17歳の夏の日記
17歳の夏に経験したイギリス語学研修旅行――。 記憶にはまったくなかったのですが、当時私は日記を書いていました。 それによると、朝日イブニングニュース社主催の英語研修旅行で、1975年8月3日にイギリスに到着したようです。初日の日記には次のように書かれています。 8月3日 18:30 プールアカデミア校の本校に到着。食堂で明日の登校についての説明(英語で)したのち、(ホストファミリーの)各家庭にそれぞれタクシーで分散。 19:30 (ホストファミリーの)家庭に到着。部屋に荷物を置いてすぐ食事。食事は暖かいものといえば紅茶くらいで、あとは缶詰のビーフとハムとサラダ。とてもあっさり。食後、家族と居間で雑談。「日本は共産主義国家なのか」と聞かれて驚く。家族の人たちはとても親切で、ゆっくりわかりやすく英語を話してくれる。しかし、普通に使う彼らの英語は速くて少しもわからない。彼らは「4人と半分家族」だそうで、16歳の女の子(シルビア)、12歳の男の子(マーク)がいる。ミセスはドイツの人で、ミスターはロンドンっ子。ミスターはいつも歌を歌っていて、ジョーク好き。そして残りの「半分」というのは、嫉妬深くて、賢くて、英語とドイツ語をマスターしているという「Coco」という犬で、家族の人気者。といっても、いつもビスケットを狙っているので「乞食犬」という別称を持っている。次に書くのは、その家の見取り図。 またほかに、「ペピー」という小鳥と、「ダニー」という黒と白のまだらの猫がいて、この猫は食べる時と寝る時以外は家に帰ってこないのだそうだ。Cocoはペピーに嫉妬している。 表の芝生はとてもきれい。裏の庭は「マークのサッカー場」と洗濯物を干すところ。裏の小屋にはいろいろな道具やバドミントンや卓球のラケットなどの遊ぶものが山のように詰まっている。ちょっとした道具室。その日はくたびれていたので、すぐに寝る。 ここまでが初日の日記です。結構、細かいことまで書いていますね。こんな日記を書いていたとは驚きました。 詳しく書いてくれたおかげで、当時の記憶がまざまざと蘇ってきます。ホストファミリーの人たちは本当にいい人たちでした。 懐かしいです。今はどうしているのでしょうね。 (続く)