『殺意』 リンダ・フェアスタインT・ジェファーソン・パーカーを続けて読んだら、今度は元気な主人公のミステリーが読みたくなりました。で、思い浮かぶのは女性が主人公のものばかり。 『殺意』 リンダ・フェアスタイン著。 ハーレムの共同住宅で老婦人が殺害される。 若い頃の彼女はエジプト元国王ファルークの愛人。 やがて数百万ドルの価値にもなる希少な金貨の存在が浮上するが・・・。 女性検事アレックス・クーパーのシリーズ第6作。 原題:The Kills 最初にこのシリーズを読んだときは新鮮な驚きがありました。 ミステリーにもこう言う主人公が現れるようになったんだなって。 アレックスはお嬢様、ガードマンがいるアパートメントに住み、リゾート地には別荘もお持ち。バレエだ、オペラだと社交生活も華やか。 そして金髪の美人。 お嬢様ならナンシー・ピカード著のジェニーシリーズがあるけど、彼女は捜査側の人間ではなくて、事件に巻き込まれたという形をとっているし。 その点、アレックスは検事でキャリアも充分。 余談ですが、お坊ちゃまが主人公となるとエリザベス・ジョージ著のリンリーシリーズにかなう物はないかと。 何たってイギリスの伯爵様ですよ、そしてスコットランドヤードの警部。イケメン。 内容はとても良質のミステリーです。 さて、毎度うんちくが楽しみなこのシリーズ、今回は希少価値のコインについての説明がたっぷりです。 実は金貨だけでは価値はなく、他にも必要なものがあると言うのがミソなのですが、おなじみチャップマン刑事とマーサー刑事とのトリオの掛け合いも相変わらずです。 アレックスの現恋人のNBCの記者との仲も微妙な状態となり、一方チャップマンの恋人は身体の調子も良くない。 この二人って、結局どうなるの?との興味もあったりします。 うーん、でもエジプト元国王の愛人、って話が大きくなりすぎって感も。マンハッタンのごく普通の人が被害にあって、それをアレックスチームが必死に解決していく、と言う方が私は好み。 それとアレックスの“私のチームすごい”のご自慢振りが鼻についてきた。 某検視官シリーズみたいに“主人公素晴らしい”が過ぎないで欲しい。 シリーズ全体としては決して良いほうとは言えないと思いますが、興味をつなげて最後まで読ませてくれます。 ジャンル別一覧
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