ありのままを受け入れよ

[小説（創作）] カテゴリの記事

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• モンスターハンターVbs　～時を越えし狩猟者達～　第三章

  ヴェルムはココット村から離れ、その「光る何か」が落ちると思われる位置から数百メートル離れた所にいた。そして右ポーチから取り出した閃光玉を握り、投げた。着地地点から数十メートルに渡り光が放たれる。目蓋の外側が一瞬白くなったことをシュンは感じ取っていた。それを合図に目を開ける。同時に体勢を直し老山龍砲・皇を地面に向けて装填されていた拡散弾・特殊を連射する。地面との接触まであと数百メートル。「まだ死ねるかッ…！！」7発地面に刺さった拡散弾・特殊に散弾を撃ち込み散らなかった拡散弾の火薬に散弾との接触で火花が散り……噴火の如き大爆発が起きた。焦臭いにおいと火薬の臭い。白い噴煙が立ち込める。視界は一切見えない。強風が吹き、噴煙は消えていく。そこに在ったのは、あたり一面を消し飛ばし、大きく空いた穴だけだった。その穴の底に見えるのはバレルと装填部分が完全に破壊されている老山龍砲・皇と――焦げている銀色の両腕防具のみ。「………」その穴の近くにヴェルムは立っていた。その目は防具を見つめている。「…面倒な事になったな」そう呟き、ヴェルムはその場所を後にした。

  2008.02.06

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• Metal Gear Solid + ～語られる事の無き物語～

  スネークは半信半疑の表情のまま、ダンクが語る話しを聞いていた………………俺はある極秘任務の為に一本橋しかないドリノヴォドノを抜けラスヴィエットにある壊れかけの廃工場にいた、いいや、隠れていた。「糞ったれがぁぁーー……、なんで7人も居やがんだ、このッ」その時俺は廃工場の裏の樹に隠れていた、だが、左腕を骨折、大量出血の為動かすことは出来ない。銃器もまともにあつかえなかった。故に血の足跡が廃工場の入り口からこちらに続いていた。薬品もまともな治療道具もなかった。あったのはAK-47とその弾薬。怪我を負っている俺には無用の存在だったがな。7人の内の2人が俺に近づいてきた。武器はあったが1人では確実に死ぬ。そう肌が感じ取っていた。そして…東の入り口付近から発砲する音が聞こえた。連射ではなく単発。俺は何の武器かは判らなかった。その音のおかげで山猫2人は俺から離れた。樹の位置から壁を伝って行き、へばり付いたまま覗いた。既に3人の山猫部隊は死んでいた。頭は無かった。「ハァ…ハァ……シングルアクションアーミー…か……？」俺は確認するために身体を出した。そして、屋根の上に居た山猫部隊の1人に気づかれた。だが、俺も死にたい訳じゃない。拳銃なら右手だけでも十分だ。握っていたMK-23を屋根の上に構え、山猫部隊の頭に標準を合わせる。1度引いたが、2目にそのマスクごと撃ち抜いた。死体が落ちる。向こうでも銃声は続いている。そして、やがて銃声は消え、草の上の歩く足音のみが耳に入ってきた。そのときに見えた男。頭に黒い鉢巻を付け、左胸元にナイフを携帯、腰にも様々な弾薬を吊らす、清らかな眼を持つ男を―――。後のBIG BOSSを――――。………………そして、今に至る。「…………」無言のままスネークはダンクを見ていた、その眼に嘘は感じられない。だが、疑いが晴れた訳では無い。「…確かにあの時屋根から1人落ちたのは覚えている。だが、俺がお前の弾丸のせいだったとは……」「すぐに信じてくれとは言わないさぁ、これから俺について分かってもらえれば良いよ」そう言い、ダンクは手を差し伸べた。「ッ……！」その手を、嫌がる事なくスネークは握った。その日初めてスネークは笑みを見せた。

  2007.11.14

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• Metal Gear Solid + ～語られる事の無き物語～

  「…ここが通信基地か」別の男であった。その男の名はNAKED SNAKE（ネイキッド・スネーク）。彼の右手には麻酔銃Mk22が握られていた。「あの電波気のしたが丁度通信基地だな。……ッ！」スネークはすぐさま近くに止めてあった車の方にローリングし、身を隠す。AK-47を持った敵兵が見回りに来た。スネークが隠れている車を通り越すとスネークはストーキングし背後に回り右手で敵兵の襟を握り自分の左足を敵兵の足の間に居れ足を崩しつつ自分の方に引き、左手を敵兵の首にまわす、近接格闘術CQCだ。スネークはナイフを首に突きつけ尋問する。「あそこには通信機はあるんだろうな？」「フン…、自分で確かめれば良い」スネークは突きつけていたナイフを喉に突き刺し、喉をかき切って殺した。その死体を離し、手に持っていたAK-47を手に取って通信基地に入った。「妙だな……。敵兵が1人だけだと？」疑問に思いつつスネークは通信機に周波数を居れ、パラメディックとシギントに連絡する。通信が終わった時であった。ソ連兵の悲鳴が聞こえる、そして、銃の発砲音も聞こえる。「何…？」ソ連兵同士の撃ち合いとは到底考えられなかった。スネークはMk22を構えつつドアをゆっくりと開け、外の状況を見る――なんだ、こいつは！！？　…うわぁぁ！！！実弾が頭を撃ち抜き、血を勢い良く噴いて倒れる。――うわあぁぁぁぁぁっっ！！！重火器を乱射する音があったが、数秒後に音は鳴り止み、巨大な爆発音が聞こえた。焦げ臭いにおいはスネークにも伝わった、「雑魚共が…！　生きるか死ぬかの戦争で気抜くんじゃねえ」1人の男が死んだ兵士の身体を蹴飛ばした。その拍子にスネークは飛び出し銃を構える。「！！　あんたは…！」その男はスネークの顔を見ると驚き、手にしていたAK-47とRPG-7を捨て、手をあげた。スネークは銃を構えている。「お前は……誰だ？」スネークの問いかけに男は笑顔で答えた。「俺の名はダンク。……スネーク、あんたは俺に取って命の恩人なんだ。仲間にさせてくれ！！」「なっ…何？」スネークは呆気を取られた。Mk22を下げ、それを見るとダンクも手を下ろした。

  2007.10.23

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• Metal Gear Solid + ～語られる事の無き物語～

