軽やかなマーチリズムに導かれて瑞々しいメロディーが奏でられる1曲目「LAND THAT I LOVE」はあの9/11テロにインスパイアされて出来た曲らしい。
そう思って聴くと悲しみを乗り越え新たに生きる希望を歌っている曲に聴こえてくるから不思議なものだ。こう書くと重々しいテーマの大そうな曲かと思われがちだけどそうではなく、柔らかいハーモニーが印象的な優しい雰囲気の曲であります。
表面上は静かで穏やかなのだけでれど、内に秘めた力強い意志と決意が感じられる曲でもあります。
2曲目の「WALTS FOR NICOLE」は可愛らしいテーマ―が印象的なワルツで、ビル・エヴァンスの「DEBBIE」に向こうをはったのでしょうか?
3曲目「ONCE UPON A TIME」も軽やかなフォービートの良曲。
4曲目はピアノソロで、このトリオ(第3作目)の前は、ピアノソロ中心のアルバムが2枚出ていただけにソロ演奏はお手のもののようだ。
STEAGERの曲は色でいえばペールトーン、ないしはパステルカラー。 ぐんとひきつける強烈な旋律がないかわりに、曲全体の響きや柔らかなハーモニーで魅了する。
STEGERはじめ、このトリオの3人ともバークリー音楽大学の教授であり、息のあった協調ふりを見せている。
7曲目「AUTUMN RAIN」枯葉舞い散る街路に雨がしとしとと降りしきる寂寥感がよくでた美曲。
8曲目「MISTRAL」はこのアルバムでもっとも明るい色調の曲だけど、それでもどことなくうら寂しい雰囲気がするのはSTEGER作品の一つの個性だと思う。
全10曲、きっと永年の愛聴盤にできるピアノトリオ盤になると思います。
メンバーはELLIOT STEGER(P)JOSH DAVIS(DS)JON HAZILLA(DS)
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ELLIOT STEGERの試聴
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