全日本柔道連盟の吉村和郎強化委員長は27日、女子48キロ級の谷亮子(32)=トヨタ自動車=の現役続行について「連盟が指定した大会に出ないと次はない。今までのようにはいかない」と、今後は特別扱いしない意向を明らかにした。
五輪や世界選手権の代表は、講道館杯や欧州大会など指定された大会の成績を考慮して選ばれるのが通例。谷は昨年の世界選手権と北京五輪の選考では、最終選考会だけに出場してともに決勝で敗れたが、過去の実績で代表に選ばれた。【時事通信 から引用】
この話題、書こうか書くまいかと思ったけど、過去にも似たようなことがあったことを思い出したので、やっぱり書きます。
先日まで行なわれた北京オリンピックの女子柔道で銅メダルを取った谷選手。国内の代表選考では負けていたのに48キロ級の代表となって、銅メダルを取ったことはすごいことなんだけど、国内の代表選考で勝った選手のことを考えると何だかすっきりしない感じでした。特に、『ママでも金!』なんて威勢のいいことをいいながら結果的には銅だったんですからね・・・。
今回の代表選考での不透明さを見て思いだしたのが、かなり前のオリンピックの女子マラソンの代表選考の過程でもこのようなことがありました。松野明美選手と有森裕子選手のどちらかがオリンピック出場となるべく選考することになったわけですが、松野選手は「私を選んで!」という記者会見までしたのに、結果的には有森選手が選ばれました。松野選手の記者会見もいかがなものかって当時は思いましたが、有森選手の選考ももう一つすっきりした内容だったのを覚えています。
結局のところ、実際に選手としてがんばっている人たちが納得できる選考方法ならみんなすっきりすると思うんです。極端な話し、『過去の実績は関係無し。この大会での優勝者を代表とする。』でいいわけです。前出の女子マラソンの時の選考は、最初はこのような感じだったのに途中からいろんな横槍が入ったのかなんだかよく分からない結果になったようの記憶しています。
まぁ、このような方法だとたまたまその選考大会での調子がよかっただけで、国際大会ともなれば場数を踏んでいないとプレッシャーでつぶされる、なんていうなら、複数の大会におけるポイント制にしてそのポイント数の高いものから代表に選出するという方法も考えられるでしょう。
とにかく、いくらがんばっても本文にあったような「特別扱いされる選手」がいるがために、やる気をそがれるようなことはしてほしくないんです。血のにじむような努力をしているのはどの選手も一緒なんですからね。
ところで、本文にあったコメントへの突込みをば。
『「連盟が指定した大会に出ないと次はない。今までのようにはいかない」と、今後は特別扱いしない意向を明らかにした』というコメント、これは実際にこのような取り決めがあったにせよ、表に出てきて欲しくないものですね。だって、今回出場できたのも「特別扱い」してきたからなの?って思ってしまうから。
それから、このコメントから次回での選考では透明性が高められたって思えないです。
『連盟が指定した大会に出ないと次はない。今までのようにはいかない』
↓
『連盟が指定した大会にさえ出ればOK。勝ち負けは関係ない』
って思えてしまうんですよね。ってことは、今までと変わらない?
う~ん、谷選手の実力はわかるけど、選手や関係者が納得できるような透明性の高い選考にして欲しいですね。