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October 30, 2007
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テーマ:Jazz(1965)
カテゴリ:Musician
若くして死んだ、伝説の天才ジャズ・トランペット奏者、ブラウニー。

Clifford Brown

●クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)

1930年10月30日、アメリカ、デラウェア州ウィルミントン生まれ。
1956年6月26日、ペンシルヴァニア州ベッドフォードで、自動車事故により死去。
25歳。
愛称:ブラウニー

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13歳からトランペットを始め、学生時代にフィラデルフィアのジャズ・シーンで注目を集める。
1952年からタッド・ダメロンやライオネル・ハンプトンのバンドで活動。
1954年にアート・ブレイキーのグループを経て、マックス・ローチと双頭コンボを結成、
ハードバップ時代の最盛期の幕開けを象徴する名演奏を残した。

クリフォード・ブラウンのテクニックと才能は、
モダン・ジャズと呼ばれるビバップ以降、並ぶ者は皆無と言われるほどであり、
その才能はマイルス・デイヴィスも認めていたそうで、
マイルスはアート・ファーマーに彼を聴くよう薦めたと言う。
マイルスがドラッグから立ち直れたのも、クリフォードの演奏を聴いてショックを受けたためだと言う。

クリフォードは、黒人ジャズ・ミュージシャンの中ではめずらしく麻薬、酒、タバコを一切やらず、
人格的にも優れた存在として、生き様の面でもソニー・ロリンズなどにも大きな影響を与えた。

テクニックはもとより、あふれる歌心と、ふくよかで明るい音色に秀でていて、
短期間にエマーシー・レーベルに多くの秀作を残すが、
1956年6月26日未明、自動車事故により25歳の若さで他界。

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モダン・ジャズと呼ばれるビバップ以降で、
ジャズ・トランペットの世界をリードしてきたミュージシャンと言えば、
“帝王”マイルス・デイヴィスでしょう。
彼は、ある程度長生きをし、さまざまな新しいジャズのスタイルを作り上げていったことで、
ジャズ・トランペット奏者というだけでなく、ジャズ・シーン全体を引っぱってきたと言えますが、
後世に影響をおよぼしたジャズ・トランペット奏者ということで考えると、
マイルス以上に、ジャズ・シーンに影響を与え続けてきた人がクリフォード・ブラウンです。
それは、彼は、いまだに数多くのトランペット奏者から目標とされている、
まさに不世出の天才であるからです。

クリフォード・ブラウンの演奏の特徴は、
「すべてのアドリブが歌になっている」とまで言われる、歌心にあふれるプレイですが、
歌心を持ちながらも、常に自分の限界ぎりぎりの演奏に挑んでおり、
その度胸と自信に満ちあふれた、思い切りのいいスリリングな熱い演奏は爽快そのものです。

クリフォード・ブラウンが極めて高度なテクニックの持ち主だったことは確かですが、
彼のすばらしさは、そのテクニックにおぼれることなく、
黒人としてのエモーション(感情)の表現を追求していったことにあります。
そういった面から、「うまさ(テクニック)」と「気持ち(エモーション)」の両方を兼ね備えている彼は、
まさに「完璧」という言葉がピッタリな、唯一無二、不世出のトランペット奏者と言えるでしょう。

しかし、悲劇はあまりにも早く訪れました。
1956年6月26日未明、クリフォードは、ピアノのリッチー・パウエル(バド・パウエルの弟)と、
パウエル夫人の三人で、フィラデルフィアからエルクハートという町に車で向かいました。
しかし、その途中で、三人の人生は断ち切られてしまいます。
運転に不慣れなパウエル夫人がハンドルを握っていたため、雨が降っていて視界が悪い山道で、
車は、山岳地帯のカーブを曲がり切れずにガードレールを突き破って谷底へ転落し、
全員が即死したということです。

クリフォード・ブラウンの死は、ジャズ・シーンと、ジャズを愛する人々にとって、
とても大きな悲しみをもたらしました。
まだ25歳という若さで、しかもこれからのジャズ界を確実にリードしていくであろう、
未知の才能をかかえたまま、クリフォード・ブラウンは、この世を去ってしまったのです。
それゆえに、いまだに「もし、ブラウニー(クリフォード・ブラウンの愛称)が生きていたら・・・」
と、誰しもが思うのは当然のことでしょう。

彼がジャズ・シ-ンで活動していた期間は5年にも満たないわずかなものでしかありませんでしたが、
そのわずかな活動期間のうちに、彼は後世のトランペット奏者の多くが目標とする、
最高のジャズ・トランペット・スタイルを作り上げていました。
リー・モーガン、ドナルド・バード、ウィントン・マルサリスなど、
彼らはみな、クリフォード・ブラウンの音楽と演奏スタイルを目標とし、
そこを出発点にして、独自の音楽を発展させていきました。
しかし、いまだに彼と同じところにまでたどり着いたミュージシャンはいませんが、
それでも、現在までに多くの才能あるトランペット奏者が生まれたのも、
まさにクリフォード・ブラウンの功績によるものが大きいと言えるでしょう。

クリフォード・ブラウンの死後、生前彼と親交のあったサックス奏者のベニー・ゴルソンは、
彼への哀悼をこめて、『クリフォードの想い出(I Remember Clifford)』という曲を作りました。
シンプルで美しいメロディーのこの曲は、瞬(またた)く間に多くのミュージシャンによって演奏され、
永遠のジャズ・スタンダード・ナンバーなりました。

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Last updated  October 31, 2007 11:10:50 AM
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