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カテゴリ:漫画・アニメ
★『 ちはやふる 』 末次由紀 (既刊15巻・以下続刊) 若い頃は、結構、気に入った作家や評判の良い漫画をホイホイ買い集めたりしたものだが、最近、さすがに、余り漫画を買わなくなった。 漫画に興味がなくなったわけではなく、第一には「場所を取るから」、第二には「(さすがに)漫画雑誌を買わなくなった為、最近の作家さんをよく知らないから」。 漫画ってのは何回も読み返せるし、ストーリーだけでなく絵も楽しめるので、娯楽としてコスパは高いと思うが、一度読んだ限りで終わってしまうような作品買うのは、近頃は、お金よりスペースがもったいなくてね…。(処分するのもめんどくさい) しかも、最近の漫画、人気作品ほど、一作品で何十巻にもなるので、評判だけで「大人買い」はしてられない。(『ONE PIECE』の65巻とか、無理だから) そういうわけで、アニメを観ていて好きになった、この『ちはやふる』も、レンタルコミックで借りて読んでみたのだが、既刊15巻読んでみて、久しぶりに、全巻購入してもいいかな…と思った。 ストーリーもセリフも、大きくはアニメと変わらない(アニメが原作に忠実と言うべきか)。 かと言って、アニメでストーリーが分かっている部分(アニメは原作で言うと、現在第8巻あたり)も、十分ワクワクと読めた。 人物の心理描写が細やかで、セリフも良い。中心人物だけでなく、脇役の描写も丁寧で魅力的。ギャグセンスも私的には好きだ。 電車の中で読んでると、ニヤニヤしたり、涙ぐんだりしてしまいそうで、マスクが必須だった。 実は、コミックをあらかた読んだ後で、この原作者が、2005年に『スラムダンク』等の絵柄を盗用したかどで騒動となった作家さんだと知った。 あの騒動は覚えているが、彼女だとは知らなかった。 実は、読みながら、「かなり、色んな既成の漫画作家の影響を受けているような絵柄だな」…と感じたことは確かだ。 ペン入れが細かく丁寧だが、余りオリジナリティは感じない …という意味で。 ただ、それが一概に悪いとも思わなかった。 確かに、他の漫画家の作品の絵をそのままトレースしたというのは、余りに浅はかだったと思うが、資料写真をそのままトレースして描いているような漫画家は他にも沢山いる。 よく、細密で書き込みの多い絵柄を「上手い」と言う人がいるが、ああいう絵は、写真などの資料が手元にあって、少し絵心があり、根気のある人なら、ある程度は描けるだろう。 本当に「天才的に絵のセンスがある人」というのは、手塚治虫や宮崎駿のように、頭に覚えたデッサンを、殆ど下書き無しで、「オリジナルの漫画的な絵柄に置き換えて」さっと描けてしまう人だと思う。 天才作家はペンタッチも美しい人が多いが、中途半端に絵が上手い人の中には、ペン入れが雑になる傾向もあったりする。 私は、天才的な絵心が無くても、漫画への愛と根気強さと努力で漫画家になった人の絵も、それなりに好きだ。 末次さんの絵は、昭和の少女漫画を読み慣れた私にもしっくりくる。 新しすぎず、崩しすぎず、正統派。 ペン入れに時間をかけている感じで、好感がもてた。 盗用騒動で、それ以前の作品が全て絶版になってしまったというのは残念だが、あれだけの騒動を起こし、2年間もの謹慎期間を経てなお復帰して、こうした良い作品を描いてアニメ化までされたのは、生来、ストーリー作りや表現の才能がある人なのだろうと思う。 あ、ちなみに、太一君は、アニメより漫画の方が、だいぶ男前だと思いましたよ。 それから、さすがに、今から「かるた競技」やろうとは思えないが、百人一首や古典和歌に関する書籍を読んで、ちょっと勉強したくなった。 <関連日記> 2011.10.5. 初回観ての感想・・・『 ちはやふる 』 2011.11.10. 「少女漫画の王道」の安心感・・・『 ちはやふる 』 途中評価
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最終更新日
2016年10月11日 23時48分04秒
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