しめかざり
市の社会教育会館は3つあるが、その本館は古くは三妹と四妹が、そしてリンとキイがとてもお世話になったところだ。以前は母が文庫連の勉強会などで、そして私は育児サークルで、ここの児童室の託児を利用していたのだ。社教、という通称を2歳の四妹は聞きちがえて「らっきょうようちえん」と呼んで人にもそう話していたっけ。あの頃は毎年びんに幾つもらっきょうを漬けていましたね、おたあさん。リンは託児中の自分のマークがリンゴと決められていたので、部屋へ行くたびに「リン、りんごちゃんに変身!」とリンゴの帽子でポーズをつけていた。託児を卒業してからもしばらくは「あら、りんごちゃん」と保育担当のみなさんに呼ばれていたものだ。 さて、今日は文庫連の毎年恒例の年末行事として、しめ飾りつくりの講座へ参加。我が家は初参加です。普段はあまり行かない最上階の講堂へ。小さい舞台つきで、秋にはここで講座受講者のみなさんの発表会があったりする。本日はフロア部分が作業場と化す。舞台はブックトーク用の本がずらりと展示。「うさこがいる!」とゼロがわざわざ報告に。 あらかじめ参加するお母さんたちが回し読みしていたのが「たくさんのふしぎ」2008年1月号の『しめかざり』。森須磨子著。まだハードカバー化はされていない。しめなわの作り方、飾り方だけでなく、日本各地のご当地しめ飾り紹介、演縁起についてもふれられている格好の入門書。私たちの世代でも、縄をなったことのない人は多数を占める。私もわらじ作り体験以来。神社のしめ縄は氏子さんが作ってくださるので家での作業はなかったし。だから子どもがらみでもなんでも、こうして日本の伝統行事を折に触れて見直すのは大事。 単行本化されているものではこんなものも。『ふゆのかざりもの』。こちらはクリスマスからお正月までカバーの工作本。手仕事好きの子なら見るなりすぐに作りたくなっちゃう。みんなでつくるーふゆのかざりもの価格:880円(税込、送料別) きうち かつ(木内勝)作・絵 とこは まさと(常葉雅人)写真 福音館書店 かがくのとも傑作集 きうちさんは傑作『やさいのおなか』の作者ですね。子どもに手作業、指仕事を、というところから発想する作家さんなのかな…と思ったら『工作図鑑』の著者さん。実際に子どもたちに工作教室で教えてる人。 最近なんでもめんどくさがるリンと口答えばかりするようになったナンを無理やりひきずっていく。「勝手に申し込むなんてママ横暴!」などと散々毒づいていたが、いざ作り始めると俄然やる気を発揮する2人。リンは藺草(いぐさ)をなっての縄の締め方が意外にうまく、いちいちきゅっと音がするのを楽しみつつ作業していた。ナンは力のない分、こちらは苦闘、姉や私に手伝ってもらったが、折り紙などであらかじめ各文庫で用意していた飾りをつける段になるとはりきり娘に変身。ゼロには床に落ちていた藺草の残りを束ねて細い縄をない、小さいのを作ってやればご満悦。リンやナンが使わなかった飾りものをつけてなかなかそれらしいものに。これはお正月に車につけてあげようね。講師の方が繭玉で来年の干支・卯にちなんで白兎を作ってきてくださったのをあしらう。 作った後には講師の方からしめ飾りについてのお話、そしてブックトーク。しかしリンとナンはそちらはめんどくさいと脱走して隣の公園に行ってしまう。しかもどうせならゼロを連れて行って遊ばせてやってくれればいいのに自分たちだけ。文庫の小さい子たちの作業を手伝ってあげようとか、知的好奇心を発揮して各地のしめ飾りの展示を見たりお話を聞いたりしたいとかいうのも無いのね。 講師は科学読み物研究会の方、ということでそっち関係のブックトークを期待していたのだがそちらは無くて残念。文庫連のメンバーによる来年の干支にちなんだウサギ尽くしであった。選書は文庫所蔵のものということもあり、古典中心。うさこやピーターラビット、ビロードうさぎにグレイラビットなどなど。導入に手袋人形のうさぎさんが3体も出てきて、ゼロはこれに大よろこび。後で「うさぎさん、いたねえ」と振ると、一生懸命腕を動かして「ここにこういう風にはめて、こんなにして動かしてたね!」とパントマイムで説明してくれた。ゼロは自分で人形を使いたがる子で、同じうさぎとシリーズのくまを私からとりあげすっかり自分のものにしている(文庫で私が使うと、それはオレのなの、ママは使っちゃメなの!と怒る)。 本場・岡山から取寄せてくださった藺草は色も香りもいい。稲藁には来年挑戦したいな。こちらは木槌で打つところからさせてもらえる。今年はゼロが指をつぶしそうで、木槌に近寄れなかったのだ。やさいのおなか価格:1,050円(税込、送料込) きうちかつ 作・絵 福音館書店 幼児絵本シリーズ↓よろしかったら押してください