たとえ僅かでも
ミュージカル映画の傑作「メリー・ポピンズ」(1964年製作、1965年公開)の中で、バンクス家の新米ナニー(日本の乳母に近い)であるメリー役のジュリー・アンドリュースが子供たちを寝かしつけるシーンがある。お城(寺院か)の模型が入ったガラス玉をひと振りすると、たくさんの鳩が飛ぶ。映画の主題に関わる印象的な小道具だが、それもこれも、ジュリーが歌う「2ペンスを鳩に」Feed The Birds が素晴らしいから。独特の哀感の中に込められているのは、人の優しさの大切さだ。武漢肺炎で外出自粛や自宅待機を余儀なくされている今だからこそ、子供たちに聴かせてやって欲しい子守歌だ。Early each day to the steps of Saint Paul’s the little old bird woman comes.In her own special way to the people she calls, “Come, buy my bags full of crumbs; Come feed the little birds,show them you care and you’ll be glad if you do;Their young ones are hungry,their nests are so bare;All it takes is tuppence from you.“Feed the birds, tuppence a bag. Tuppence, tuppence, tuppence a bag.“That’s what she cries,while overhead, her birds fill the skies.All around the cathedral, the saints and apostles look down as she sells her wares. Although you can’t see it,you know they are smiling each time someone shows that he cares.Though her words are simple and few,listen, listen, she’s calling to you.“Feed the birds, tuppence a bag. Tuppence, tuppence, tuppence a bag.”セント・ポール寺院の階段に、毎朝早くにやってくる、小さな、餌売りのおばあさんすぐに彼女と分かる呼び声で、みんなに呼びかける「どうですか、袋いっぱいのパン屑を買ってください」「どうですか。かわいい小鳥に餌をやってください」「小鳥に優しくしてあげて。そしたら、嬉しくなりますよ」「ひなはお腹を空かしてる」「吹きさらしの巣の中で」「すべては、あなたの2ペンスで満たされる」「餌を鳥たちに。1袋2ペンス」「2ペンス、2ペンス、1袋2ペンス」彼女が大声で叫ぶのは、彼女に群がる鳥たちが、やがて空を埋め尽くすから大聖堂のまわりには、聖人や使徒たちがいて、餌を売る彼女を見下ろしてる周りに居るあなたには見えないけれど、彼らはいつも笑っているんだよ誰かが餌を買うそのたびに彼女はことば少なく、素朴に喋るけど、ほら聴いて、聴いて。彼女があなたに語りかけてる「小鳥に餌をやってください、1袋2ペンス」「2ペンス、2ペンス、1袋2ペンス」