書物の森へのいざない

　今日うちの、のほほん妻と新橋演舞場で吉右衛門の鬼平犯科帳を見てきました。妻がテレビの鬼平シリーズの大ファンで一度ナマ吉右衛門を見せてやろうと、桟敷席を奮発しました。

　新橋演舞場は外観は近代的なビルですが、中はこじんまりとした芝居小屋になっていて、どこに座っても結構近くで役者さんがみれそうでした。

　桟敷席は４人が相部屋になっていて、今日は下町に住むという穏やかそうな労夫婦と同席になり、お話好きの方達で芝居が始まる前色々お話させてもらい良かったです。

　桟敷席は舞台に対し斜めに作ってあり若干舞台は見づらいのですが、畳の三分の一ぐらいのスペースと掘り炬燵のように足を伸ばせ、作りつけのテーブルにはお茶等おけて芝居見物気分がでて良かったです。

　出し物は、歌舞伎の鳴神、鬼平犯科帳（大川の隠居）、狂言仕立ての釣女でした。皆良かったのですが、鬼平犯科帳は特によくテレビドラマの内容を芝居向けにうまくまとめてあり、ご存じの鬼平節を目の前でみることができよかったです。舞台は４幕仕立てであっという間に舞台のセット？が代わりびっくりしました。最後に鬼平が身分を偽って船頭友五郎を料亭で飲ませる場面は最高でした。友五郎は元盗賊で遊び半分に鬼平のキセルを盗むのですが最後まで自分が乗せた客が鬼平とはしりません。最後に鬼平が取り戻したキセルを友五郎の前で吸い友五郎は初めてそこで自分の客が鬼平とわかるのです・・・・テレビを見てない人はこの説明では分からないでしょうね。どうもすみません・・・・


新橋演舞場玄関風景


桟敷席の様子（１）


桟敷席の様子（２）


銀座松坂屋のTODSでウインドショッピング


銀座COACH玄関、もちろん妻はウインドショッピング


　風邪で寝込んでいた鬼平は，ある夜寝室にあった亡父の形見の銀煙管を盗まれた。全快後剣友・岸井と市中見廻りに出た鬼平は，日本橋川の思案橋たもとの船宿・加賀やへ入り，気晴らしに舟で大川に出る。ところが両国橋で岸井が一時下船した際，なんと老船頭が盗まれた煙管を吸い始めたではないか。
　翌日，鬼平の命で元盗賊の密偵・粂八が加賀やを訪ねると，この老船頭は，昔なじみの盗賊・浜崎の友蔵で，鬼平の評判が高いので煙管を盗んだと打ち明ける。この報告を聞いた鬼平は，翌々日粂八に印ろうを与え，友蔵に「粂八もその後，鬼平の寝室から印ろうを盗んだが，今夜返すので，友蔵さんは煙管を返し，その代わりに印ろうを盗んでみないか。成功すれば30両差し上げる」と持ちかけるように命じた。この話に乗った友蔵は翌々日煙管を返し，印ろうを盗み出す。
　さらに翌々日，今度は鬼平が加賀やを訪ね，友蔵の舟で大川を上り，吾妻橋の上流三めぐりの土手あたりへ来たとき，友蔵は「大川の隠居」が現れたから明日は雨だという。見ると，年齢7，80歳，５尺（152センチ）と10貫（37.5キロ）くらいの鯉が現れ，舟とともに悠々と泳ぎ始めた。
　その後，珍しいものを見せてもらったお礼にと言って，鬼平は浅草・今戸橋の船宿・嶋やに誘い，一杯やり始めると，友蔵は盃を落としワナワナと震え出した。鬼平が，あの銀煙管に煙草をつめ始めたからである。そして鬼平は１両を友蔵の前に置き，「とっつぁん，これで印ろうも返しておくれ」と頼むのであった。