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雪白の月

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2012年11月08日
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カテゴリ:漫画・アニメ

★ 『 動物のお医者さん 』 佐々木倫子 (1987~93年作品)



レンタルコミックにて読了 (コミックス版 全12巻)。


日頃、少女漫画についての感想文を書きながら、 「こんな基本的 (?) な作品も読んでなかったのか」 と怒られそうだが、 …読んでなかったんです。


流行っていた頃、ちょうど、漫画を余り読まなかった時期だったということもあるが、タイトルとか、この漫画がきっかけでシベリアンハスキー犬がブームになったことなどから、 「獣医さんと犬が中心の、心温まる話」 を想像していて、うまく説明できないけど、その 「メジャー感」 、 「王道感」 に興味が持てなかった、というのが正直なところ。


今さらながら、読んでみたら、なるほど、面白い。


「獣医さん」 や 「犬や動物」 は、当然出てくるが、実際のところは、大学の獣医学部で勉強する学生と周辺の 「変人たち」 が織りなす ドタバタコメディ。


まず、とにかく、ネーム (セリフ) が可笑しい。


比較的 「常識的」 な人物と動物は、主人公 (ハムテル) と、その親友 (二階堂) と、飼い犬のハスキー犬だけで、彼らが周囲の変人 (動物) たちに、とことん振り回される。

特に、老人 (祖母や教授) や、先輩院生らの、ブレない 「ワガママ」 ぶりと、どんな仕打ちを受けても、基本的に年長者を尊重して根気よく付き合う主人公達の姿は、今や失われかけている 「日本人の美徳」 を体現してる (…ような気がする)。


こうしたコメディやギャグ漫画は、他にもあるだろうが、この漫画の特筆すべき点は、絵柄自体はシリアスな少女漫画風で、動物の描写も写実的なところ。

現実の世界でも、真顔でヘンなこと言う人が妙に可笑しいことがあるが、作品世界全体が、そんな感じなのだ。


また、作品通して登場人物の 「立ち位置の変化」 が余り無い。

1 話完結型 (18P 平均) のギャグ作品が 12巻も続くと、主人公よりも、より笑いが取れる人物の出番が多くなったり、当初はまともだった主人公が、いつの間にか、一番の変人になっていたり…という 「変化」 がありがちで、それはそれで可笑しいこともあるのだが、そうした 「ブレる」 作品は、面白い時は面白いが、だんだん行き先を見失ったかのように迷走し、面白さがトーンダウンしていくことも多い。

この 「立ち位置の一貫性」が、長期連載にしては 「駄作」 回が少ないことの理由の一つではないかと思う。


多分、リアルタイム (バブル期) に読んでいたら、都会の文系の大学生が、華やかなキャンパスライフを送っている (らしい) 時代に、牛馬や細菌相手に地味な実習しているのが、かなり新鮮だったのではないかな。

「 (大学に) 予算が無い、貧乏だ」 と嘆きながら、学生たちの服装が、ジーンズや Tシャツではなく、案外スタイリッシュ (女性はスカート) だったり、髪型も乱れていなかったりするところが、今になって読むと、時代を感じて余計に可笑しい。


それにしても、登場人物たちは皆、社会人としての常識には欠けているが、動物たちからどんなに酷い面倒や攻撃を受けても、終始、それらを見る目は愛情深い。

「できれば、こうした温かさを自分も持ちたい」 と私に思わせてくれた点で、ヘタなお涙頂戴の動物交流物語よりも心の奥深く、じんわりとくる作品だった。










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最終更新日  2016年10月11日 22時49分52秒
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