「…………」
リヴェンの目と鼻の先には小さな村、『メリネンの村』が見える。
そして、村の入り口に今来ているが、異変に気づいていた。
人にもっとも近い生態。そして、人の生きる死体とも言われるゾンビが入り口に集まっている。
「アイゼン、ざっと見て何体居る?」
目線だけで『デスベルドアイゼン』に組み込まれているレンズを見ながら呟いた。
「ざっと見なくても50は超えてるぜ? と言うより、囲まれているぜ?」
アイゼンが言う通り、ゾンビはリヴェンを完全に取り囲んでいる。
黒いマントの中で『デスベルドアイゼン』の柄に手を触れ、強く握る。
「半径2.5mに入ったら……。入り口まで突撃する」
「あと6歩くらいだね…」
5... 4... 3、2...1......―――。
「ハアァァァァッッ!!!」
マントが風に揺れ後ろに広がり、一気に剣を抜いて真っ直ぐ走る。
だが、ゾンビは道を塞いでいる。
「邪魔だぁ!!」
剣を右下から切り上げ、即座に刃を左下まで下げ、また切り上げる。次は剣を持っている方の手首を竜骨の仮面の上まで持っていき、
三回転ほど回り、最後に刃をゾンビの顔面に向け一気に走り出し、剣の先を貫通させる。8体程は消し飛び、道が開いた。
「道は開かれた……――」
『デスベルドアイゼン』を鞘に戻し、竜骨の仮面を右手で持ち上げ、上空に高く投げる。
「――閃光の輝きに置いて敵の生命を絶たん!」
投げた方の手に拳をつくり、地面を思い切り殴る。すると『魔光陣』が現れる。
そして、それを合図とするように竜骨の仮面が極限まで輝き、ゾンビを滅する。
だが、同時に、顔を隠していたと思われる竜骨の仮面が砕け散った。