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カテゴリ:時事ネタ
(1)より続く
こども保険と消費増税や教育国債を比較する中に(資料9ページ) 「こども保険は勤労者と企業が負担、高所得者や企業に応分の負担を求める・・・」 という説明がありますが、この点における矛盾にお気づきでしょうか? こども保険は保険料額決定について、 厚生年金は保険料率に0.1%を上乗せして徴収、国民年金は一律160円を徴収 としています。 まず、国民年金保険加入者は、無収入であっても、年収一億円超の自営業者などという高所得者であっても、一律160円の負担となります。何処が応分の負担でしょう。 保険料が一律なので仕方がない、負担が無理な場合は免除制度がある、という反論もあると思いますが、高所得者に応分の負担、ということを謳うのであれば、一律ではなく所得に応じて保険料が決まるべきでしょう。 しかし、それでは同額の保険料に一律の上乗せ、という簡便性が削がれてしまいます。この点については誰かが批判することは容易に想像できると思えるのですが、無視して制度設計を進めたのでしょうか?それとも気づかなかったのでしょうか?筆者には大いに疑問です。 次に厚生年金について、です。厚生年金は世帯単位が基本となるのはご存じでしょう。つまり、独身の方も結婚して扶養家族がいらっしゃる方も、給与額(正確には標準報酬月額)が同じであれば毎月支払う保険料は同じ金額です。ただし、共稼ぎで夫と妻がそれぞれ厚生年金に加入している場合は、給与に応じた額をそれぞれが負担しています。 三号被保険者である配偶者がいるかいないかで公平感が削がれてしまうのはいかがなものでしょうか。 更に、国民年金と厚生年金を比較すると、もっと公平感が削がれる事例を指摘することもできます。 自営業者と無職のご夫婦の場合、収入がいくらであっても一律320円を負担します。ところが、保険料が0.1%上乗せであれば、サラリーマンや公務員は標準報酬月額が33万円を超えない限り、月額320円以下(標準報酬月額に応じて88円から320円と段階的に増加)を負担します。 賞与に関しては特段の計算式が記載されていませんでしたので、極端な例を挙げれば 年収300万円の自営業夫、専業主婦(無収入)、子供2人の4人家族は320円/月の負担 ちなみに、年金保険料は世帯で3万2980円/月。夫に万一の事があっても100万~120万円程度の遺族基礎年金は第二子が高校卒業年齢になったら打ち切り 年収400万円、標準報酬月額24万円のサラリーマン夫、パート勤務で90万程度収入のある第三号被保険者の妻、子供2人の4人家族は240円/月の負担 厚生年金保険料は世帯で1万8938円/月。ただしボーナスからも別途保険料は引かれます。金額に変動はあるものの、上出の遺族基礎年金以上の金額の遺族年金が生涯支給される。 参考までに、 年収400万円、標準報酬月額24万円の独身者は男性であれ女性であれ240円/月の負担となります。 これで応分の負担といえるのでしょうか、なんだか不公平な気がするのは筆者だけでしょうか。 <続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.05.23 20:09:46
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