  ……思い出した。あの時、俺はあの人に助けられたんだ。だから…借りは返そう。時、1970年。ある1人の男が樹に寄り座っていた。その男の髪は銀の肩にかかるくらいの髪。聞き手を思われる左手の方には赤で「d」刻まれていた。その男は右手にMk22麻酔銃、左手に小型サバイバルナイフ、"CQCナイフ"と呼ばれる物を所持していた。右手で耳朶に付いてある無線機に周波数を入れる。周波数は54.104。「敵発見、増援を要求する」「了解、増援を送る。敵を殲滅せよ」電源を切り、通信は終了する。「フッ…ハハハ……」その男は不気味な笑いを上げ、立ち上がる。そう、先ほどの通信はハッキングによる偽の通信。「これで通信基地は手薄になった筈だ。……スネーク、待ってろ。今助けてやる」その男はMk22をホルスターに収め、CQCナイフを右手首に隠す。そして置いてあった歩兵携行用対戦車擲弾発射器"RPG-7"を左手に持ち、右手には歩行用突撃銃"AK-47"を持ち、通信基地へと走っていった。

  2007.10.19

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• モンスターハンターVbs　～時を越えし狩猟者達～　第三章

  草原、森と丘の遥か上、言わば空中に1匹の火竜――深緑の鱗をまとう女王――リオレイアがその鋭い爪先で掴んでいるのは、目が眩むような輝きを放つ銀鉱の防具――稀にしか現れない少稀種の銀火竜の鱗を大量に使った――シルバーソル一式。その背中には山の如き大きさの竜――老山龍『ラオシャンロン』から稀に剥ぎ取れる蒼い紅玉を使った『老山龍砲・皇』を担いでいる。「このっ馬鹿…いい加減離せよ」誰にでもなく言葉の通じないリオレイアに話した。リオレイアは鹿等――否、言葉が通じないまま、上空と飛び続ける。「仕方ない…。悪運は此処でも働けよ」右手で老山龍砲・皇を握り、左手で弾薬を装填する為の部分を開け、『散弾・特殊』を装填口に入れ、リロードした。「アディオス、リオレイア…そして俺様！！」発射口をリオレイアの顔面に撃った！　発射した瞬間に四方八方に30発以上発射する。そのほとんどが顔面に刺さり、血を出しながら痛み、爪を離した。防具自体が重い為、高層5000Mから高速で落下する。「死ぬ前に会いたかったぜ…、ヴェルム。バース………」頭から落下し、目を瞑って落ちていく。最後と感じたから。だが、まだ終わりでは無かった。日々モンスターと戦い続けるハンター達。だが、戦いが生活の全てでは無い。村の人々と交流する場でもある”ココット村”。そこの小さな木で作られた門の斜め右隣りにある木で出来た家がハンター―アルフィナの自宅。その近くにまた木で作られた大きめの建物―集会所である。此処は主に同じ目的や討伐する飛竜の素材などを欲しい際、皆でパーティを組んで行く所である。集会所入り口には――その昔、伝説の片手剣使いとして名を残した凄腕ハンター。”村長”。木の門の下にアルフィナとヴェルムが戻ってきた。「……此処がお前の言うココット村か？」ココット村全体の見渡すようにして言うと、アルフィナは背中に背負っていた武器、召雷剣[麒麟王]を家にしまってきた。「ヴェルムも武器しまってきなよ。村で武器背負うのは物騒だからさ」言われるがままにヴェルムはアルフィナの家に入り、武器を置こうとし、とある写真盾に気づいた。そこにはアルフィナと同じキリン一式の赤髪の青年が写っていた。――バースに似ている？　いや、アイツは俺達の世界の奴だ。……似てるだけだろうが。そう自分に言い聞かせ、背負っていた鎌威太刀を置いた。外に出、アルフィナと村長に挨拶しに行こうとした時に、慣れ慣れしい声が聞こえた。「おいそこの青くて紫っぽい髪のお兄さん、女の子連れてデートですかい？」声のする方を振り向くと、白い防具、アルフィナと全く同じであるキリンの素材を使った黒髪の少年、バースとその肩に乗っているアイルーが見えた。「子猫とデートしてるのはそっちでは？」肩に乗っているアイルーを見ながら言った。そのアイルーは肩から飛び降りると「オイラは流石って言うオスニャ！　それにニャんでアルフィナ様と一緒ニャ？」流石がアルフィナの近くに寄り、アルフィナはしゃがんで流石を抱きかかえ、肩に乗せた。「俺はただコイツに付いてきただけだ、ところでバース、シュンはどうした？」「それは俺の台詞だって…。こっちにも居ないから俺はてっきりヴェルムと居るのだとよ…」肩を竦めつつバースは言った。視線を外したヴェルムは顔でバースの後ろを示した。振り向くとそこには「光る何か」が落ちてきている。「あの輝き…。信じたくは無いが、奴じゃないか？」視線を「光る何か」に向けたまま言う。「……。ちょ～～っと出かけてくるぜ」バースはそういうと落ちていく方向へ走り出した。後をヴェルム達が追う。「アレがお前ら達の言う奴だとしても、助かる確率は何%ニャ？」「即死じゃない？　あまり確認出来ないけど、頭から落ちてるわよ？」アルフィナと流石が笑いながら話している。隣で鼻で笑ったヴェルムが言う。「アイツは死なねーよ、アイツの防具は稀にしか取れない銀火竜の鱗を使ったシルバーソル一式。確かに重いがガノトトスの水ブレスモロに喰らっても生きていたんだ。そんな奴が頭から落ちるだけで死にはしない。それに……」「それに何？」先頭を走っていたバースがいきなり大声で笑い、振り返り後ろ走りで走った。その表情は笑顔で満ちている。「あぁ！！　アイツは死なねーなぁ。アイツは…面白い方法で必ず助かる。特に高い所から落ちた場合は必ずなぁ！！！」ヴェルムとバースはゆっくりと歩いては集会所の近くで止まった。アルフィナと流石も止まった。「え…？　受け止めとか助けにいかないの？」疑問ある表情のアルフィナにヴェルムは笑みで返した。「助けに行くと逆に死ぬぜ。その脆そうな防具も一瞬で溶けるぜ」「溶ける？　どういう事？　…って、あ！　今変な事考えていたでしょ！？」ヴェルムは肩を竦めると同時にさり気なくバースを指さした。「それはこっちの事では？」「馬鹿野郎。シュンだろ。そういうの考えそうなの」「そうか？　お前の方がよっぽど危ないがな。アルフィナ、気をつけろよ。コイツに近寄ると取り返しのつかない事になる」それを聞くとアルフィナは一歩、また一歩バースから離れた。そしてヴェルムの後ろに隠れるような形になった。ヴェルムの前には流石が立って爪で指す。「危険ニャ」「蹴り飛ばすぞ？　いや、その首切り落とすぞ？」「フン…。冗談だよ、半分な」そのまま「光る何か」が落ちてきている方を見た。そのままアルフィナの家から持ってきたクーラードリンクを飲んだ。「俺は奴の手助けをしてくる。流石…と言ったな。お前はアルフィナを見守ってろよ」そういうと集会所の間の道を抜けて「光る何か」が落ちる所へと行った。アルフィナは不満な表情になり、また一歩下がる。「信用ねぇな……。何もしねーよ」「そういってするんでしょ…？」「気を付けた方が良いニャ、アルフィナ様」「………。Return… you……」

