「お父さんの恋-Family Tale-」
(2005年・日)作・中谷まゆみ、演出・板垣恭一WOWOWの放送で観た舞台でございます。海のそばに建つ真新しい一軒家。杉本正樹(前田吟)は定年後に家を新築したが、突然病に倒れ、以来寝たきり。しかし、正樹には希望があった。それは、3か月前から住み込みで働いている介護ヘルパー、さおり(星野真里)の存在。さおりがそばにいてくれるだけで正樹は生きようという気持ちになれた。できることなら結婚を申し込みたいとまで思っている。でもそれは叶わなかった。実は正樹は口もきけず体の自由も失った、いわゆる植物状態。そんな時、母の七回忌の為に、久しぶりに長女の正子(七瀬なつみ)、次女の美樹(菊池麻衣子)、長男の大樹(堺雅人)が帰ってくる。子供たちは、介護ヘルパーが中年のおばさんから若いさおりに代わっていたことを知らなかった上に、「正樹と結婚したい」と言い始めたさおりと口論になる。いいですねぇ。面白かったです。玉の輿に乗ったが不倫して離婚間近の長女、ネット通販の会社を立ち上げたが会社の金を持ち逃げされ倒産危機の次女、パチンコの騰がりで生活し金に困った時だけバイトするフリーターの長男。互いに、父親の介護を押し付け合い、土地の権利書など遺産に目をつける。そこへ若いヘルパーが結婚するなんて言い出すから一騒動。オープニングでは正樹とさおりの会話が成り立ってるので、寝たきりではあるが意思の疎通は成り立ってると思ってたら、ほどなくして、正樹は植物状態であり発する声は心の声で観客だけに聞こえるものだと分かる。その心の声、想いが切ない。優しく親切にしてくれるさおりへの想い。そして家族への想い。子供たちにセンスが悪いと罵倒された暖炉がありシャンデリアがあり大きな鏡がありコタツのあるバランスの悪い内装。しかし、それは子供たちが小さい頃に住みたいと語ったそれぞれの希望を掛け合わせたもの。思い出し、その事に気付いたシーンではうるうるときちゃいました。幼馴染で今は町医者の藪一平(池田成志)がまたいい味だしてました。皆さんいい演技してるのですが、あんまり舞台っぽい演技ではなく大人し目でした。池田成志が一番舞台っぽい演技で楽しませてくれました。怒って泣いて笑って暖かい気持ちになる。良かった。↓↓↓ クリック ↓↓↓人気blogランキングへブログ村 映画ブログ↑↑↑ クリック ↑↑↑