い山!!」って伝えてみた。 そしたら「あんた~。あんま危ないことしないでよ~。た~だ生きてればいいんだからね~」って、波乗り行くときも、スノボー行くときも、ダイビング行くときも言われるいつものセリフを言われた。 無知って素晴らしい!! 心配かけるとヤダから言うの止めとこうかな~なんて思ったけど、多分、うちのおかんは300mくらいの山にピクニックに行くとしか思ってない(笑) 良かった。良かった。 友人は「あたしも親に電話しちゃったけど、言えんかったよ~。心配して寝れんと思うもん~。」なんて言ってた。。。 そんなこんなでかなり前置きが長くなりましたが、チンボラソ山に出発したわけです。 本日のメニューは登山の出発地点となる5000m地点にある山小屋まで行く!! 4,800m地点にある山小屋までは車で行けるから、そこからたった200m、1時間くらいの山登りをするだけ!! な~んて思ってたけど、もう4,800mって時点で人間が来る所じゃ無いんですよ。 富士山より1000mも高いし、日本でそんな高さに立つこと事態不可能なわけだから。。。 その山小屋で、元から体調の悪かった男子1名がかなりキツクなりリタイア。。。 彼に付き添って女子1名もリタイア。。。 計2名が下山しました(泣) 残り6名!!男子4名、女子2名。 私は、まだ高山病の気配も無く‘水飲みまくってるかんね~’なんて思って、チンボラソを間近に仰げる迫力でかなりノリノリだったんです。 山小屋の中でもキッチリ変装して(笑) 山小屋の中で(変装済みが私) 道具はみんなレンタルだったんだけど、みんな普通のサングラス借りてるのに、私に渡されたのは、なんか爆弾実験仕様の水中眼鏡みたいのでしかもゴムは小さい頃遊んだゴム段のゴムね。。。 「オイ!」って思ったけど、ネタ的にも風貌的にもオイシかったので許した。 しかし、こういうの、絶対私に回ってくる。。。なんでだ??? で、ちょこっと腹ごしらえをしてから5,000m目指して歩き始めたんですけど、もう人間が歩く高さじゃないわけだからちょっと歩いただけでも、心臓が出ちゃいそうなほどバクバク。。。いやバフバフいってヤバイんですよ!! でも、まあ高山病みたいな症状は出てないからなんとかいいペースでみんな登った!! 山小屋に着くと小一時間の山登りなのに、もうなんとも言えない達成感。 頂上がすぐソコ!! 時間は夕暮れ時!! 立っているのは雲の上!! 私、私、もうここで充分だよ~!最高だよ~!!って感激!!! 写真には写らないけど、美しかった。 目に映るもの全て。 夕飯を食べて23:30まで仮眠して00:00過ぎにはいよいよ登山開始ってスケジュール。 みんな夕飯モリモリ食べて、登山エキスパートは「5,000mでみんなこれだけ食べれるんだもんね~。大丈夫!大丈夫!!イケルイケル!!」って言ってくれて、私も‘頭も痛くないしイケル!!’ってなんとなく思って、体力温存のために食べて一番に寝たわけです。 その時は、後に起こる悲劇を知る由もなく。。。zzz。。。 →翌日に続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年05月18日 00時51分14秒
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