  2007.07.05

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• モンスターハンターVbs　～時を越えし狩猟者達～　第二章

  エリアポイント2と同じく平坦な草原であるエリアポイント3、此処には数多くの飛竜種が必ず訪れる場所とも言われている。そしてエリアポイント2、4、9、10まである為、此処を通るハンターも少ない訳では無い。だが、此処には至って特徴的な物は無い。草食竜のアプトノスが3頭居るだけだ。「此処にようは無いな…。暇潰しに子猫しかいない9に行ってみるか」岩と樹木で作られたトンネルのようなエリアポイント9、別名『死と隣り合わせのトンネル』と言われている。視界が悪いうえに左右の幅が狭いので、戦闘するには不向きな場所だと言える。「此処は本当に狭いな…。取り合えず」右手をポーチに入れ、閃光玉を握り、そして遠くに投げ飛ばした。閃光玉が着地と同時に一寸の光を放つ！―――ニャアァァァッッ！！？奥の方で猫の鳴き声が聞こえた。声がした方に行くと一匹の猫――背中にどんぐりを背負い白い毛並みを持つ猫型モンスター――アイルー。そのアイルーが目を回して倒れている。そっと近寄ってはしゃがんでじっくりと見る。「…こうやって見ると案外可愛いな、こいつ」「……ニャ？」目を覚ましたアイルーが起きた。そして振り返り歩こうとするとバースにぶつかって尻餅を着く。と同時に何かが落ちた。そのラベルには大きく「幻獣チーズ」と書いてあった。拾ってそのアイルーに渡す。「ありがとニャ、じゃ、さよならニャ」そう言うとそのアイルーは礼をして、エリアポイント4へ行ってしまった。「……。後を追ってみるか」バースはそのアイルーを追っていくと、来た所を次々と戻り、ついにはベースキャンプ地点まで戻ってきてしまった。気づかれないように後を追ってきた。――コイツは一体何をするんだ？樹の陰に隠れつつ見ていた。そのアイルーは先程地図や携帯食糧などが入っていた支給品箱を開け、余っていた砥石などを外に捨て、意外な行動を見せた。「……ハァ！？」思わず声が出てしまったバース、それもその筈。そのアイルーは余った支給品を捨てると支給品箱の中に入ってしまったのだ。樹の陰から出て、支給品箱の前で立ち止まる。「……開けて良いんだよな？　これ」そう自分に問いかけると、迷う事無く支給品箱を開けた。にこにこしながら目を閉じているアイルーがいる。バースは一回箱を閉じた。「……あそこまで満面な笑みだと恐ろしい」支給品箱から離れ、工房試作品[鋸切り]をかまえた。チェーンソーのスイッチを押した。どうやら支給品箱ごと切ろうとしている。だが、切る前に箱が開いた。「やめるニャーー！　そんな事されたら死んじゃうニャ！！」「五月蝿いな…」スイッチを切りながら言った。そして腰に吊らした。「お前はそこで何をしている？」聞くと支給品箱から出てきて、その爪を立てて言った。「お前じゃないニャ、オイラは有名料理シェフ猫『流石』だニャ！　”ココット村”のギルドで働いてるニャ」「……”ココット村”？　それはどこにあるんだ？」「ニャ？　”ココット村”を知らないのニャ？　なら付いてくるが良いニャ」手招きをしてテントの裏にある小さい洞窟に入っていった。バースもその後を付いて行った。――時を越えし狩猟者　バース　第二章　完

  2007.06.24

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• モンスターハンターVbs　～時を越えし狩猟者達～　第二章

