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カテゴリ:古典シリーズ
大変ご無沙汰になってしまった古典シリーズ。
久しぶりに復活でございます。

その復活を飾るのは、前回の日記のところにコメントをしてくださった
ユゥさんのリクエストと共に予告しておりました、
蜻蛉日記より「道綱鷹を放つ」です。

蜻蛉日記は藤原道綱母が作者ですが、
これは、藤原兼家の求婚から始まり、一子道綱の成人した晴れ姿を描いて終わると言う、
1人の女として、そして母として描いた日記です。

今日はその中の、琵琶湖の西浜にある唐崎というところで、
祓えのための旅をしましたが、夫の兼家とは相変わらず心開かない関係となっている
という場面から入ります。

というわけで、いつもと同じように本文、訳を書きます。

<本文>
つとめては、「ものすべきことのあればなむ。いま明日、明後日のほども。」
などあるに、まこととは思はねど、思ひなほるにやあらむと思ふべし、
もしはた、この度ばかりにやあらむとこころみるに、
やうやうまた日数過ぎ行く。さればよと思ふに、ありしよりもけにものぞ悲しき。

つくづくと思ひつづくることは、なほいかで心として死にもしにしがなと
思ふよりほかのこともなきを、ただこの一人ある人を思ふにぞ、いと悲しき。
人となして、後ろやすからむ妻などにあづけてこそ死にもこころやすからむとは思ひしか、
いかなる心地してさすらへむずらむ、と思ふに、なほいと死にがたし。

「いかがはせむ。容貌を変へて、世を思ひ離るやとこころみむ。」と語らへば、
まだ深くもあらぬなれど、いみじうさくりもよよと泣きて、
「さなりたまはば、まろも法師になりてこそあらめ。何せむにかは、世にもまじらはむ。」
とて、いみじくよよと泣けば、われもえせきあへねど、いみじさに、
戯れに言いなさむとて、「さて鷹飼はではいかがしたまはむずる。」と言ひたれば、
やをら立ち走りて、し据ゑたる鷹を握り放ちつ。見る人も涙せきあへず、
まして、日暮らし悲し。心地におぼゆるやう、

あらそへば 思ひにわぶるあまぐもに まづそる鷹ぞ 悲しかりける

とぞ。日暮るるほどに、文見えたり。天下のそらごとならむと思へば、
「ただいま心地悪しくて。」とて、遣りつ。

<訳>
(兼家が訪れた夜の)翌朝は、「なすべき用事があるので、(今夜は来られない。)
すぐにまた明日か明後日のうちにも(まいりましょう)。」などと言うので、

(私はその言葉を)本当だとは思わないけれども、(そんなことを兼家がわざわざ言うのは)
こちらの機嫌が直るかもしれないと思っているのだろう。もしかしたら、
(兼家の訪問が)最後になるかもしれないと思って、様子を見ていると、

次第にまた(兼家の来ない)日数が重なっていく。
やっぱりそうだったのかと思うと、以前よりもずっともの悲しい。

つくづく思い続けることは、やはり、
なんとかして思いどおり死んでしまいたいと願う以外に何もないが、
ただこの一人の子供(道綱)のことを考えると、ひどく悲しい。

(道綱を)一人前に成人にさせて、安心できるような妻にまかせなどすれば
死ぬのも気が楽だろうと思っていたのに、(今私が死んだらあの子は)
どんなよりどころのない気持ちで暮らしていくことであろう、と思うと、
やはりとても死にきれない。

「どうしよう。出家して尼姿に身を変えて、俗世間のことを思い切ることが
できるかどうか試してみようかしら。」と(道綱に)話すと、(道綱は)
まだ若く深い事情も分からないが、ひどくしゃくりあげておいおいと泣いて、

「そうおなりになったら、私も法師になって暮らしましょう。何のために、
世間の人たちの中で暮らしましょうか。」
と言って、たいそうおいおいと泣くので、私も涙がこらえきれないけれども、

あまりの(道綱の)深刻さに、冗談をまぎらわしてしまおうとして、
「(法師になって)それで鷹が飼えなくなったらどうなさるおつもりなの。」と言うと、
(道綱は)おもむろに立って走っていって、つないでいた鷹をつかんで放してしまった。

(それを)見ている女房も涙をこらえきれず、まして、(私は)一日中悲しみにくれていた。
(そして)心の中で感じたことは、

(和歌の部分)
夫との不和に堪えかねて、尼になろうかと思っている私よりも先に、
子供がまず鷹を空に放って、法師になると決心をするとは、なんと悲しいことであろう。

ということであった。
日が暮れかかる頃に、(夫の兼家から)手紙が来た。
まったくの嘘(を書いてきた)だろうと思ったので、

「ただいまは気分が悪いので(返事は出来ません)。」と言って、
(使いの者を)返した。

という文章なのです。

なんとも道綱は親思いのいい子ですよ。
ここで大体問われるのが、

「道綱が鷹を放ったことの意図」なんですね~。

本文を訳せば簡単に答えは出るのですが、
大体の文章を見れば「法師になる」というのが大きなポイントとしてのっているわけですね。

道綱母は疑りぶかかったんでしょうね~。
なんといいましょうか。僕からすれば最後の手紙の場面も
「嘘」ということを前提に使いの者を返しちゃったんですから
はなから否定しちゃってるんですよね。

そこもよく注意して読んでおきたいところです。
夫・兼家との関係を通しての作者の思いを読みとっていきましょう。

ユゥさん、リクエストありがとうございました。
是非役立てられればと思います。m(__)m





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Last updated  September 4, 2006 10:56:12 PM
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