「ガンちゃんの世界一おもしろいプロ野球の本」 岩本勉
「世界一おもしろい」とは、思い切った題名付けたなあと最初は思った。でも、ちょっと考えて気付いた。「世界一おもしろい」はきっと「プロ野球」にかかってるんやね。 「第1章 よくやった! WBC日本代表の素顔公開」のイチローや松坂のページだけをパラパラ見ても、この本の魅力は伝わりにくい。是非じっくりと読んでほしい。選手・監督・コーチ・裏方さん・ファンたちの、グラウンド・ベンチ裏・ブルペン・遠征先・スタンドでの姿が、ユーモアを持ちながら熱くあたたかく描かれている。 特によかった内容を、ネタバレしない程度に列挙してみよう。 上原の武器になっている能力。 松中は4番にふさわしい。 飲み屋での、投手と打者の駆け引き。 試合展開を予想して、その通りになったときのうれしさ。 アンダースロー渡辺俊介のフォーム。 新庄のグラブに対するこだわり。 新庄にあこがれるひちょり。 完投すると投手の体はどうなるか。 ニックネーム「ポニー」の由来。 デューシーが乱闘直後にやったこと。 チェンジの間に食べた唐揚げ。 登板前夜の食事。 勝てるチームに必要なもの。 カブレラのバットの芯。 田口の走塁のすごさ。 一人一理論と言われる技術の面では、ガンちゃんは「地面から受けた力をどうやって球に乗せるか」ということを根本に考えていたらしい。 大晦日の「珍プレー好プレースペシャル」で、「天ぷらを食べた後にボールを投げたら」というネタをしゃべってたことがあったけど、あれには事実の裏付けがあってんなあ。 芝草。西崎。柴田。選手たちの個性が浮かび上がる。 藤井寺球場のブルペンで、西崎と柴田が並んで投げているのを見た日の思い出がよみがえる。高橋一三コーチもいたっけ。 そして、この本を読んだ後に最も強く思うのは、「片岡がんばれ!」ということだ。まだまだ底力を見せてくれ。