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February 20, 2007
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テーマ:Jazz(1967)
カテゴリ:Standard
【スタンダード・ナンバー】

ラウンド・ミッドナイト 'Round Midnight
ラウンド・アバウト・ミッドナイト 'Round About Midnight


1944年
作曲:セロニアス・モンク Thelonious Monk 
作曲:クーティ・ウィリアムス Cootie Williams
作詞:バーニー・ハニゲン Bernie Hanighen

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この曲は、ジャズのスタンダード・ナンバーとしておなじみのもので、
ジャズ・ピアニストとして独自のスタイルを築いたセロニアス・モンク作曲の代表作です。

モンクは数多くのオリジナルを書きましたが、
変拍子にも聴こえる特異なメロディー・ラインや不協和音を伴ったコード進行を持った曲が多く、
それらによって特徴的な作風を確立した人物です。
その中にあって、この曲は美しいメロディーを持ったバラードとして、
多くのミュージシャン、シンガー、ファンから愛されてきました。

1942年に、「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」としてセロニアス・モンクが作曲したもので、
トランペット奏者のクーティ・ウィリアムスが共作者になっているのは、
1944年8月にクーティ・ウィリアムス楽団が初録音しているからで、
録音の際に手を加えたから、という説もあります。
1944年にプロデューサーのバーニー・ハニゲンが作詞し、歌詞付の曲として出版されました。
その際、“ラウンド・アバウト・ミッドナイト”という歌詞が、うまくメロディーに乗らなかったために、
“アバウト”を削除して、「ラウンド・ミッドナイト」と曲名も変えてしまったので混乱がおきました。

したがって、歌詞のないインストゥルメンタル・ナンバー(楽器演奏曲)は「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」で、
歌詞付のヴォーカル・ナンバーとしては「ラウンド・ミッドナイト」ということになりますが、
実際には厳密に区別されずに、インストゥルメンタルのものでも、
1944年以降、「ラウンド・ミッドナイト」としているものもあり、
今では二種類のタイトルが存在するという、ややこしいものになっています。

モンク自身の初録音は1947年で、
アルバム『ジーニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol.1(Genius Of Modern Music Vol.1)』に収められています。
当時、SP盤の短い収録時間のための時間制限からか、
ソロも短く、唐突に終わっています。

インストゥルメンタルのものは、それこそ数多く、モンク自身も何度も録音しています。
モンクによるイントロとエンディングもインパクトが強く、
曲の一部といっていいぐらいの存在感があります。

しかし、最も有名な演奏はモンクのものではなく、
マイルス・デイヴィスの1955年から1956年録音のアルバム、
『ラウンド・アバウト・ミッドナイト('Round About Midnight)』の1曲目に収録されているものです。
尚、ここでの曲名のほうは“アバウト”がない「ラウンド・ミッドナイト」になっています。
マイルスのミュート・トランペットがまさに真夜中の静寂を表しています。
テーマ後は、その静寂を破るオープンの激しい独自のブリッジが入っていて、
そのアレンジが、この曲をさらにドラマチックで印象的なものにしています。
マイルスも、この曲はお気に入りだったようで、何度も録音しています。

ちなみに、マイルスがレコーディングのときモンクに、
「オレのバックでピアノを弾かないでくれ」と言ったことから、
ケンカ・セッションと呼ばれ、二人の不仲説が取りざたされていますが、それは間違いのようです。
マイルスは、モンクに充分敬意をもっていると、後に語っています。

この曲を主題曲とし、テナー・サックス奏者の大御所、デクスター・ゴードンら、
ジャズ・ミュージシャンが出演したベルトラン・ダベル監督の1986年フランス映画、
『ラウンド・ミッドナイト』が制作され、この曲の知名度をさらにあげました。

「真夜中になると、いつも決まって想い出がよみがえってきて私を苦しめる。
あなたをあきらめきれない私。
つらい想い出にはとても耐えられない。
そしてそれは、あの真夜中も知っている・・・。」

と、絶望的に始まりますが、いつしかそれが希望に変わって曲は終わります。

「いつか、真夜中に私たちの愛をはばたかせましょう。
あなたが帰ってくるように、天使たちに歌ってもらい、
私たちの愛をゆるぎないものにしましょう。
あの、いつもの真夜中がやってくるころには・・・。」

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Last updated  February 20, 2007 07:30:15 PM
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