愛するということ
エーリッヒ フロム
思春期に読んだが難解で放棄していたこの本、愛するということ(エーリッヒ フロム)に新訳が出たと言うことで、再挑戦してみました。
ちなみに、
読書ではなく、聴書?
キンドル電子書籍をiPhoneの読み上げ機能で読んで貰ってます。(笑)
こんな感じでとても快適に聴書できますよ。(笑)
Amazonのアレクサでもキンドルを読んで貰えるようになりましたが、スピード調節ができないので、iPhoneの読み上げ機能の方がちょっといいかも。
思春期の頃は、やはり恋愛の悩みを抱えての試行錯誤だったので、異性愛とか、愛の修練とかを探して読むわけですが、超難解でした。
読み返しても、、、やはり難解。(^_^;
本書は4章構成になっています。
1章 愛は技術か
2章 愛の理論
3章 愛と現代西洋社会におけるその崩壊
4章 愛の修練
です。
以下、気になったポイント。
<愛は技術か>
知力と努力が必要な技術
☆アートと同じ
<愛の理論>
■愛=合一感 → 集団同調、同一志向、平等志向
現代資本主義はどんな人間を必要としているだろうか。
それは、大人数で円滑に協力しあう人間、飽(あ)くことなく消費したがる人間、好みが標準化されていて、ほかからの影響を受けやすく、その行動を予測しやすい人間である。
また、自分は自由で独立していると信じ、いかなる権威・主義・良心にも服従せず、それでいて命令にはすすんで従い、期待に沿うように行動し、摩擦を起こすことなく社会という機械に自分をすすんではめこむような人間である。
☆すっかり洗脳されている
男女平等も、差異をなくそうとする傾向の一つの表れである。
残念ながら、男女平等によって、男女が平等なのは男女の違いがなくなったからだという思い込みが生まれた。
啓蒙主義者が唱えた「魂に魂に性別はない」という主張は、今や一般的なものとなった。
性の2極性は消えつつある。
かくして男女は、両極的存在として平等なのではなく、同一になる。
☆草食化は必然
<愛と現代西洋社会におけるその崩壊>
商品、映像、料理、酒、タバコ、人間、講義、本、映画などを、人びとはかたっぱしから呑(の)みこみ、消費する。
世界は、私たちの消費欲を満たすための一つの大きな物体だ。
大きなリンゴ、大きな酒瓶、大きな乳房なのだ。
私たちはその乳房にしゃぶりつき、限りない期待を抱き、希望を失わず、それでいて永遠に失望している。
☆この失望感が現代人の「何か満たされない」感情の根源か?
☆しあわせはいつもじぶんのこころがきめる
■愛=自発的責任、自分(=他者)の尊重
高く売れる人格に価値を置く市場原理とは共存が難しい
市場原理支配下では、愛されることばかりを願う利己主義的な愛が蔓延
☆そう言えば、「愛され~になる」的な雑誌記事が多い
<愛の修練>
愛は技術だが、修得は容易ではない。
- 全力で今を生きる
- 自分を感じる
- 悪い仲間を避ける
- 退屈しない、退屈させない
☆ホリエモンの言ってる事と酷似☆僕が一番大切にしているのは毎日を退屈せずに楽しく過ごすことです。(堀江貴文)
<全体を通して>
マズローの5段階欲求と掛けあわせて愛の理論を分析すると理解が容易かなと思いました。
生存・安全欲求
ナルシズム
親から愛されることに喜ぶ
愛されないと不安
■愛=乳と蜜
■愛=命と快楽
与えられる人が豊かな人(母性愛)
社会欲求
孤独の恐怖
同調志向
■愛=結合欲求
■愛=協力体制
性
チームワーク
孤独からの避難所
善良な優等生市民
承認欲求(父性愛)
親を喜ばせる
他人を喜ばせる
人格パッケージをできるだけ高く売る
愛の崩壊
愛されることばかりを願う利己主義的な愛が蔓延
自己実現欲求(愛の修練)
一人でいられる
私を感じる
悪い仲間を避ける
退屈しない
母性愛と父性愛の共存
■愛=自発的責任(意思と決断)
■愛=自分・他者の尊重
自己超越欲求
知りたい
理解したい
■愛=孤立、不安→恥・罪悪感、孤独の恐怖の克服
■愛=知識欲求
■愛=他者・神・自然・社会との合一
この歳で読んでみると、また味わいが違いますね。