大和屋がおくる中国漢方の健身効果

つづき

　「熱邪の性質」


１、熱感がある

　熱邪の最大の特徴は熱性である。

　発熱、熱っぽい、ほてり、冷たいものを
　欲しがる、顔が赤い、

　尿が濃く黄色い、などの症状をあらわす。

　また、冷やすと症状が緩解し、
　熱を加えると増悪する。

２、炎上性がある


　炎はメラメラと燃え盛る火で、熱邪も炎のように
　上にのぼる性質がある。

　具体的には、上半身、とくに頭顔面部の熱症状を
　あらわしやすく
　
　たとえば、のぼせ、目が赤い、口が渇く、舌が赤い、
　咽が赤い、口の中に潰瘍ができる、頭が割れるように痛い、
　拍動性の頭痛があるものは熱邪によるものと考えられる。

　患部が「赤い」ことは熱邪の最大のポイントである。

　咽が赤い、結膜炎で目が赤い、蕁麻疹で発疹が赤いなど。

３、神明をおかす

　熱邪は、よく精神、意識に障害をあたえることがある。

　イライラして、落ち着かない、興奮して眠れない等。

　甚だしければ、言語が不明瞭になり、狂乱、
　意識不明などがみられる。


４、開泄性がある

　熱邪が体を侵すと汗孔が開き、汗が大量に漏れることがある。
　大量の発汗がみられる

５、気と津液（しんえき）を消耗する。

　　津液は人体に必要な生理的水分のことである。

　熱邪が侵入すると、必要以上の汗を体外に出す。
　その為、津液が消耗し皮膚が乾燥し
　咽が渇くなどの症状があらわれる。

６、発疹、出血しやすい　熱邪が血分に侵入することがある。
　これを血熱（ケツネツ）という。
　血熱の赤い発疹と出血である。

　発疹の赤みは強く、入浴で熱を帯びると更に悪化する。

　また、血熱では血の流れが速まり、出血しやすくなる。

　鼻血、不正出血、皮下出血などの出血症状が現れ、
　
出血の色は鮮紅色である。


７、けいれんする

　熱邪が極まると、内風が生じ、動きを伴う症状が現れる。

　筋のけいれん、筋のひきつけ等の症状があらわれる。　



「熱邪の病証」

（熱邪が体表に侵入した時の症状）

発熱、汗が出る、頭痛、のどが赤く腫れて痛い、
口渇、黄色い鼻水

（熱邪が血分に侵入した時の症状）

赤いカユミがある発疹、鼻血、吐血、血尿、
などの出血症状

あるいは発熱、目が赤い、イライラして落ち着かない。


以上が臨床上他見する、風寒邪、風熱邪、風湿邪などの特徴です。

燥邪はまた、別の機会に。

つまり、急に昨日から、咽が赤く腫れて痛み、熱が出てきた。場合。

　風邪の突然性と、熱邪の赤く痛み、発熱するという2つの性質

　がある為、邪気の正体は「風邪」と「熱邪」の合病である風熱証

　処方は天津感冒片や板藍根（ばんらんこん）などの清熱解毒薬で治療します。
　インフルエンザも風熱証が多いようです。

　

　


夕方から「急に」寒気がして、水っぽい鼻水が出てきた。
ストーブに当たっても取れない激しい寒気がある。
汗は無く、咳もない。

犯人は「風邪」と「寒邪」ですね。
処方は葛根湯です。
咳があれば、麻黄湯。

昨日から「急に」、下痢をして、朝起きても下痢が続いている
吐き気もするし、食欲が無い。体がだるく風邪っぽい。

犯人は「風邪」と「湿邪」ですね。
処方は勝湿顆粒です。

では、昨日から急に寒気がして、頭が痛くなった。
水のような鼻水がだらだら流れてくる。朝起きると軽く汗をかいて
寒気は取れてきたが、午後になり、再び寒気がして厚着をしたら
和らいだ、今度は熱が上がり、寒気が消えた、食欲は無く
なんとなく胸が悪く気持ち悪い、トイレに行くと下痢気味だった

ので、念のため病院に行くと新型インフルエンザと診断された。
タミフルと解熱剤が処方されたが脳症が怖くて飲めない。病院から変えると寒気がまた繰り返していた。
どうやら寒気と発熱を繰り返しているようだ。

この場合の邪気の種類と位置と、処方はまた明日。