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原田誉一の電脳通信

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2020.01.25
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カテゴリ:環境
富岡駅から送迎バスに乗り5分ほどで東京電力廃炉資料館に着く。ここの会議室で大まかな説明を東京電力の方から受け、資料館内を案内してもらう。結構手の込んだ動画も数分視聴した(スコットランドはエジンバラで体験したスコッチウイスキーエクスピエレンスやマッカラン蒸留所の動画のように臨場感があった)。

その後バスで「1F」に向かう。バスの車窓から見る街や村の風景が荒涼としている。人類滅亡後を描いた映画の撮影現場に来たかのように荒んで見える。
点在する大型店舗のガラスは割れたままであったり、中の商品や陳列棚が散らばったままであったりした。
バリケードの前に立つ着膨れした警察官の姿も何度か目にする。昨夜の国会議事堂前の警察官の姿とは少し違う気がした。
民家には人が生活をしている気配が全くない。「帰還困難区域」だから当然だけど。
庭の植物は当然ながら手付かずのままだ。草や木が、なすがままに生えている広い土地は田畑だと訊いて愕然とした。
カメラやiPadなど撮影可能な機材は持ち込み禁止。全て廃炉資料館の会議室に置いて行かざるを得なかったのが残念でしかたない。

厳重な監視のもとバスは「1F」構内に着く。われわれはまずは入退域管理棟にある食堂で390円の昼食をとる。数種の品から私が選んだのは「どて焼き定食」。温泉玉子も付いていた。

食後、線量計をもらい、別のバスに乗り込み「1F構内」を約60分かけて視察する。多核種除去設備ALPSをはじめ1〜4号基原子炉建屋の外観もバスの車窓から俯瞰した。
飴のように曲がった鉄骨が剥き出しの1号基では、遠隔操作のクレーンから原子炉建屋に何かを吹き付けている。これは放射線物質の飛散防止作業らしい。相当な時間がかかりそうだ。
あの事故から9年が経とうしているが、こうやって今ここで私が視察できるのも多くの方々が被爆覚悟で作業に当たっているからだと実感した。
しかし「1F構内」はまだまだ手つかずのところも少なくない。全面通行止めの作業でバスの進路も変更になることもあった。

うまく例えることができないが、「机上整理されていない事務机が幾つもある雑然とした職員室をピンセットで片づける」、否そんなことよりももっともっと途方もない時間を費やす危険を伴う作業がたくさん山積しているのがこの現場なのだ。

視察後、係の男性に線量計を返却すると、
「ほら、ガンマ線もベータ線もどちらも0です」
彼は年輩の先生が低学年を褒めるような満面の笑顔で、私に線量計の赤く点灯する「0」の表示を目の前に提示してくれた。





写真は東京原燃ホールディングスのホームページより
http://www.tepco.co.jp/decommission/visual/





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最終更新日  2020.02.22 12:02:54
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