ラインガウの午後の一番の目的はロバートヴァイルの醸造所を訪れることでした。
ヨハニスベルクからバスと電車でエルトヴィレまでたどり着き、そこからクロスターエベルバッハ行きのバスの中間ぐらいにロバートヴァイルがある村キッドリッヒ(Kiedrich)があります。
キッドリッヒはライン川沿いではなく丘の中腹にあるので観光客はほとんどこないし(ワイン好きを除く)店もほとんどなく住宅地なかんじでした。そんな村のはずれ、ワイン畑が見渡せるところにロバートヴァイルの醸造所があります。
この醸造所のワインは日本にも輸入されているラインガウのトップとされている醸造所ですが思っていたとおり大きい敷地でした。
事務所、醸造スペースとは別にゲストハウスがあってびっくりです。
しかし誰もいる気配がしなくて嫌な予感がしたのですが、インターホンを鳴らしたところちょっと待ってと言われたのでしゃがんで気軽に待っていたら5分後ぐらいに担当の方がきてくれました。
すごくきれいでモダンな場所でした。広さとしてはこの倍以上あります。
夏にはこのスペースがいっぱいになるぐらい人が訪れるそうです。
人気があるのとそんな顧客に答えるサービスということでこんな立派な建物を造ったのでしょう。
キュンストラーやライツも立派なゲストルームがありましたがここが一番豪華で斬新なデザインでした。
そういうところよりは僕はモリトールやヴァインガルトのようなホッとできるスペースのほうが個人的には好きです。
担当してくれた方は初めてのタイプで、試飲したいワインをリクエストするとそのワインや畑の説明をぐわーーって解説してからワインをとりにいってきて注いでくれました。始めはびっくりしましたがなれました。
こういうところだと購入しないでひやかしで飲むだけの人もいるから先に説明してしまおうということでこういうことになったのでしょう。
さて試飲の感想です。
ここも荷物の量の関係で一本しか買う予定ではなかったので色々試すのは申し訳ないと思い下の等級のは諦めました。
ヴィンテージは過去のワインは全て売り切れているため全部2007年産です。
僕は今まではっきとは意識していなかったのですが、ここのワインは同じ等級、味わいでも二種類の商品がリリースされています(アウスレーゼ以上など一部は除く)。
ひとつは畑名ではなくラインガウとつくものでキッドリッヒの全域の中からの適した葡萄で造られているワインで、もうひとつは畑名がついて特級の場所の葡萄のみで造られています。ラインガウのはヴァイルらしいワインに仕上げる、畑名のは畑の個性を生かしているというかんじでしょうか。畑はGrafenbergが最上で次点がTurmbergだと思います。
まずはトロッケン(辛口)のシュペートレーゼです。
ラインガウのは、良いけれど突出したものはないというかんじでしたが、Turmbergのは背すじがのびるかんじのすばらしいワインでした。これを飲んでやっぱりヴァイルはすごいなーと思いました。そんなに主張はしていないのですがソリッドでフルーティさもある他のラインガウではあまり飲んだことのない辛口ワインでした。辛口をあまり好んで飲まない僕でもおいしいと言えるかんじのワインでした。
ハルプトロッケン(シュペートレーゼ)はラインガウのみです。
食事でもそれだけでも飲める、ほどよい甘さでバランスもよく、ゆっくり飲むけれどいつまででも飽きない、といったかんじのものでした。
良かったですがもし日本でルプトロッケンを購入するならこの下のクラスでも満足できると僕は思います。
甘口シュペートレーゼはまずラインガウから。
何度か飲んだことのあるヴァイルらしい上品なものでした。でもこの値段(20ユーロ)なら他の醸造所のもっと良いものを買えるかなと。
Grafenbergのはおいしいけど物足りなく感じました。それはまだまだ若いからです。甘みのボリュームが全く口の中で広がりませんでした。少なくとも2年ぐらい経ってからでしょう。
そしてアウスレーゼをリクエストしたらこれも飲めるみたいでした。
最初にかなり言われましたが何年も寝かせないとこのポテンシャルはわからないと言われました。
飲んでの感想はすごくきれいなアウスレーゼでした。質が高いのは間違いなくわかりました。ただこれがどう熟成するのかは想像できませんでした。
ということも含めこれを一本購入することにしました。最低でも10年待て、と言われたので気長に待ってみます・。
密かに期待していたベーレンとTBAは売り切れていてないと言われたのでここで終了です。
最後にブリュット(もう一種類のエクストラブリュットよりは残糖があります)のゼクトを飲ませてくれました。
カビネットくらいの甘さがあって、こういうスパークリングワインは珍しいしおいしいかったので日本に輸入されていたら購入したいと思っています。
ここのワインをヴィンテージごとに意識して飲んだことはないのですが、07のは平年なみといったかんじかと思います。といってもすごい醸造所なので他の醸造所よりも質の高いワインばかりですが。ただ値段もトップなのでこの値段をだして買うワインではないとも僕は思います。
ゲストルームのトイレです。こういうセンス大好きです。
これ見て笑える人は少ないと思いますが。
その後はまだ時間があったので選択肢にあったクロスターエーベルバッハ(Kloster Eberbach)に行くことに決めました。しかしバスの時間の中間だったので徒歩でむかうことにしました。
歩けるとは思っていましたが30分強で少し疲れました。
その途中です。シュタインベルガーの畑はけっこうなだらかでした。
そして到着しましたが、マウヴァーワインとして別にリリースされているワインが造られている修道院の壁もわかりました。僕はマウヴァーワインとオークションワインだけエーベルバッハのワインは好きです。
ほとんど暗くなったので外観の写真は全然ないです。
ショップで試飲もしましたが飲んでみたいのが全く開いていなく飲んだのもパッとしませんでした。
レストランです。この雰囲気はいいですねー。
グーツワインのファインヘルプを飲みました。気軽に飲むとしたら最上のワインです。もしかしたらこの雰囲気で飲んだから気分がよくなっただけかもしれませんが。
そして真っ暗な中バス停を探し(敷地はけっこう広いんです)、エルトヴィレまでむかい電車でリューデスハイムに戻りました。
後半だいぶやっつけ的ですみません・。
前も書いたとおり僕はシュロス・ヨハニスベルクを訪れたほうが楽しめると思います。
ただ競売会などここでけっこう催しをやっているのでまたクロスターエーベルバッハに来ることになるかもしれません。