  「あ～……、美味かったぜ。”こっち”のアプトノスの肉は最高だぜ」地図を見ながらも次の所へ移動した。河沿いの崖上にあるエリアポイント2。ここには群れを成し獲物を狙う、青地に黒い縞模様の体が特徴の小型肉食モンスター『ランポス』が主に生息する。だが、稀に飛竜種が出現する事もあるが、今は居なかった。「……此処で寝たら食い殺されるかな、こいつらに」目と鼻の先には既にランポスの群れがあった、まだ此方には気づいていない。バースは音を立てないように右腰に吊ってある――片方が鋭く、小さな石から段々と大きな石を積み重ねたような剣――メルトウォーリアの柄を握り、構えた。この剣は見た目とは裏腹にその石一つひとつに有毒が塗ってある。間違って触れればバースでさえも数分足らずで逝ってしまう。草を踏みながら、だが音を立てずに走り近寄った。1頭が振り返ったがバースはいない、影だけが残る。他の数等が上を見ていた。太陽に重なってバースは剣を構えた。そして空中で一回転し加速を付けるとそのまま落下し、ランポスの首に双剣を刺した。刺すとバースは馬乗りの状態になり、剣が刺さったまま振り落とされた。双剣が刺さったランポスがバースを噛もうとしたが、噛む前にぐったりと倒れこんだ。「馬鹿が…。一生寝てろ」メルトウォーリアの毒に殺られ、倒れた1頭のランポス。そのランポスから剣を抜き、また構える。「かかって来いよ…雑魚共がぁ！」ランポスの1頭がバースに飛び掛る。だが、右に回転して着地に失敗したランポスの腹を思い切り蹴飛ばした！　ピギャァァァッ！　と高い声は出るものの即死では無く、すぐに近づいてくる。バースは容赦無く右手の剣を口が開いた瞬間を見計らって投げた。口は裂け、喉をも越えて突き刺さる。そのまま横に倒れた。別の1頭も跳んでかかって来た。だがランポスに向かって剣の刃先をやると、勝手にランポスが刺さり遭えなく死んだ。肉体が真っ二つに割れて。血が剣、バース自信、そして他のランポスにも大量にかかる。「うわっ…、生血が付いちまったか。お気に入りだったんだがなぁ…、このキリンS」白い生地には赤い点――血が付着してあり、かえって目立つ。だが、まだ全てを倒しては居ない。「残り3頭か…。……生きては返さない」左手に持っていた1本のメルトウォーリアを3頭に向かって投げた。だが、それはかわされてしまった。2頭同時に突っ込んでくる。「血迷ったな…、こいつらにこれは見えないらしい」左腰に吊らしている工房試作品[鋸切り]――別名チェーンソーを構え、スイッチを入れた。ランポスの1頭が飛んでくるがかがみこんでかわし、突っ込んでくるもう1頭の腹に蹴りを入れる。今度は丁度溝（みぞ）を直撃に、それだけで倒れる。それを見たバースは、鋸切りを首と胴体に突き刺した。そのまま横に引っ張り、顔面は首から切断され、胴体も肉を無様に出されたまま原型を無くしつつ切り取られた。「ほらほら……楽しませろよ」振り向くとそこにも居た為、今度はその少し短い脚を切った。ピギャァァァッ！！　痛みを感じたかのように騒ぐも、残りの1頭は何もせずに此方を見てるだけであった。バースは遠慮なくその首をまた切り落とした。「ラスト……1」辺りを見ても他のランポスはもう居なく、ただ見てるだけの1頭だけが居た。逃げるチャンスを窺っているのかように。工房試作品[鋸切り]の血を払うと、左腰に吊らした。そしてポーチに手を忍ばせ”ある物”を掴んだ。そこには小さく「取扱注意」と示されていた。そして、それを握りなおすとランポスに向かって投げた。それはランポスに当たらず、ランポスの目の前で落ち、そして――――ピキィィィィッッッン！！！！超音波並みの音と、目に星が現れる程の強力な閃光をあげた、これは閃光玉だった。目を完全に眩ましたランポスはのろけている。そのランポスの背中に乗り、左手で上のくちばしを掴み、右手で工房試作品[鋸切り]のスイッチを入れる。そして言った。「アディオス」工房試作品[鋸切り]を口に入れ、そのあと口を無理矢理閉じた。中でチェーンソーが回り、内蔵を切り裂いている。そしてそのランポスも倒れた。背負っている封龍剣[超絶一門]を手にし、胴体を切り裂く、ドロドロの血と一緒に片方の鋸切りを取り出した。出来る限り血を振り払い、そして吊らした。殺したランポスに刺さったままのメルトウォーリアも右腰に吊り、エリアポイント3へと移動した。行く途中にこう呟いた。「生血は良いが血塗れはゴメンだぜ……」

  2007.06.20

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• モンスターハンターVbs　～時を越えし狩猟者達～　第二章

  緑息づく森と風駆ける丘、穏やかな河の流れ。どんな一流ハンターでも必ず一度は通過する場所。森と丘。此処を探索する事で、ハンターは生きる術……食糧の確保や素材の採集、そして襲い来る脅威との戦い方を学んでいく。そして、そのハンターと呼ばれる1人が、今此処に居た。「……何処だ、此処」1人の少年、背に双剣――片手剣を軽量化、そして重量の縮小を心がけ、1度に2本を装備して戦う武器を、背の他に左右の腰につら下げている黒髪の少年。「…そう言えば、黒龍に飛ばされたんだったな」独り言を自分自身に言い聞かせ、そして納得させる少年――バース。場所は森と丘のベースキャンプ。テントの後ろでは小さい川がゆっくりと流れ、小魚なども生息している。テント内には身体を癒すベットもあり、その隣りには地図や携帯食糧といった物が支給されている。バースはその中にあった地図を取り出した。「え～っと…、此処が拠点か。まぁ、適当に探索に行って見るか」隣りのエリア、地図でいうエリアポイント1に移動するため、自然的に樹で出来た小穴を潜り、移動した。移動してすぐ目に入ったのはその自然の景色であった。ベースキャンプから続く河もあり、そして草食竜、アプトノスの群れが草を食べていた。「結構広いんだな、此処も。…そういや”こっち”に来てから何も喰ってないから肉でも食べますかなぁ」少しずつアプトノスにバレないように一歩づつ近づいていく。臆病者のアプトノスはハンターの姿を見ると河を越えて、ハンターは通れない向こう岸にいってしまう。バースは双剣――超絶一門の柄を握り、そっと近寄る。双剣の刃先を構え、その大き目の肉に突き刺し、横に振って切り裂く。長く横に伸びた生々しい傷跡から血は流れ出る。また突き刺したが、右の剣の片刃は下、左の片刃は上にし、今度は縦に切り裂いた！　血を大量に出しながらアプトノスは転がるように倒れた。最後に尻尾と頭で暴れたが、力尽きた。「ふぅ…」そのまま剣を使って肉を剥ぎ取り、支給肉焼きセットで肉を焼き始めた。「タンタンタン、タッタラタララ、タッタラタララ、タララッ、タララッ、タララッ、タララッ、タタタタタンっ…！　っし、上手に焼けましたっと」自分でリズムカルに焼き上げ、満足げな表情を浮かべながら、その焼きあがった肉に喰らい付いた。肉汁がたっぷりと出てくる。「あ～上手い。我ながら良い出来だが…、喰い足りねぇな」バースは工房試作品[鋸切り]と呼ばれる双剣を構え、そしてスイッチを押した。この見た目からして鋸切りと言うよりはチェーンソーに近い剣を、子供のアプケロスに刺した。スイッチを離さない限りチェーンソーは回り続け、その肉を、その骨を、いとも簡単に砕けさせた。そして剥ぎ取ってはまた焼いて、腹を満喫させたのであった。

