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売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

Nobuyuki Ota

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2024.03.11
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蘇州研修2日目は同行の齋藤孝浩さんが終日担当、私はひと足先に次の目的地広州へ向かいました。蘇州のホテルから上海虹橋空港までは佐吉コンサルティングの金さん運転で移動。虹橋空港で金さんは部下に車を手渡し、私たちはチェックインカウンターに。

ところが金さんに電話が入り、彼は慌てて降車した場所に戻っていきました。何と蘇州から虹橋空港まで金さんは車のキーを差し込むことなく、スマホだけで運転してきたのです。部下のスマホでは車が動かない、金さんはリュックサックの奥にしまってある車のキーを渡しに行ったのです。この間たった5分くらいの出来事、しかし駐車違反の切符を切られました。キーなしでEV車を蘇州から長距離運転していたとは驚きです。

広州空港では私を招聘してくれたアパレルメーカーの社員が大きな花束を持ってお出迎え、空港で花束なんて初めての経験、照れくさかったです。空港から市内に向かう道路は美しい花壇が続き、市内に入ると今度は道が狭く車線は描いていない凸凹の道、昔から交易で栄えた歴史ある町ですから昔の道路幅のままというのも少なくありません。


創業祭では永続勤務表彰も行われた

ちょうどその日はアパレルメーカーの創業祭、社員たちは部署ごとにかくし芸を披露し、会社から臨時ボーナスや永続勤務の発表もあってかなり盛り上がりました。勤続20年の社員食堂コックさんにも感謝のハグと記念品が社長からプレゼントされましたが、ややもすると陰の存在になりがちな人にまでちゃんと大勢の社員の前で感謝する、いい会社ですね。

翌朝は広州市内の店舗視察。同行する社長や幹部たち10名ほどに什器台数やその形状、マネキンに着せる服の飾り方から定数定量管理まで気がついたことを売り場で指導。ファッションビルやショッピングモールの大型ショップのほかに、歴史的建造物の小型ショップがユニークでした。地元の美術大学の学生にスペース
を解放し彼らの作品展示をしたり、半世紀以上前はこの場所は有名な写真館だったそうで、若いお客様がレトロな雰囲気の中で記念撮影していました。


古くからの繁華街の目抜き通りにある「北京路225ビル」


その上層階にあるギャラリースペース


かつては有名な写真館だったビルでブランド創業者と

そして次の日の午前中は幹部と海外戦略に関する意見交換、午後は社員150名にセミナーでした。

午前中の幹部たちとの意見交換では、創業から29年間取り組んできたことが説明され、海外戦略について社長から構想が発表あり、これについて私はどう思うか意見を述べました。海外展開でキチンと収益をあげるのはいかに大変か身にしみているので調子のいい話はせず慎重に進めた方が良いとアドバイス。

一昔前と違い、ネットで通販も発信もできる時代ですから、海外主要都市の一等地に店を構える必要はなくなり、場合によっては家賃の安い裏通りでもビルの上層階でもビジネスはできるとも申し上げました。すでにオーストラリアやシンガポールに出店しているので海外出店を加速させたいのでしょうが、海外は簡単ではないので慎重に計画を立てる方がいいでしょう。

午後は本社スタッフに向けてマーチャンダイジングの基本を説明。どういうお客様に向けて、どんな商品を企画し、これをどのように売るのか、そしていくつ販売するつもりなのか仮説を立てて仕事しましょう、とこれまで日本で教えてきたことを3時間ほど講演。最後は質疑応答でしたが、空間演出担当の若手社員と私とのやりとりに創業社長がイラつき、その社員に私が指摘した高すぎるハンガーラックを再検討するよう指示していました。什器の高さが高いのは什器製造メーカーに押し切られたらしく、社長はそんな仕事の仕方ではダメ、しっかり話し合って再考するよう命じました。

セミナーの質疑応答で講師から指摘のあった問題点を社長自らすぐ現場に改善の指示を出す、このスピード感がいいですね。この会社は自社工場でアパレル製品を生産し、自分たちの直営店で社員が販売している製造小売業。もっと上質な商品を開発して海外に販路を広げたい意向ですが、社長と社員の間の距離が短く、幹部の意思決定はスピーディというところが業績を伸ばしてきた要因でしょうね。

社長ら幹部は昨年10月東京での社員研修、12月の杭州市での業界セミナー、そして今回の広州本社での研修と意見交換と短期間で三度も私の話を聞いてくれました。やる気のある経営者の会社、当方もセミナーのやりがいがあります。





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Last updated  2024.03.11 23:57:31



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