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2021年11月03日
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カテゴリ:共産主義史話

――共産主義の哲学と思想体系には、興味深い歴史がありますか。


 そうです。共産主義の哲学と思想体系を見ると、興味深い歴史を発見することができます。その歴史において、光り輝く成功もあれば、深刻な敗北もあり、統合と葛藤と争いもあります。もちろん共産主義の核心は政治になります。しかし共産主義はもともと、社会、経済、歴史、世界まで説明する総合的で包括的な思想体系として登場しました。これを考えると、われわれは共産主義を見る価値が高いと言えるでしょう。


――共産主義は、いつ生まれたのでしょうか。


 共産主義思想ははっきりとした誕生日があります。1848年2月です。当時、ドイツ出身の若い学者2人は小さな本を発表しました。「共産党宣言」です。同所は初期共産主義の基本理論を圧縮して説明しました。共産主義はとても包括的な哲学でした。世界のすべてのこと、物理学や科学、宇宙の構造まで説明できると主張しました。しかし、ここでは政治と歴史に対する共産主義理論をみてみましょう。とくに政治と歴史は、「共産党宣言」に焦点を合わせます。


――共産主義の基本理論は何でしょうか。


 共産主義の基本理論は、世界史が進歩の歴史だということです。進めば進むほど経済水準も高まり、社会も複雑になり、よくなっています。しかし社会発展を招くことは階級闘争となります。マルクスは遠くはない未来に、資本主義社会が完全に崩壊し、共産主義革命によって共産主義体制が生じると予言しました。その革命を招く勢力はまさに無産階級、すなわち労働階級です。マルクスは資本主義の発展で富める者はますます富み、貧しき者はさらに貧しくなる現象が生じるだろうと考えました。彼は数十年内に労働者がますます貧しくなり、家もなくなって服さえも持てない、生きている機械になると主張しました。そのため、彼らは資本主義社会を転覆させ、完璧な共産主義社会、すなわち地上の楽園といってもよい共産主義社会が来るほかないと主張しました。


――完璧な共産主義社会とはどういうことでしょうか。マルクスはどのような社会を夢見たのでしょうか。


 マルクスはすべての社会問題と矛盾を招くことは私有財産だと考えました。そのため、共産主義革命以降、私有財産がなくなるため、すべての社会的矛盾がすぐさま解決されると主張しました。彼が考える共産主義社会では国家もありません。マルクスは具体的に共産主義社会を描写しませんでしたが、このような社会で宗教も警察も国家も民族も愛国心も、差別もないだろうと主張しました。誰であれば、能力に従って働き、需要に従って受け取ると主張しました。


――共産主義社会は民族も愛国心もない社会だということですか。


 当然、そうなります。もともと共産主義運動家は国家をとても嫌いました。彼らが考える国家とは、いったいどのようなものか。まさに悪徳な機関だということです。支配階層が利用する搾取と圧迫の手段にすぎません。マルクスは国家をどう表現したか。資本家がつくった委員会だと考えました。しかも、民族と愛国心も反動主義的思想だと考えたのです。共産主義理論によれば、民族主義も愛国心も一般労働者をだまし、搾取するため、資本家がつくったウソとなります。初期共産主義の主張は、労働者にとって祖国はないというものでした。


――そうなると、マルクスをはじめ初期共産主義者は国家も民族も愛国心もなくそうとするべきだと主張したのでしょうか。


 その通りです。より正確に言えば、彼らは遠くない未来に民族も国家もなくなるだろうと主張しました。彼らは共産主義革命の後には、一定期間過渡期があるため国家や民族がありえますが、とても速い速度で完全になくなるだろうと考えました。そのため、初期共産主義理論が持つ、一つの重要な特徴を強調する必要がありました。19世紀末、マルクスなど共産主義理論家は共産主義革命がまもなく世界全体で生じるだろうと考えました。より厳密に言えば、まず経済発展の社会発展の水準が高い先進国で革命が生じます。当時の基準で先進国とは、英国やフランスのような国です。しかし革命が生じればすぐさま世界に拡散し、後進国でもすべての共産主義革命が起こると考えました。


――共産主義理論によれば、革命はいつ、どのように生じるのですか。


 まず共産主義革命を指導する勢力が必要です。共産党のことです。当時、共産党と呼ばれたり社会民主党と呼ばれることがありました。19世紀末以降、共産党と社会民主党は思想が変わってくるのですが、当時は同じ思想を持っていました。もちろん初期共産主義者は無条件に世界革命を信じ、民族主義と愛国心に対して不満と敵対心が強く、国家別に共産党をつくることにしました。とはいえ、核心は国際共産党、すなわちインターナショナルです。興味深いことは、19世紀後半に共産主義の理論家は共産党の必要性を主張しましたが、20世紀初頭のレーニンやスターリンに比べると、共産党はこれといって重要に考えていませんでした。初期共産主義者は歴史の流れに従って、共産主義革命がすぐさま自発的に生じるはずだと考えたためです。そのため、共産党の指導的役割を否定はしませんでしたが、後世の理論家と比べると、特別に重要視はしませんでした。彼らの論理は徐々に労働者の生活水準が落ちており、厳しい資本主義的矛盾が多くなるため、共産主義革命が生じるほかないというものでした。


――それならば、初期共産主義者は共産主義革命が具体的にいつ生じると信じていたのでしょうか。


 具体的には言いませんでしたが、1840~50年代のマルクスとエンゲルスなど共産主義理論家は世界の共産主義革命が20~40年以内に生じるだろうと考えました。


――当時、共産主義の人気はあったのでしょうか。


 ありました。人気がなかったなら、ほぼ170年が過ぎた今、われわれが話をする必要もないでしょう。当時の共産主義理論の魅力はたいへんなものでした。一方で、若い知識人は情熱が高かった。19世紀末の社会の雰囲気を見ると、当時の人たちは科学の偉大さを固く信じていました。当然、マルクスをはじめ共産主義理論かは共産主義理論がまさに科学だと主張しました。物理学者が物体が動く軌道を予測できるように、共産主義理論を知っている非とは歴史の軌道を知っています。しかも、進歩の理念も魅力に溢れていた。しかし、共産主義理論を熱心に支持する人は知識人だけではありません。一般労働者にも多かった。


 19世紀初期の資本主義の最初の段階で、労働者は現在では想像もできないほど劣悪な条件の下で働いていました。彼らは少ない金を受け取って一日12時間から14時間働き、時々子どもでさえ働いていました。当然、彼らは美しい未来を約束する共産主義理論を支持せざるをえなかったのです。常識とは違い、共産主義理論家も指導者のほとんど誰もが地主や富裕層、資本家の家の子どもたちでした。しかし共産主義が一般人民の支持を受けられなければ、これほど広く広がることはできなかったでしょう。

(RFA、2020年3月10日)

 





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最終更新日  2021年11月03日 18時00分07秒
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