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売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

Nobuyuki Ota

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2024.02.03
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昔から、これと決めたブランドとはかなり長く付き合い、同じブランドのものをずっと買い続けてきました。アンダーウエア(カルバンクライン)や靴下(ラルフローレン)からカーディガン(プレイまたはオム・コムデギャルソン)、コート(ジルサンダー)、カジュアルパンツ(バナナリパブリック)、バッグ(プラダのナイロン製)、靴(トッズ)、四半世紀ほぼ同じブランドで通してきました。

セットアップとシャツは1980年代から長らくコムデギャルソン・オムを愛用してきましたが、ブランド側のシルエット変更(丸くゆったりだったのがタイトフィットになった)があってからギブアップせざるを得なくなり、セットアップとシャツは自分用のものを特別に誂えるようになりました。

だから、自分の服を新しく買うためにブラブラ紳士服売り場を歩くなんてことはほとんどありません。売り場に行くときはマイブランドの売り場に行って必要なアイテムを買ってすぐ帰ります。マーケティングのためレディース関連の売り場は頻繁に歩きますが、正直言ってメンズ売り場をウインドーショッピングすることははほとんどありませんでした。











4半世紀以上浮気することなく靴はずっとトッズでしたが、adidasスニーカーを履くようになってその快適さにいまごろ目覚め、スニーカーと調和が取れる服を探す必要に迫られ、最近はまめにメンズ売り場を回るようになりました。スニーカーもadidas以外のブランドにもチャレンジしてみようと手を広げ、初めてNIKEをネットで購入。

一消費者の目線でメンズ売り場を歩いて気がついたこと、「値段が随分上がってるなあ」です。

先月某百貨店メンズ館で気になったジャパンブランドのシャツ、お値段が58,000円の表記に「高いっ」と思いましたが、よく見るとこれはピンク色値札、つまり秋冬セール価格。プロパー価格を見てさらにびっくり仰天、なんと繊細な細番手素材でもないのに97,000円でした。複数の素材を縫い合わせているデザインですが、数年前ならこの種のシャツは50,000円未満だったはず、それがプロパー価格97,000円とはあまりに高すぎます。セールでも私には高すぎる、試着する気力もなくなり売り場を離れました。

ジャパンブランドがこんなに高騰してるのであれば、円安の影響を受ける海外人気ブランドのシャツはどうなっているんだろうと某イタリアブランドのネット通販サイトを調べると「フリンジ付きプリントコットンシャツ」がなんと638,000円。正直、こんな値段のシャツを誰が買うんだろう、です。私には値段と価値のバランスが異常としか言いようがありません。円安の影響もあるんでしょうが、この価格をつけて日本市場で売り出すジャパン社の勇気(あるいは自惚れ)、すごいですねえ。

考えてみれば、海外ラグジュアリーブランドのキャンバスバッグでさえ円安影響を受けて昨年からとんでもない価格に設定されています。レザーじゃなくブランドロゴが入ったキャンバスバッグがほぼ50万円。顔見知りのイタリアブランドの販売スタッフがこんなことを漏らしていました。「キャンバスですよ◯◯さん(フランスのブランド名)、このお値段で販売していいんだろうかと正直思います。でも、うちもそこまで高くはありませんが、もうエントランス価格とは言えないお値段なんですよ」、と。

しかしながら、とんでもない価格になろうが海外ラグジュアリーブランドは順調に売上を伸ばしています。コロナ禍で減少していたインバウンドの売上はほぼコロナ以前に戻り、インバウンド客の旺盛な消費もあって価格高騰は特に問題視されていません。果たしてこの上り調子はしばらく続くのでしょうか。海外ラグジュアリーブランドの小型バッグ、若い消費者のために20万円を切るエントランス商品を用意していた数年前が懐かしいですね。

中国景気が悪いと言われていますが、中国からの若年層インバウンドは有名ブランドの大きなショッパーを抱えて歩いています。今日も銀座の歩行者天国の主役は完全に中国系の若いお客様、本格的な春節(今年は2月10日)バカンスはこれからですから、中国は報道の通り本当に不景気なのかどうか今日の銀座を見ると疑問に思います。

日本ではこの1年生活必需品が相当高騰していますが、ファッション商品の価格の上昇はそれ以上に値上がり、ジャパンブランドであれ外資ブランドであれちょっと異常レベルではないでしょうか。2020年新型コロナウイルス騒動の前のほぼ2倍になった商品は少なくありませんから。「売れてるからいいんじゃないの」と言われそうですが、本当にこの状態でいいのかどうか。ここは、価格高騰についてこれない消費者にはユニクロもGUも無印良品もあると理解すべきなんでしょうかね。

私、最近履きやすいスニーカーに目覚めて結果的には良かったのかもしれません。普通のadidasならトッズの値段で5足以上買えますから。


(写真は全て2023年12月中国杭州、寧波で撮影)





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Last updated  2024.02.05 12:31:36
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