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詩人たちの島

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November 5, 2007
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カテゴリ:essay
島にいる間、耳の中で遠く聞こえていた童謡があった。「ユウナの木の下で」と始まる子守唄だ。従兄弟おじにあたる、私より若い当主(法事の)も東京から風のように帰ってきたので、この音楽好きの小学校の先生に歌ってもらった。彼はリクエストにこたえて、サンシンで弾いてくれた。ちょっと感傷的になりながら、日の沈むのが遅い島の午後、酒を飲みつくしたのであった。

明治生まれの祖母がこんな歌を知っていたはずがない。新民謡という感じなのだが、この哀調は島唄のそれであり、涙がとまらなかった。そのときは覚えていたのに、もう忘れてしまった。

ネットで調べてみたが、ユウナの花の紹介はあるけど、この歌はなかった。そんなもんだ。

なぜ、これを突然思い出したのだろうか?法事でだれかが歌って、というわけではない。島におりたち、故郷の集落に着き、その晩の法事から、この歌のメロディーが耳の奥で優しく切なく鳴りだしたのである。全く島とは関係のないところで、たとえば沖縄とかで耳にした近年のメロディーが、ここで、死んだ祖母が歌ってくれた子守唄として紛れ込んだのかもしれない。

ネンネガセー、ネンネガセー

揺れるユウナの花よ

私はなにものなのか?こことそこは限りなく遠い。遠いが、その遠さが私の血のなかで歌っている。

島でもらった「ルリカケス」という40度の酒、これはラム酒として新発売されたものだという。この強さとうまさは癖になりそうだ。ルリカケスの優雅な飛翔の姿を思いながら、この酒の中でしばらく溺れていよう。ユウナの花の幻影に包まれて。





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Last updated  November 5, 2007 09:08:40 PM
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