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2015年01月16日
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カテゴリ:漫画・アニメ

★ 『 ハガネの女 』 深谷かほる (2007年~)



電子書籍無料版 及び レンタルコミックにて、既刊10巻読了。

実写ドラマ (2010年) は観てません。


30代後半・独身の女教師ハガネ (芳賀稲子) が、公立小学校 (後に私立中学) を舞台に、問題児やモンスターペアレントらを相手に悪戦苦闘する物語。 2~3巻毎にクラスや問題対象が変わる短期読み切り形式。


基本、 「熱血教師もの」 は余り好きではない。自分自身、余り尊敬できる教師に出会ったことが無いし、教師にプライバシーにまで入り込まれることも逆に抵抗がある。


子供は嫌いではないが、こういう物語では大概、極端に生意気な子供ばかり出てくるのでゲンナリする (特に実写で、子役のワザとらしい演技が入ると余計に…)。

ましてやモンスターペアレントの極端な例など見聞きしても不愉快になるだけで、教職関係者以外は知らない方が身のためではないかとすら思う。


だが、この作品、ご多分に漏れず極端なケースばかり出てはくるが、その不自然さを割り引いても、なかなか面白く読めた。


一見ガサツなハガネ先生の目線は常に優しく、どんなに生意気な問題児でも、決して嫌ったり差別したりしない。 子供のSOSには、時間外でも休日でも応え、必要とあらばどこへでも駆けつける。


「子供の問題行動には何かしら理由がある」、 「子供に罪はない」 というスタンス自体は、教職ドラマでは珍しいものではない。

つまり、悪いのはオトナ (親や教師や学校) ということになるのだが、そう単純に話をまとめたりもしない。

モンスターペアレントを頭ごなしに悪役にするのではなく、そこに潜む原因や解決策まで模索する内容になっている。


こういう話は、 「仕事優先の親」 や、逆に 「子供に過保護な専業主婦」 に対しての書き手の批判感情が露骨に表れがちなのが常だが、この作者は非常にニュートラルに親の事情を尊重する姿勢が感じられ、 「教師もの」 ということは間違いないが、どちらかと言うと、子育て世代の大人の葛藤を描いた作品とも言える。


そういう意味で、 「子育ても教育論も自分には関係ない」 という人にも、対人トラブルへの向き合い方や、物事を多面的に見ることの大切さを学べる内容になっているし、時には、モンスター母子にも感情移入して泣けるのではないかと思う。


勿論、問題の真相の解明までの葛藤の長さに対して、解決の過程が簡単過ぎる…等のご都合展開が、全編通してあることは否めないが…。


ただ、 「子供が好き」 とか 「大人相手にペコペコしたくない」 とか、の安易な理由で教職を志望してる人が読んだら、却ってやる気を無くすかもしれない。

小中学校の教師の仕事は、近年、親へのケアに割かれる労力が確実に大きくなっている。よっぽど人間がデキているか、図太くて怒りの感度が鈍い人でもない限り、ハガネ先生のようにはなれない、と思うだろう。


私生活を全て犠牲にして生徒を苦しみから救っても、数年単位で生徒たちは確実に巣立ち離れていく。 勿論、生徒の思い出には残るだろうが、ハガネ先生自身はいつまでも孤独だ。

特に、5巻あたりから始まる恋愛話は、始まり方が少女漫画的なだけに、その後の甘くない展開に、なんだか身につまされる。














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最終更新日  2016年10月10日 23時18分16秒
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