★「守りたいモノ」
★「創作 守りたいモノ」男には時間が無かった・・・どうしても時間までに組織から預かった爆弾を仕掛けないと近親者を皆殺しにされると脅されていたからだその中には小さい頃から好きだった女も含まれていたから男はどうしてもそれを実行させなければと思っていたたとえ自分が死ぬ事となっても彼女だけは助けたいその事だけが男を突き動かしているが、たとえこの事が成功したからといって映画のように男と女が結ばれる事は無い女が男の従兄妹にあたりすでに結婚しているから・・・しかし 彼らは小さい頃から愛し合っていた親には言えない関係だが、いつしかそれはバレてしまい 彼女はほぼ強制的に見合いさせられた好きじゃなかったけど逆らえなかったそういう家柄だった男はそんな彼女を救いたかったそれは男の傲慢かもしれない彼女が幸せかどうかは彼女にしか解らないから・・・募る思いを胸に男は爆弾を仕掛けたが、その時 背後に気配が・・・遠くのエレベーターが開き警備員が大勢出てくる男はとっさに振り返り拳銃を撃った背後にいた人物は糸の切れたような操り人形のように崩れるそこに倒れたのは警備員・・・じゃなく・・・男は目の前の現実を疑ったナゼ・・・ナゼ・・・拳銃の弾丸は肺に当たっていて 床に転がった体がぴくぴくとしている死ぬのは確実だ もう助からない男の両目から溢れた液体が床の鮮血の上に落ちる混じりそうで中々混じらない二つの液体それはまるで必死に一緒になろうとしているようにも見えるそう呆然と立ちすくむ男と血溜まりに沈む女のように・・・男は震える手を上げて力を入れた広い空間に乾いた音が響く・・・次の瞬間 耳をつんざくような轟音と物凄い風圧が起こり全てが闇と煙の中に消えた男はその刹那 何を思ったのだろう?彼らの遺体がガレキの中から発見される事は遂に無く爆弾事件の死亡者が記念碑に並んだ時男と女の名前は偶然にも並んで刻まれる事となった二人とも身元不明となっていた為に二人の関係を知るものもいなくそれ故に彼らは安心して共に眠る事が出来たかもしれないそれは嘘なのだがそう思う事で僕は自らを慰めているそれが現実だ