カテゴリ:日々雑感
大家と言えば親同然、店子と言えば子も同然などと申しますが、何を隠そう私も大家の端くれでして。 落語に出てくるような半分崩れかけたオンボロ長屋でございましてな。 昨日のことでございますよ。長屋のお咲さんからの通報で、最近喜ぃさんの姿が見えないし、自転車に蔦が巻き付いてんだけど、大家さん、知らないか?って。 そういや、最近姿見てないし、家賃も半年近く滞ってますなぁ、なんて呑気な大家もあったもんで。 電話しても繋がらないし、夜は真っ暗だし。あいにく合鍵が出てこないので、中を覗くわけにもいかない。老人の孤独死、コロナで重体、自殺、他殺? もし中でお陀仏してんなら、どっちみち警察呼ばなきゃなんねえから、いっそ警察に来てもらって戸を開けてもらうか、と長屋の衆との相談あいまとまりまして。 ずっと胃がチクチクして食欲もないまま、翌朝もう一度念のために電話してみるも、やはり出ない。 警察から、なぜ毎月家賃を貰わないんだとか、大家がどうして合鍵持ってないんだとか、緊急の連絡先をなぜ聞いておかないんだとか、いろいろ不審がられるな、こりゃあ。 大家の仕事はずっと老母がやってたので、あたしゃやむを得ず引き継いだまで。母の杜撰さが恨めしい。 もし中に死体があったら、あたしが一番に容疑者にされてしまうんじゃないの? などといらぬ事まであれこれ考えているところへ、当の本人から電話。いつもの大きな声で近況を語り出した。 7月末に病院に運ばれ、ずっと入院しているのだとか。生きてたのでひとまず安心。警察呼ばなくて良かった! 隣近所の付き合いとプライバシー重視の風潮との兼ね合い、再考しなきゃいけませんかな。
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