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さて、記述式試験の試験委員というのは、現役の司法書士、実務家なんです。 で、私も、現役の司法書士です。 そして、採点をするのは、実務家なんです。 その実務家には、受験生や、実務を知らない講師とは違った感覚があるのですよ。 では、次の2つの解答例の違いがわかりますか。 いずれも、今年の試験で実際に数多いと思われる枠ズレの解答です。 第1欄 甲土地の1番目~3番目の登記 「所有権一部移転(遺贈)→民事二郎持分全部移転→登記不要」 第3欄 乙土地の1番目~4番目の登記 「所有権移転(相続)→1番抵当権変更(債務者の相続)→1番抵当権抹消→共有者全員持分全部移転」 はい。 第1欄は、1番目の登記である「2番、3番登記名義人住所変更」の登記をし忘れていますね。 正解は、 「2番、3番登記名義人住所変更→所有権一部移転(遺贈)→民事二郎持分全部移転」です。 完全に枠ズレです。 第3欄は、2番目の登記が不要です。 正解は、 「所有権移転(相続)→1番抵当権抹消→共有者全員持分全部移転→登記不要」です。 抹消の前提として、債務者の変更登記なんていらないし、やる司法書士は皆無です。だし、実務でこんなものやったら笑われます。 不動産登記には登記義務がないんだから、むだな登記はしなくていいんですね。 そもそも、抵当権の抹消登記をするときに、債務者の表示なんて審査事項じゃないんです。 はい。ではこの2つの間違いですが、その違いが分かりますか? 甲土地の方は、やるべき登記を1個ぬかして、3つの登記全部が枠ズレです。 乙土地の方は、余計な登記を1個やって、その結果、2番目~4番目の3つで枠ズレです。 まあ、おんなじように、その部分は0点かなと、枠ズレ0点伝説を信じる人は思うわけです。 でもね。 実務家から見ると、この2つの間違いはその性質がまったく違うんです。 採点するのは実務家なんだから、そういうことがわからないといけませんね。 さて、何がどうちがうのかな? (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.07.13 20:33:54
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