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HANNAのファンタジー気分

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September 1, 2016
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テーマ:本日の1冊(3686)
カテゴリ:これぞ名作!
 Google Doodleによると、今日ははてしない物語37周年だそうで。

 この本については以前にも書きましたが、ファンタジーの真髄を押さえた入門書だと私は思っています。
 異世界の冒険を読者として楽しみ、ついにその世界へ救世主として入り込むまでがまず映画化されましたが(「ネバーエンディング・ストーリー」)、ファンタジーの本当の価値は、後半の自分捜し→カタルシス体験→現実世界での自己救済、この流れの中で読者にも一種の浄化の感動を引き起こすことにありました。

 具体的に言えば、弱虫でいじめられ、父とも心が通じない主人公バスチアンがファンタージエンに行く体験は、映画のラストのように、竜を駆っていじめっ子を逆におどかしてやるためではなく、精神的に自分が強くなり父の心をも救うためだったのです。
 (とはいえ、映画のラストはそれなりに良い場面だと思います。いじめっ子に仕返しをするとはけしからん、という意見が当時ありましたが、竜でおどかしただけで、相手の心身を傷つけたのではないのは見れば分かります。これは原作の前半だけというこの映画の内容には、釣り合ったラストと言えましょう。)

 ほかにも、この本は、新鮮でしかも伝統的な驚異(wonder)体験を提供するにはどんな仕掛けがいるか、リアルで奥行きのある異世界とはどういうものか、などを分かりやすく示しています。また、自己満足的に引きこもらず読者と世界に向かって開かれたファンタジーであり、現実逃避や癒しはもとより、ファンタジーが現実世界に積極的に働きかける力強さを持ちうることを、見せてくれました。

 それから、典型的な主人公像、探索、お宝アイテム、友情、権力志向、賢者や魔女や父や母といった役割を担うキャラクターなども、基本に忠実にきっちりと網羅してあって、そういう意味で「きほんのき」としてはずせない作品だと思います。
 とにかく分かりやすいので、むかし卒論で『指輪物語』を解説するのに、『はてしない物語』と比較して書き進めたりしました。

 いっとき布張りの豪華装丁ハコ入りハードカバーが絶版だったようですけど、今は手にはいるのかしら。
 私は残念ながら初版じゃないですが、邦訳が出てすぐに手に入れたハコ入りを今も大事にしています。  
(画像は私の蔵書と、エンデの描いた「古本屋」「星僧院」の絵はがきです)
 映画も公開当時に4回ぐらい映画館で観ました!
 これからもずっと読み継がれていきますように。





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Last updated  September 1, 2016 11:45:25 PM
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