1337783 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

雪白の月

雪白の月

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

つぐみ@夜空

つぐみ@夜空

カレンダー

カテゴリ

コメント新着

キーワードサーチ

▼キーワード検索

ニューストピックス

フリーページ

2015年08月02日
XML
カテゴリ:漫画・アニメ

★ 『 ラストイニング 』 原作;神尾龍、作画;中原裕 (2004~14年)



電子書籍無料版およびレンタルにて、全44巻 読了。


弱小野球部が、甲子園を目指して奮闘する1年間を描いた作品。


高校野球がテーマではあるが、経営難から 「廃部」 を宣告された野球部を立て直す為に迎えられた OBの青年、鳩ヶ谷を主人公に据え、オトナ達による 「場外戦」 や、高校野球界の裏側などを見せつつ、チームをまとめる管理術や、勝つ為の訓練方法などを理論的に説明する内容になっているので、いかにも 『ビッグコミック (スピリッツ)』 系の男性読者に好まれそうな作品だ。


絵柄はどこかで見たことあるような感じ (浦沢直樹に似ていると思ったのは私だけではないらしい) だが、無駄な描き込みが少なく、デッサン力もあるので、野球のプレーは分かり易い。


13年前の高校球児時代、審判を殴る不祥事を起こして堕落し、インチキセールスマンとして生きていた主人公は、理論的でありながら人間くさく、魅力的だ。対戦相手の監督らもそれぞれ特徴があって、面白い。


逆に言うと、実際に戦う球児たちのキャラはさほど立っていない。 練習や試合を見せる中で、バッテリー (投手と捕手) と主砲打者は、性格や心理など、ある程度深く描写されるが、他のポジションの選手は、一部を除いて、顔と名前がなかなか一致しないほどだったが、ムリに覚えなくても、ストーリーが分からなくなることもない。

高校生の中では、ある意味、マネージャーの少女のキャラが立っていて、主人公 (鳩ヶ谷) との漫才調のやり取りが笑えるが、試合の戦法や状況説明をする為の 「質問係」 として役割が大きく、「添え物」 感は否めない。


ただ、その分、野球のゲームそのものの駆け引き、戦い方の描写は詳しすぎるほど詳しく、余計な中断 (回想など) も少ないので、野球本来の面白さを存分に味わえる。


正直、「野球、野球、野球…」 の内容 (キャラの過去話も場外話も、殆ど野球関連) で44巻とか、「なげーよ!」と文句をつけたいところだが、ゲームの推移が気になって先を読ませる力が強く、無駄ゴマや引き延ばしを感じさせるところも少ないので、そこまで長くは感じなかった。


私は今や高校野球もプロ野球も一切観ないので偉そうなことは言えないが、イチローがマリナーズに在籍していた頃、マリナーズの中継だけは録画してまで殆ど観ていたので、野球ってのは、ちゃんと 「プレーボールから試合終了」 まで、通して観てこそ面白い、ということだけは理解しているつもりだ。 …なので、この作品の脇役のプレー描写も興味深く読めたけど、元々、余り野球を観ない読者はどうなんだろうな?

「野球はツーアウトから」 という言葉に象徴されるような、アウトカウントや出塁状況によって違ってくる戦い方は、野球ニュースやダイジェストを観るだけでは、なかなか分かりにくいし、毎試合観戦して、各選手のクセが分かってこその面白さもある。

勿論、漫画で、全打席 描写するのは不可能だが、大昔の 『巨人の星』 やら『侍ジャイアンツ』 (古すぎる例で、すいません) みたいに、「ピッチャー VS ライバル打者」 のシーンばかりを切り取って見せるような漫画とは、明らかに違う。


ただ…。 やっぱり、44巻 (連載10年間) は、長いよなー。 普通、これだけ長く続くスポ根漫画だと、熱狂的なファン (腐女子含め) が湧きそうなものだが、そんな雰囲気は感じないし…。

44巻買い揃えて、何度も読む気になる作品かと言えば、やはり、個々の選手の魅力がイマイチ描ききれていないところがネックとなりそうだ (私的に、主人公の鳩ヶ谷はタイプだが…)。


これだけ、巻数費やして、内容的にも悪くはないのに、10年後にはすっかり忘れ去られてそうな予感が…。電子書籍のお陰で絶版が免れるのは救いだけど。


まあ、本来、高校球児なんてのは、よほどの才能でもない限り、すぐに忘れられるのが必然だが。














お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016年10月10日 22時28分26秒
コメント(1) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.