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ジャニーズのNEWSの加藤シゲアキの小説です。
本屋さんの店頭に積んであったのは知っていたのですが、どうせゴーストが書いて編集が手を入れたタレント本だろう、と思っていました。ジャニーズに夢中になるトシでもないし。 だけど、なんとなく手にとってぱらぱらとめくってみたら、「あれ、文章がまともだ」ちゃんと「小説の文章」になっているんですよ。思わず買ってしまいました。うわぁ。これおもしろいや。×××受賞作ですよーって言われたらあっさり信じてしまうでしょう。 ゴーストのナゲヤリ感は感じません。編集がどこまで手を入れたかわからないけど、魔改造はしてないと思うな。前半は時系列が前後して読みづらいからです。後半になると書き慣れたのか、一気に加速します。これほんとうに本人が書いてるのかもしれない。だとしたらすごい才能ですね。 芸能界という特別な世界ですが、一緒にデビューした友達だけが売れて、置いていかれてしまった「僕」の気持ちは、私もよくわかる。 「彼の成功とさらなる飛躍を誰よりも願」いながら、「しかしもう一方で僕は彼の挫折と転落も祈っていた」ああ、わかるわ。この気持ち。 「芸能界に突っ込んだ片足の指先がなかなか抜けない」というのもよくわかる。なんというか、主人公のりばちゃんが普通で、普通すぎて、普遍性があるんですよ。 アイドルタレントが書いたタレント本という色眼鏡で読むの、もったいないです。でも、アイドルタレントだからこそ書けた小説だとも思います。
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Last updated
2012.06.05 11:29:10
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