  2007.06.11

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• モンスターハンターVbs　～時を越えし狩猟者達～　

  バウンドボイス終了後、黒狼鳥イャンガルルガは大きく首を回し、火ブレスを吐いてきた！　火ブレスが放たれた方は少し離れたアルフィナにだった。「糞野朗…。させるかぁぁぁぁっっ！！！」すぐに落ちていた鎌威太刀を拾い構え、左から大降りし、火ブレスを切り裂く！　隙を見たアルフィナは召雷剣[麒麟王]を縦にし、地面に突き刺す。半分に割れた火ブレスと言えども、まともに喰らえばその素材を軽く消した。「まだまだぁぁっっ！！」ヴェルムは鎌威太刀を背負い、一気に走りこむ。そして麻痺投げナイフを両手に持ちながら、首の下に滑り込む。イャンガルルガのサイズが大きい為、すぐに潜り込む事に成功した。そのまま麻痺投げナイフを投げず、その堅い鱗で覆われている首に刺した。血が一気に吹き出る！――グワァァァッッッ……イャンガルルガは麻痺毒が身体に回り、痺れ、動かなくなる。その際にアルフィナが大きく構えている。ヴェルムはすぐにイャンガルルガから離れ、砥石で刃を梳いている。「お願い…。朽ち果てて」その可愛げからは裏腹の言葉を言って、丁度首を辺りを切り裂く！　だが、刃毀れのせいもあって切れ味は落ちていた。首の切断が出来ず、生々しい傷が付いた。そこからも血が流れる。「コイツの息の根を止めるのは…、この”龍滅者”…ヴェルムだ！！」完全に切れ味が戻った鎌威太刀で、その鋭い刃先で、イャンガルルガの首を刺した。そのまま体重を乗せ、血を今まで以上に噴出させながら、その堅い首を落とした。「やったね！　やっとイャンガル狩猟出来たよ…」「俺と会って生き延びる飛竜種はいてはならない…。俺は確実に獲物を狩り殺す」そう言い、鎌威太刀を背負うと、剥ぎ取りもしないまま流れる川の水をしゃがんで手ですくい、そして飲んだ。「ふぅ……」「…えぃ！」一息ついたと思ったが、直ぐに悲劇は起きた。いや、わざと起きさせた。アルフィナが無防備な体制のヴェルムを川の中に蹴飛ばしたのだ。顔面から落ちていく。そして大量の水を飲んだ。「…き、貴様……！」ヴェルムの周りをサシミウオと黄金魚が泳いでいる。そして、ヴェルムは黄金魚を手で掴み、そして投げた。だがあっさりと回避された。「この糞…。人の防具を濡らしやがって」そう言いながらも川からは出ずに両腕の防具を外し、陸に投げる。その黒き表面に赤きラインの入った防具を。「じゃ、そろそろ行こっか！」先に歩き出したアルフィナ、ようやく川から出たヴェルムは外した防具を片手に持って、アルフィナの後を追った。本拠地である”ココット村”に戻るために。――時を越えし狩猟者　ヴェルム　第一章　完

  2007.06.05

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• モンスターハンターVbs　～時を越えし狩猟者達～

  ヴェルムはアルフィナを引き連れ水竜ガノトトスが移動した所に向かった。――本来なら狩猟する筈だったが。目にした後景は…飛竜の恐怖を覚えさせるものであった…。「これは……」「嘘…。こんなこと…有りえるの……？」アルフィナは両手で口を押さえ、ヴェルムはアルフィナの前に出て、左手で守るように突き出す。多少ではあるが重い鎌威太刀を右手一本で持ち。ガノトトスは陸に上がった状態で死んでいた。その状態は不思議を思わすものであった。ガノトトスは危険を感じると水に深くもぐり音爆弾などの強烈な音でなければ上がって来ない。稀に自分から上がって来る事もあるが、瀕死の状態ではまず考えられない。「アルフィナ、武器を抜いたまま待っていろ。少し調べたい事がある」「う、うん…」一歩、また一歩。身長にガノトトスの死体に近づく。そして死体を調べ、ある点に気づいた。――何故死んでいる？ヴェルムの鎌威太刀による”鬼刃の力”で十分に体力を削ったが、ヒレをたたんだだけで息はしていた。アルフィナの落雷でも異常に体力を削ったが、結果は同じであった。ヴェルムはガノトトスの身体に付いている鱗をみた。大きな爪の痕があった。これをみる限り、他の飛竜に襲われたとしか考えられない。「気を付けろ！　何か…いる」咄嗟にアルフィナに近づき、背中合わせで辺りを見る。空を切る音が聞こえる、明らかに何かが近寄っている。「ヴェルム！　上！！」アルフィナが上を指差した。雨が混じり視界を邪魔するが、指差す方をみた。すると――「！　どけ！！」ヴェルムが急にアルフィナを突き飛ばした。指差した方を見ると球体――火ブレスが上空から飛んできたのだ！「グアッァァァァ……！」火ブレスを喰らい、飛んだ。頭から落ちると思ったが、片腕でバネを利用して復帰する。そして、水竜ガノトトスを襲ったと思われる飛竜が姿をみせた。――グオォォォォン！！！右目と胸元に付いた十字を思わす傷。漆黒と冷暗ある黒紫の鱗。尻尾に付いた毒針。黒狼鳥イャンガルルガ！ブレスを吐き出す体制、口を大きく開け一度上を向く。そして発射した！　だが落ち着いてアルフィナは召雷剣[麒麟王]を楯にし、ブレスを受け止めた。そのまま反撃し、大きな大剣を回し切り、切り上げ、軽い体重を乗せ切り捨てる！　切る度に雷が舞い散る！「やるな…。アイツも……」ヴェルムは高速で走り、空高くジャンプした。アルフィナと戦っているイャンガルルガは気づいていない。宙で一回転し、大降りでイャンガルルガの一番柔らかい首に鎌の先を突き刺す！　抜いて離れるようにまた高く飛ぶと血が辺りに飛び散り、近くで切っていたアルフィナの顔や胸元、腕にまで生血がかかってしまった。「大丈夫か？」遠くでそう呼びかける言葉に対し、笑顔で「大丈夫、慣れてるから」「…………」少女、と言う感じを一瞬で一変させる一言であった。流石ハンター。と言うべきなのだろうか。ヴェルムは妙な感覚になり、迷った。「…ハァァァ！！！」血を十分に浴びた鎌威太刀で”鬼刃切り”で尻尾を切断した。切れた尻尾から、切断した部分から大量の血が流れ出る。もう生きているのが不思議になるくらいに。「このまま狩猟するぞ！」「任せて！」近寄っていったがイャンガルルガは急に立ち上がり、大きく口を開き、身体が硬貨するほど低い声。バウンドボイスだ。「クッ…。五月蝿ぇぞ…」「きゃあ…！」ヴェルムは鎌威太刀を落としてまで耳をふさぎ、アルフィナも剣を捨て驚きすぎてしゃがんでしまった。

