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カテゴリ:漫画・アニメ
★ 『 私がモテてどうすんだ 』 ぢゅん子 (2013年~) 電子書籍無料版およびレンタルにて、既刊5巻中、4巻まで読了。 身近なイケメンをネタに妄想するのが趣味の 「腐女子」 高校生が、アニメキャラの死のショックで痩せた途端にモテだして…という、ラブコメ。 モテない女子が、ある日突然モテるとゆー、やり尽くされてる 「逆ハーレムもの」 だが、腐女子や 「乙女ゲー」 を茶化したギャグ要素が受けているようで、また、 「このマンガがすごい!」 に入選 (2015年オンナ編4位) したこともあってか、かなり人気があるようだ。 少女漫画的には、「相手の美醜で露骨に態度を豹変させる男子」 とかサイテー! ってことになるハズだが、ものすごく 「現実に則している」 と言えなくもないのが哀しいところで、その辺が気になってしまう潔癖症な読者には、この作品はハナから向かないかもしれない。 ポイントは、そんな 「サイテー男」 達のビフォー・アフターと比して、ヒロインの態度 (スタンス) が一貫しているところだろう。 ハッキリ言って、「何でもホモに置き換えて妄想する腐女子」 ネタ自体は、 『妄想少女オタク系』や 『ばらかもん』など、既に複数の作品で描かれて目新しくもない上、個別のギャグも少々弱く、爆笑とまではいかない (類似作品を読んでない人にとっては面白いかもしれないが)。 それよりも、私的に興味深く感じたのは、一般的な逆ハーレム少女漫画の常道とは異なり、イケメンからモテることによるヒロインの心情の変化をあまり詳らかにしない点。 「モテて世界が変わった」 とか 「どの男を選ぶべきか」 とか、逆に 「態度を変えた男たちを翻弄してやろう」 とか、とにもかくにも、ヒロインの主観がストーリーを動かす肝となるのが、この手の少女漫画の傾向なのだが…。 このヒロインの場合、慣れない 「女の子扱い」 に焦ることがあるにはあるが、イケメン達に対する態度や腐女子的なスタンスは、デブで無視されていた時と基本的に変わらない。 しかも、ヒロインでありながら、何を考えているのか、肝心なところ (誰を好きなのか、そもそも誰かと付き合う気があるのか) が、読者にはなかなか明かされない。 そのお陰で、ヒロインに反感を持つ読者は少ないだろうが、逆に、ヒロインにどっぷり感情移入するのも難しいのではないだろうか。 「太るとブス」 という過去は消せるものではないし、(高校ヒエラルキーの中では) イケメンの方が立場は 「上」 であることは揺るがないハズであるにも拘わらず、このヒロインが全く恋愛の意欲に欠けるせいで彼らが空回りしている …という構図に最大の可笑しみがあるのだ。 結果、読者は、自分をヒロインに置き換えて 「キュンキュン」 するというよりは、イケメンたちがヒロインに翻弄されてお互い張り合ったり、変わっていく様子を見て楽しむのがメインとなる作品であり、その辺、やはり、(ホモは出て来なくても) BL出身の作家さんならではだな、と思う。 だが、前述の通り、ギャグがちょっと弱いこともあって、4巻までのところ、私的には 「可もなく不可もなく」という印象。 ただ、六見先輩だけが唯一、ヒロインが痩せる前から優しかったので、フツーに考えて、六見が 「絶対有利」だろうと最初は思ったが、読んでいるうちに、そうとも限らないような気もしてきた(5巻が六見メイン回らしいが、未読なので 4巻までの所感)。 女性の見た目を、全く気にしない男ってのも、 「守備範囲が広い」 という言葉に置き換えると 急に印象が悪くなる。ある意味、付き合うとしたら、一番不安かもしれない。 <関連日記> 2014.2.23. 抜けられなくなる妄想体質 ・・・ 紺條夏生 『 妄想少女オタク系 』 2014.8.9. 2014 夏アニメを、大雑把に評価
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最終更新日
2016年10月10日 23時10分59秒
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