テーマ:司法書士試験(463)
カテゴリ:講義一般
では、今年の出題から推論問題の二つ目です。 議院規則と国会法の関係については、平成16年に出題されています。 今年は、裁判所規則と国会法の関係です。 次の三つの見解は,最高裁判所の規則制定権の範囲内の事項について,法律と規則が競合的に制定され,両者が矛盾する場合の効力関係に関するものである。(H21-3) 第1説 法律の形式的効力か規則の形式的効力より強い。 第2説 規則の形式的効力が法律の形式的効力より強い。 第3説 法律と規則とは形式的効力において等しい。 次の1から5までの選択肢に記述された「この説」が,上記三つの説のうちどの説に最も適合するかによって,1から5までの選択肢を三つのグループに分類したとき,他の選択肢が同じグループに入らない選択肢は,次の1から5までのうちどれか。 1 この説は,法律が国権の最高機関であり国の唯一の立法機関である国会により制定されていることを根拠とする。 2 この説は,法律と規則とが競合した場合,当該事項についての知識・経験の豊富な機関が制定したもめにゆだねることが望ましいことを根拠とする。 3 この説によれば,後に作成された法律又は規則が効力を有することになる。 4 この説は,憲法が法律と規則との効力関係について何ら規定を置いていないことを 根拠とする。 5 この説は,憲法第31条がその根拠となるとする。 (参考) 憲法 第31条 何人も,法律の定める手続によらなければ,その生命若しくは自由を奪はれ,又はその他の刑罰を科せられない。 これも、ひじょうに、簡単な問題です。 第1説から第3説を要約すると以下のとおりです。 第1説 法律の方が強い 第2説 規則の方が強い 第3説 同点である 以下は、国語の問題として、1から5の肢が、いずれが強いといっているかを読み取ればよいだけの話しです。 1 法律は、最高機関が作ったから強いということになる。 2 「当該事項についての知識・経験の豊富な機関」とは何を意味するかという設問である。裁判所のことについては、裁判所が詳しいに決まっている。だから、裁判所規則が強いということになる。 3 後ろの方が強いのであれば、法律と規則の強弱は時と場合による。つまり。同点説である。 4 何の規定もないから、強弱は決められない。つまり、同点だということになる。 5 憲法31条は、「法律が偉い」と言っているから、法律が強いことになる。 以上から、答えは、裁判所が強いという「2」です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.08.19 20:11:25
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