  2007.04.18

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• モンスターハンターVbs　～時を越えし狩猟者達～

  俺は先程水竜ガノトトスがいた場所に移動した。無論、鎌威太刀を構えながら。「……アレか。やはり此方の世界でも同じ飛竜か」俺は今思い出したのだ。此処は俺が住んでいる世界では無い。黒龍ミラボレアスに飛ばされた世界だと。だが、変わった感覚はどこにもない。そんな事を考えている内に、奴が俺の存在に気づいた。そして水面に身体を出して水ブレスを吐こうとしている。「喰らえ…！」あえて握っていた音爆弾を奴に投げつける。高い音、いわば超音波に並ぶ程を音が響いた。予期せぬ事故に驚いたガノトトスは身体を飛び出して陸に上がってきた。チャンスだ！「フン、ハッ、せい、ハァッ！」上から切り捨て、突き刺し、切り上げ、大きく振って下がる。これの繰り返しだが”鬼刃の力”が溜まるまで俺は攻撃をやめない。太刀は敵の血を浴びる事により太刀の刃に”妖力”が高まる。それが頂点の達すると刃が赤く光る。それが”鬼刀の力”が溜まった合図だ。「喰らえ！　鬼刃切り！！」右から大降りでガノトトスの脚、堅い鱗ごと切り、左からも大降り。右下から切り上げてはそのまま刃を左下に持って行き切り上げ、丁度頭上に鎌威太刀の柄が来たため両手で握り一寸の赤い光と共に叩きつけるかのように切る！　周りにあった石や砂が消し飛ぶ！　その威力が有り余る為にガノトトスの右脚の鱗はほぼ全て切り落とされ、辺り一面に血が散っている。だが攻撃だけではなかった、脚の下にいたためガノトトスの体を使ったタックルをまともに喰らってしまった。無論デリケートな太刀であるため、防御などは出来ない。「グハッ…」飛び、頭から落ち、転がる。そのまま立ち上がろうとしたが、フラフラし、立ち上がれずに膝を付いてしまった。混乱だ。ガノトトスはそれを見計らったかのように水ブレスを吐く体制。首をあげた！――俺は、此処で朽ちるのか…？少なくともそれはヴェルムの死を意味した。だが…「そんなの、ウチがさせない！！」一寸の光、落雷がガノトトスに落ちた。その光は天高き所から落ちた。そこを見ると、消えた筈のアルフィナが雷を落とす爆雷針を思わす形をした大剣。”召雷剣[麒麟王]”。稀少種であるキリンの上皮を多く使っている為、その雷の攻撃と切れ味は予想以上の威力を発揮する。雷の光が弱点であり、ガノトトスは跳ね上がった後、水に戻った。そして、姿を消した。「さぁ、立って」そう心配そうに言い手を差し伸べるアルフィナ。それを無言でヴェルムは受け止めた。「…奴のヒレを見たか？　お前が放った雷の御かげで畳んでいる。もうすぐ死ぬぞ」「うん！　あ、それとこれ」アルフィナがおもむろに差し出したのは先程奪われた、いや、ヴェルムが渡した右腕の防具。黒き表面と赤きラインが光る防具を差し出された。受け取り、素肌丸出しの右腕に取り付ける。ガノトトスは他の場所に向かっていた。鎌威太刀をもう1度砥ぎ、刃毀れは無くなった。「お前、飛竜相手に戦えるだろうな？」「勿論だよ！　何言ってんの？　ヴェルム！」「なら行くぞ。生血を浴びた太刀が蠢いているうちにな」「うん！！」ヴェルムとアルフィナはガノトトスのあとを追った。そして、予期せぬ出来事に襲われてしまうのだ…。

  2007.04.14

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• モンスターハンターVbs　～時を越えし狩猟者達～

  ――此処は、何処だ？　何故、俺は此処に居る――そこは、いわば大自然であった。大木などが辺り一面にある。何処をみても、そこには木しかない。密林だ。そこで静かに流れる川には、水竜ガノトトスが生息している。水面に浮かんできたのは、時空間を飛ばされた1人の少年。ヴェルムであった。だがそれは死を意味した。水竜ガノトトスがこちらに接近してきたのだ。が…「！　危ない！！」どこからか少女の高い声が聞こえた。次に、超音波の如き音が響き渡る。それに驚いたか、ガノトトスは水面から跳ね上がり、陸に上がった。その隙に少女は川に飛び込み、ヴェルムを支えながら陸に引き上げた。そして背負いながら場所を離れた。「起きて、君、起きて！」俺は誰かに身体を揺さぶられながら目を覚ました。と、同時に水を吐き出した。「グッ…。お前が…助けてくれたのか？」その少女は白い髪をしていた。防具は…、薄い。それに肌が出すぎている。まさかあの幻獣キリンの皮か？　なら此処まで露出でも…。それに角。「うん、だってガノスが居るっていうのに、いきなり水面から現れたんだもん。あそこで音爆弾投げてなかったら今頃喰われていたよ？」「……そうか」俺は立ち上がると濡れた髪を整え、鎌威太刀を砥石で研いた。「！　その武器…。もしかして君、上位ハンター？」「周りで俺はいつもそう呼ばれていたよ。それにこの防具を知らんのか？」俺がそういうとこの少女は右腕の防具を無理矢理外しては眺めた。この黒き表面と赤のラインがある防具を。「…分かんない」「そうか。知らないならその方が良い。お前の防具はキリンか？」白い皮。蒼い角。落雷を思わす胸についた結晶。間違いなくキリンだ。「そうだよ～。しかもキリンの上皮使ってるんだよ！」「……そんな装備で歩いて、何か言われないのか？」俺はただ、思った事を口にしたまでだ…。別に……。「ん～…。なんか変な目で度々見られるんだけど」やっぱりな。変な目で見ない方がおかしい。まだ純粋そうだが…。「ところでさ、君の名前は？」俺の名？　まだ言ってなかったか…。「俺の名は、ヴェルム＝アグルデッド＝フィクス。お前は？」「うちはアルフィナ。訳あってハンターになったんだ」…まさか、キリン一式が可愛いからと言う理由ではないだろうな…「…まぁ良い。兎に角、これを地面に投げろ」俺はそう言ってアルフィナに緑色の玉を渡した。「こ、こう？」そう言ってアルフィナは地面に投げつけた。緑色の煙が舞い上がり、煙が風に流された頃にはアルフィナの姿は無かった。そう、モドリ玉だ。「これで、邪魔な奴は消えた――」鎌威太刀を抜きながら笑みを零し「――これより水竜の狩猟に参る！」元の場所に俺は行った。　確実に水竜を、亜種を…狩猟する

