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先日、東京に行ったとき、打ち合わせ4つをいっきにこなしたのですが、編集者がまるで示し合わせたように言っていたことがあります。
「新しい作家が欲しいんです」 私「投稿作が何百もありますよね? 箸にも棒にもかからない小説が多いんですか?」 編「最近は、箸棒原稿は少なくなってきました。研究して書いてるなぁって感じです。でも、ヘンなものというか、突き抜けたものがないんです」 編集がいま欲しがっているのは、まったく新しい文化や背景を背負った新人作家なのですね。時代が変わっているのかな。他のジャンルも、しっかりチェックしているみたいですし。 私が昔(6年ほどまえ)、ライトノベルに営業したとき、三社連続で門前払いされましたが、今はむしろ他ジャンルを書いていた作家からの営業は歓迎されるみたいですよ。 私が昔(15年ほどまえ)、「出版しましょう」のまま放置され、結局出版されなかったジュブナイルポルノの編集は、他ジャンルをぜんぜんチェックしていませんでした。 「パラダイムのナチュラルアナザーストーリーみたいな小説は、今のジュブナイルポルノにはありませんが、売れてますよね。読みたい読者もいると思うんです。私はトゥハートを書きたいんです」と言っても「ハァ?」でした。 テンプレを破るものを欲しがっている編集がいる。時代の変化を感じました。 それだけ出版不況が厳しくなっている、編集者が危機意識を感じている、ということなのでしょうか。 投稿作品の多くが「ライトノベルを読んでライトノベルを書いている」「美少女文庫を読んで美少女文庫を書いている」のはどうしてでしょう。小説家志望者のみなさんは、早くデビューしようとあせるあまり、傾向と対策にとらわれすぎているのではありませんか。好きな小説を書いて欲しいです。 売れ線を研究し、売れ線テンプレに落としこんで小説を書くのは、(私のような)売れないプロのすることですよ。 そしてまた、作家になってからも、書きたいジャンルがあるなら、どんどん営業するべきです。作家業はノマドワーカーみたいにオシャレな存在ではないですよ。自分から動かないとダメなんです。 SFや純文学のように、シェアの小さいジャンルだと難しいけど、ライトノベルのように急激に膨張して作家不足を起こしているジャンルだと、営業は成功するはず。 だって、今は、違う文化や背景を持つ作家を門前払いするどころか、歓迎しているのですから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年07月20日 09時36分11秒
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