学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

学びの泉 ~五目スパゲティ定食~

第86号

2006. 5.26 ご登録読者数 1392 名様

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☆トップクラスに入る勉強法! 第86号☆

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発 行:考える学習をすすめる会 http://kangaeru.org
                             
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§このメルマガの趣旨

成績は「勉強時間」と「勉強のやり方(頭の使い方)」で決まりま
す。もし、大きく学力を高め、成績を向上したいなら、勉強のやり
方を、覚える学習から「考える学習」に変えなくてはなりません。

このメルマガをしっかり活用すれば、トップクラスの成績を手に入
れることができます。執筆者は全員が10年以上のベテラン塾長です。
熱意ある皆さんのために、このメルマガをお届けします。
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こんにちは、手塚です。


今週の城内先生のメルマガ「続・心豊かな賢い子を育てる12章」で
触れていたように、私も今回の「英語サブノート」作りに携わって
います。

今までは塾内の生徒達に口頭で伝えていたことを文にしなければな
らない。そうなると思いのほか大変で、自分の知識の確認をネイテ
ィブにとったり、PCと悪戦苦闘したり、寝不足の日々が続いていま
す。


さて、Mちゃんシリーズもいよいよ終盤に近づいてきました。今日
を含め、後2回でシリーズは終わりです。

今回も勉強法とは離れ、Mちゃんがホームステイで得たものについ
てお話します。前回「価値観」について書くと予告しましたが、変
更して、今回は「自分の意志で行動すること」をお話します。


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          「英語で楽しむ」

        Mちゃんホームステイをする

        その2 自分の意志で行動する


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Mちゃんが初めて海外でホームステイしたのは、大学3年生のとき
でした。アメリカで2週間、英語を外国語とする人達のための英語
会話カリキュラムに参加しました。

Mちゃんのクラスにはいろいろな国の人がいました。韓国、タイ、
トルコ、フランス・・それぞれ皆違った文化を持っています。

Mちゃんが最初に、彼らの行動を見て思ったのは、「彼らは自分の
ことは自分で決めている。」ということです。


  なんだ、あたり前じゃんと思った人、

    本当にそうですか? 

      本当に自分のことは自分で決めることができますか?


例えば、友達とレストランなどへ食事をしに行ったとき、「ねぇ、
何食べる?」と友達に相談してませんか? 

学校で、先生に「~やりたい人いませんか~?」と聞かれたとき、
回りの反応をうかがってから自分の行動を決めてませんか?

大学3年生のMちゃんはそうでした。何を食べるか、何を飲むか、
どこへ行きたいか、今日何をしたいのか、自分1人の考えで決める
ことができませんでした。

大学3年といえば学生といえども、もう20歳をすぎた大人です。
でも、できませんでした。友達と行動しているときは、友達と相談
してから決めていました。

他と違うといやだから、自分だけ違うとなんだか浮いてしまいそう
で、皆と同じにします。


しかし、それは国際社会では主体性のないものとみなされてしまう
のです。

ある日、Mちゃんのクラスメート、BのバースデイパーティーをB
のホームステイ先の家ですることになりました。現地で知り合った
日本人3人と出かけます。

パーティーには、クラスメートの韓国人2人,フランス人1人,ブ
ラジル人2人,タイ人2人,トルコ人1人が出席。

Bのホストマザーが皆に聞きます。

 Girls and boys, What would you like to drink?
     (みなさん、何を飲みたい?)


それぞれが即座に答えます。

 I'd like coke!    Water!
(コーラがいい。)   (お水。)


ところが、Mちゃんと日本人2人の友達は、日本語でコソコソ話し
合いを始めました。

Bのホストマザーが3人に聞きなおします。

 What would you like to drink, girls?

Mちゃん、

 Let me see..  Just a minute, please.
 (えっと・・ちょっと待ってください。)

と言って、また相談。

ホストマザーは日本語が理解できないので、Mちゃんたち3人が何
を話しているのかわかりません。だから、話をする前に飲み物を決
めて欲しいと思ったのはあたり前です。


 What are you talking about? 
 (あなた達、一体何をはなしているの?)

Please tell me what you want to drink right now!!
(何を飲みたいのか、今すぐ教えて!)


それを聞いていた韓国人の1人が、

 Maybe you should tell her what you want to drink

before chatting together. 

(君たちおしゃべりする前に、マザーに何を飲みたいのか言うべき
だと思うよ。)


ホストマザーの様子とクラスメートの言葉を聞いて、ただごとじゃ
ないようだと悟ったMちゃんたちは、すぐに自分が飲みたいものを
伝えました。

ホストマザーも回りにいた人達も、まさかMちゃんたちが、何を飲
むのか話し合っていたなどとは思わなかったでしょう。

そんな行動をとることは、彼らの普段の生活の中ではないからです。


このときは、楽しいはずのパーティーの雰囲気を悪くし、また自分
の主体性のなさを本当に恥ずかしく思ったそうです。


思い起こせば、彼らが誰にも相談せず、自ら行動を起こす場面を幾
度か見てきました。

先生が、「今、私を手伝える人ついてきて。」「明日、~に参加し
たい人はここにサインして。」「私とペアを組みたい人は?」

皆が、自分の行動を自分で決めます。

私には、何人もの日本人の学生や社会人をホームステイさせている
友人が、ニュージーランドとアメリカに4人います。

彼らに日本人の印象を聞きました。そのなかで共通して言っていた
ことは、日本人は、控えめ、はずかしがり、依存心が強いというこ
とです。


昔から、日本人は「謙虚」であることが良いことだと教えられてき
ました。教えられなくとも、そのような雰囲気の中で育てられてき
ました。

謙虚とは、控えめ、つつしみ深いことです。

アメリカや他の国々では積極性、自立性を身につけるよう育てられ
ています。(そうでない国もあるかもしれませんが。)

日本人の謙虚さがそんな外国人には、控えめ、はずかしがり、依存
心が強いように映ったのでしょう。

でも、謙虚であることと自分の意志で行動しないということは同じ
ではありません。

ちなみに謙虚の反対語は傲慢(ごうまん)です。積極的に行動する、
自らの意志で行動することとは、傲慢とは全く違いますよね。

相手を気遣い、自分の思いを出さず、控えめになることは時には大
切です。そのようなことは、アメリカ人でも他の国の人々でも心得
ています。

だから、謙虚であることをはき違えてはいけません。

自分がしたいことを自分で決め、その行動をとることはあたりまえ
のことです。

想像してみてください。誰かに自分の意見を求められ、何と答えよ
うか、友達と相談している自分の姿を。

奇妙でしょ?


Mちゃんは、ホームステイでの苦い経験から、自分の意志で行動す
ることを学びました。

それからというもの、意見を求められ、「わかんない。」「どっち
でもいい。」「びみょう~。」と答える人達を見ると、「しっかり
してよっ!!」と言いたくなるそうです。

他と少しでも違っていたら変な目で見られる、浮いてしまう。とい
う意識が働くかもしれません。

でも、人はみなそれぞれ違った性格で、違った考え方を持っている
のです。違ってあたりまえなのです。その違いが1人1人の個性な
のです。

そして、その違いを尊重し、尊敬しあうことがお互いを理解し、良
い関係を保っていくのには大切なことなのです。


「違いを尊重し、尊敬しあうこと」これが、次回にお話しする「価
値観」と関係があります。



では、Mちゃんシリーズは次回が最終回です。

 お楽しみに。





    (執筆:手塚英数教室 手塚美喜…小布施町清水)


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