  2007.04.03

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• モンスターハンターVbs　～時を越えし狩猟者～

  「クッ……畜生が…」白銀の少年が老山龍砲・皇に拡散弾をリロードし、『黒龍ミラボレアス』に構える。それに気づいたのか、白銀の少年――シュンの方を向く。「シュンが危険だ…。角笛を…」別の声。それは、背中に巨大な鎌を思わす太刀『鎌威太刀』を背負い、挑発を思わせる音色を流す。蒼紫色を思わせる髪をした少年。――ヴェルム。その音色を聞くとミラボレアスは此方を振り向く。そこに…「でいやぁぁぁぁ！！！」黒龍の頭上に現れたのは、両手に双剣を構えた少年。暗殺者――バース。バースが構えし双剣は封龍剣[超絶一門]。黒龍の頭上に上手く乗り、双剣を天に構える。「鬼人と化した我の力……。思いしれ！」双剣同士をぶつけると、双剣から赤い光がこぼれ、バースを赤い光が包む。「はぁぁぁぁっっ！！」頭から飛び降り、顔面から右手の剣を上から下げ、逆の手でまた同じように上から切り捨て、重なるように左右に切る。次に右手の剣を下から救い上げ、逆の手に持った剣も同じように切り、最後に丁度。両手が同じ位置に来た。そこから――首の位置から腹まで一気に、落ちつつ、早い速度で封龍剣で切る。切る度に龍が嫌う『黒き稲妻』が走る。着地から右に転がり、同じ動作、否――乱舞を右足の爪に喰らわせる！痛がったのか、黒龍は尻尾の先でバースを飛ばした。「グハッ……！！」数十メートル飛ばされ、気を失ったのか動けない。気絶だ。そこに鎌威太刀を構えたヴェルムが近寄り、「寝てんじゃねぇよ」はき捨て、下から大きく振り、鎌威太刀の鋭い刃が肉を刺し、また大きく打ち上げられる。次は頭から叩きつけられたが、軽症で済み、すぐ立ち上がる。そして、睨み付ける。「……痛ーな」「気絶する方が悪い」他の起こし方は無いのか。と言いたがっているかのように黒髪を手でかくバース。「おらぁ！！」拡散弾を黒龍の右足に発射する。弾は拡散してから刺さり、そして爆発する！　周辺に血が飛び散る！黒龍は痛がり、首が大きく円を書くように揺れる。そして……次の黒龍の行動によって、『時を越えた』冒険――否、狩猟は始まってしまったのだ…。円を書くようにして頭から倒れる。「お…、おい。まさか…討伐に成功したんじゃ無いか……？」声を少し震わせつつ、老山龍砲・皇をしまうシュンが言った。「有り得る…。翼も顔面もボロボロで。生きていられる筈が無い」そう言いつつも、鎌威太刀の柄には手を忍ばせているヴェルム。「なぁ…。コイツ、息してねぇぞ？」顔面に封龍剣を構えていたバースが言った。「じゃぁ…じゃあ、俺達はコイツの討伐に成功したんだな！？」「フッ……。そのようだな」笑みを零しつつ、鎌威太刀の柄からも手を離してヴェルムは言った。「やった…！　ついに俺達は黒龍を倒したんだ！！！」誰もが喜びに満ちたその時であった……。「……！　皆、気を付けろ！」誰よりの先に気づいたのはヴェルムであった。その後にバースとシュンが黒龍の方を向く。すると、死んでいたはずの黒龍の瞳は赤い色を放ち、立ち上がり、此方を見る。「…嘘だろう……。第二形態ってこういう奴をいうのかよ！！」その姿は、全身黒い鱗を身に纏っていたと思われた。が、今目にしている姿は…紅（あか）かった。そして…。その紅き黒龍は、全身から紅と黒を混ぜ合わせた光を放ち、こう言った。『汝ラヲ時ノ狭間ニ送リ込ミ、全テヲ無トサセヨウ』この言葉を最後に、ヴェルム、シュン、バースは、それぞれ別の時空間に飛ばされてしまうのであった……。

  2007.04.02

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• Novel 時代（時代）を超え -第5-

  「……なぁリヴェン？　仮面砕け散ったぞ？」「…砕け散ったな」素顔を隠していた筈の仮面を無くしたとしても、冷静さを忘れない口調で言った。仮面を失って見えるものは、蒼紫色を思わせる髪、そして冷たき感情とは裏腹の紅い瞳。身体に黒いマントを被せ、立ち去ろうとしたその時だ。これが――全ての始まりであると同時に 辛い記憶を作る始まりだった。「……何故だ」リヴェンやアイゼンとは違う声が聞こえた。しかし、その声も冷たかった。「…………」リヴェンは無言で、目だけで声のする方を見た。そこには白銀の髪をし、折りたたんである巨大なボウガンを担いでいた――シュンが居た。「何故……。立ち去ろうとする。それに、何故村を助けた…？」「別に…。目障りだったから一掃しただけの事。村を助けた覚えは無い」「なら、俺を殺すのかい？　見た所素顔を隠していたと思う仮面が砕け散ったけれど」「仮に俺がお前を殺すのなら、貴様は今頃俺と会話などしていない。…！」微かにリヴェンの右手の甲が光りだす。だが、それにシュンは気づいていない。「――挨拶代わりに受け取れ」リヴェンのマントの中から完全に光に満ちていた右腕を出し、膝をついて地面を殴る。殴ったところから無数の光がシュンの方向に拡散した！「何っ……！？」ほんの少し遅れたがボウガンを前に出し、発射口と弾丸転送口をくっつけ、何処と無く空に撃つ。弾丸が数m飛んでから爆発する。そこから薄いものではあったがシェルターがシュンを包み込む。光がシェルターに当たり、消滅する。が、残りの光はシュンを通り越して――背後に居たゾンビに命中する。「…仮は返したぞ。ヴァリアンド」そう呟くと同時に誰にも見られないように笑みを零したリヴェン。「お前……。俺を助けたのか？」「別に。殺り損ねた生き残りが居たから消しただけだ…」立ち上がりながらリヴェンはそう言った。

