カテゴリ:カテゴリ未分類
狭山商工会議所の「会頭月信」2月号にTPPについて投稿しました。 中小企業から「TPP」を考える (TPPの概要) 2011年11月にハワイで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で野田佳彦総理大臣は「TPP交渉参加に向けて、関係国との協議に入る」と宣言されました。 TPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)は、「環太平洋戦略的経済連携協定」と呼ばれ、参加国は関税の撤廃や経済的な国境を取り払う協定を結ぶことです。当初は、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国で交渉が始まり、ベトナム、オーストラリア、ペルー、マレーシア、アメリカが参加して現在では9カ国での交渉が進められています。 (TPPの分野) TPPを農業問題と工業製品の輸出拡大としての論調が多いが、本当は、中小企業経営全般に関係するし、医業やサービス業、公共事業の入札制度、保険、金融、投資等21の分野でも一大改革を迫られる重大問題であるはずです。その割に私たちがTPPの実態について、ほとんど理解していないのが現実です。TPP参加が国益にかなうのか真剣な議論が必要です。鎖国か開国かの選択のような単純な問題ではありません。 (ISD条項) ISD条項が問題点として浮上しているが、良く理解されていないのが現実です。 投資家対国家の紛争解決(Investor State Dispute Settlement)の略称で、海外取引の紛争解決では一般的な条項であるが、単一民族、言語である日本では理解できない部分が沢山あります。紛争解決を仲裁による手法は現在の日本では一般的ではありません。 日本の民法は明治29年(1896年)の制定から実質的な改正がなく、海外との契約トラブル解決には不向きであることは否めません。 (ラチェット規定) 爪歯車(Ratchet)の意味で、逆戻り不可能な規定のことを指します。一度規制緩和に同意したら不都合が生じても元に戻せない規定です。 日本人は、言葉や歴史上の習慣もあり外交交渉に比較的弱い特性があります。充分に理解できないままの協定締結はリスクが多いのです。 大企業だけでなく中小企業においても国際取引の拡大は不可欠な状況であり、TPPの求めるところは共通の課題です。 私たちがTPPについて真剣に勉強し議論を重ねることが重要です。理解できないままの見切り発車が一番のリスクであります。お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|