この本なら神社と神道のことがわかるかも
神社の解剖図鑑 [ 米澤貴紀 ] 神社の入門書というのは、仏教の入門書以上によくわからない印象があった。釈迦の苦悩とその解決からスタートした論理的かつ哲学的な仏教と比較すると、なんとなくご先祖様の時代からのことを慣習的に続けているといった感じの神道は曖昧模糊としてとらえどころがない感じ。しかも入門書のわかりづらさというのは、ややこしい神様の名前ばかりのオンパレードで、だから神社ではなんでこれがこうなってるの?とか、神社でいつも見かけるあれは何?といった普通の日本人の抱く疑問にすぐにわかりやすく答えてくれるものではない印象があった。そんな中、この「神社の解剖図鑑」は一味も二味も違う出来栄え。もしも日本神社本大賞とかあったら、ぜったいこの本が受賞すべき。神社のことが美しいイラストつきで簡単にわかる。神社内の建築物が詳細に解説されていて、それぞれ何がどんなときに使われるのかが、しっかり書かれている。大事だけどややこしい神様の由来は、日本全国の国民的神社とでもいうべき大御所に限って、わかりやすく簡潔に読みやすい形の記述。右脳型の私には、バランス的にこれがベストと感じられた。