  2006.12.08

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• Novel 時代（とき）を超え -第4-

  「…………」リヴェンの目と鼻の先には小さな村、『メリネンの村』が見える。そして、村の入り口に今来ているが、異変に気づいていた。人にもっとも近い生態。そして、人の生きる死体とも言われるゾンビが入り口に集まっている。「アイゼン、ざっと見て何体居る？」目線だけで『デスベルドアイゼン』に組み込まれているレンズを見ながら呟いた。「ざっと見なくても50は超えてるぜ？　と言うより、囲まれているぜ？」アイゼンが言う通り、ゾンビはリヴェンを完全に取り囲んでいる。黒いマントの中で『デスベルドアイゼン』の柄に手を触れ、強く握る。「半径2.5mに入ったら……。入り口まで突撃する」「あと6歩くらいだね…」5...　4...　3、2...１......―――。「ハアァァァァッッ！！！」マントが風に揺れ後ろに広がり、一気に剣を抜いて真っ直ぐ走る。だが、ゾンビは道を塞いでいる。「邪魔だぁ！！」剣を右下から切り上げ、即座に刃を左下まで下げ、また切り上げる。次は剣を持っている方の手首を竜骨の仮面の上まで持っていき、三回転ほど回り、最後に刃をゾンビの顔面に向け一気に走り出し、剣の先を貫通させる。8体程は消し飛び、道が開いた。「道は開かれた……――」『デスベルドアイゼン』を鞘に戻し、竜骨の仮面を右手で持ち上げ、上空に高く投げる。「――閃光の輝きに置いて敵の生命を絶たん！」投げた方の手に拳をつくり、地面を思い切り殴る。すると『魔光陣』が現れる。そして、それを合図とするように竜骨の仮面が極限まで輝き、ゾンビを滅する。だが、同時に、顔を隠していたと思われる竜骨の仮面が砕け散った。

  2006.11.27

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• Novel 時代（とき）を超え　-第3-

  リヴェンがある村に向かって飛び降りた同時刻。ある一人の少女がある少年と一緒に墓参りに着ていた。その墓にはこう記されていた。＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿│闇に染まりし冷酷なる救世主。ヴェルム=アグルヴァード=フィクス││世の破壊を齎し時に世を救いし者。此処に眠る』と。　　 　　　　　│￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣「アイツが居なくなってから3年…。今頃アイツは何をしているのだろうか……」白銀の髪を手でかきながら4救世主の一人。シュン=ヴァリアンド=クロスは言った。「さぁねぇ…。案外何もしていないんじゃ無い？」シュンの隣りで墓に花を添えている少女の名はフェリナ=ゲルネイテ。少し濃い黄色をしており、輝き方によっては金髪にも見えるほど濃い。そして彼女もまた、4救世主の一人であった。フェリナは花を添え終わると振り向き、ゆっくりと歩き出す。「そろそろ戻ろう。また村に魔物が来られたら皆逝っちゃうよ…」シュンは振り向く前に噴き出し、そして振り向き後を追うように歩き出す。「逝っちゃうって…。また殺せば良いだろう。それに、あんな雑魚は問題ねーよ」「でも、2人相手にあんな人数で押しかけたら…。防ぎきれないよ。せめてバースがいれば問題無いのに……」「あんなメリサク馬鹿は如何でも良いの。兎に角。…戻るぞ」今まで甘い表情だったシュンに笑みが消えた。「『噂をすれば影が刺す』って事ね…」シュンとフェリナはほぼ同時に村に向かって走り出した。

  2006.11.18

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• Novel　時代（とき）を超え　-第2-

  「光など…。俺には不必要な存在。そうだろう。アイゼン？」目線を黒いマントの中に変え、誰にでもなく妖刀と呼ばれる『デスベルドアイゼン』に向かっていった。「お前の場合。そうかもな」人の言葉を発したが、この声はリヴェン本人にしか聞こえないらしい。この妖刀『デスベルドアイゼン』は両刃片手剣で、刃だけでは89.2cm。柄は21.4。全長110.6cm。重さは1.32と、持っている感覚すら失わせる程の軽さである。丁度柄の上の所にブルークリスタルのレンズが組み込まれていた。これが会話する妖刀の目に値する。そして、また妖刀が口にする。「……確か。あの事件以来自分を隠し、奴に。……奴その者になろうとしているんだな」リヴェンは目線を妖刀から離した。「その話しは人前で無いとしても言うなと言ったはずだ」「…スマンな。どうしても作者が読者に言いたかったみたいだからね。私を利用して言わせたようだ」それを聞くとリヴェンは溜め息を吐いた。「まったく…。此処の管理人はこの小説を潰すつもりか……」「まぁまぁ、それ以上小説に関係無い事言うとまた私を利用して、今度はお前の正体を言わすかもしれんぞ？」「喋る妖刀が何を言うか。……飛ぶぞ」『デスベルドアイゼン』はレンズの中で笑みを零したかのように笑い「フフッ…。昔から冷徹。いや、冷静？　ですね」そう『デスベルドアイゼン』が言ったときには、もう素手に下の村に向かって飛び降りていたのだ。

  2006.11.05

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• Novel　時代（とき）を超え

  光から物体化した少年は……　竜骨の仮面を取ると、腕から流れ出る血によって、白き骨は赤く、全体が、竜骨全体が赤き骨と化した。「此処が……、新たな世なのか…」そう自分に言い聞かせるように言うと、竜骨の仮面を顔につけ、辺りの闇に飲まれるように、黒きマントを体に被せ、走り出す。崖が見える。が、気にせずに頭から崖を飛び降りた。崖の下は、今が夜であると同時に、完全な闇だった。着地する数十メートル前で足を下に向け、着地する。「さて……」着地したが、そこには「ケルベロス」と呼ばれる頭を3つ持ち、鋼で出来た身体を持った野獣が居た。『警戒している……。か』一度手を顔の前まで持っていき、体制を低くして右手を地面につける。地面に闇の黒き光の「魔光陣」が現れる。「初期の闇よ。…我に、邪悪なる力を―――」魔光陣は光を放ち、竜骨を付けた少年。――リヴェンの身体に吸収される。ケルベロスはリヴェンに急速に接近し、左右にある2つの顔から球体の氷と炎を飛ばす。リヴェンは詠唱を止め、身体を回転させつつ宙に飛ぶ。同時に右腕をケルベロスに向ける。「闇は力の源。―――ダークディアン！」赤き竜骨の奥で不適な笑みを零し、右手に集まる光が黒き球体と化し、ケルベロスに向かって飛んで行く。が、ケルベロスは半球体のドームを造り、ダークディアンとぶつかり、どちらも消滅し、煙が出来る。その隙を利用し、煙が無くなると同時に、ケルベロスは何処かに逃げ出していた。「殺り損ねたか…」朝日を見ながら、リヴェンはそう呟いた。

  2006.10.23

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