カテゴリ:彼の彼女になる条件 小説
あっちい、今日も明日もあっちい。。。
今日も小説。でゎ 彼の彼女になる条件 好きだよって嘘を吐いて言えば、簡単で。きっと星川は付き合ってくれる。それが嘘だと解かっていても付き合ってくれる。きっと、優しい笑顔で本当の顔を隠しながら。 「もう、7時になっちゃった。ちょっと出かけてくるって言っただけだから帰んなきゃ」 「送るよ。いえ近いでしょ」 「いいよ、星川にそこまでしてもらう義理ない。むしろあたしが星川を送っていかなきゃいけない勢いだよ!!!!大体、こんなマスカラパンダ眼女に痴漢するとか、そういう物好きな奴居ないと思うし」 いっきにまくしたてた。なぜだか無性にこの会話が恥ずかしかったのだ。 「ばぁか、んな事心配してねぇよ」 そういうのに、あたしと星川の手は結ばれていた。少し汗ばんだ手。恋人つなぎには少し足らない、普通の繋ぎ方。帰り道、すきなバンドの話とかを一気に喋りまくった。域もつく暇も無い位、捲くし立てるように喋りまくった。喋らなかったら、左手からの体温に意識を奪われそうになったからだ。それを知ってかしらずか、星川は笑って聞き役に徹していた。 次の日、優子は少し気を使ったような、だけど幸せそうな複雑な表情で報告しに来た。もちろん、付き合ったっていう報告だ。あのときに星川に早との好きな人のことを聞かなかったら、こんな状態にはなっていなかったんだろう。複雑だけどまとまるもんがまとまったのでよしとしよう。その日から、あたしと星川は一緒に居るようになった。手とかは繋がないけれど、隣に座るようになった。まだ、星川を好きになれるのかは解からないけど。 それから、3週間がたった。8月だ、汗をかいてる。黒のタンクトップを着るんじゃなかった。暑すぎる、太陽の熱をかなり吸収してるようなきがする。 ブーブーと床に置いた、携帯からなっている。凄まじい音、うるせぇ。誰からだよ、こんなあっちい時に。 着信星川葵 「もしもし、何?」 「なんだよ、そのテンションひっくい声は、芝山チャン、もっと可愛い声僕に聞かせて」 「暑すぎて、頭にうじ虫わいてんじゃないの?」 「ひっでぇッッ、ってかさ今日あいてる?」 「何で?」 「今日花火大会あるの知ってる?俺ん家の近くだから解かるわけないか。一緒に行かない?」 「誰が?」 「お前、ちゃんと答えてよ、俺めっちゃ心臓ドキドキして救心欲しい位なんだぞ」 「じじくさい心臓」 「いいから、可愛い格好で着てよ。ねぇいいじゃん、どうせ自分の部屋でごろごろしてたんだろ?」 「カチンと来るなぁ、あたしは優雅にエコライフを楽しんでたの!!!!」 「ほら、話の論点ずれてる。一緒に行きませんか、芝山カナさん?」 「いいよ」 心臓口から飛び出るかと思った。 「まぢで!!!!????やりッッ!!!!浴衣で来いよ、髪の毛アップして来いよ、面倒くさいとかそうゆうのなしだからなッッ」 何だよ、その盛り上がりよう。こっちが恥ずかしくなる。つか、もう答えは決まってた。一緒に行こうって言われた瞬間いいよ、っていいそうになったから必死に抑えて話題逸らした。 「あんた、何?キモい位のその盛り上がりよう、やめなよ」 「だってさ、休みになってから全然顔見てないから、会いたくなった」 だから、ストレートすぎるよ。もっと言葉に衣を着せろ!!!!馬鹿、馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿。 「何時?」 「5時の初めの電車の3両目に乗って。そこまで無賃で迎えに行くから」 「それ、迎えに行くって言わない」 「そっか、まぁいいや。じゃあな」 「うん、バイバイ」 現在午後3時。シャワー浴びて、お母さんに着付けてもらって、メイクして。いつもより可愛い髪形しなきゃ。マスカラも一本一本丁寧につけて。 「お母さん、お祭り行くことになったから着付けてくんない?」 「なぁに、あんた嬉しそうな顔しちゃって彼氏とデート?」 「違う、只の友達」 「ふぅん、只の友達ねぇ」 完全にからかおうとしてる。だけど、その手には乗ってやんない。 「いいから、用意しといて。お風呂入ってくるから」 「はいはい」 リビングは涼しい。クーラーがギンギンにきいて冷えている。とりあえず、着付けてもらったから後はメイク。あっライン少し曲がった。あとは、髪の毛めちゃくちゃ上で結ってから、どぉしよっかなぁ。つか、星川ごときになんでこんなに浮き足立ってんだ?あぁぁぁ馬鹿だ、馬鹿に会うのに気合入れてるあたしは馬鹿だ。実は頭にうじ虫わいてるのって、あたしなのかもしれない。 「行って来ます」 「遅くなったら、送ってもらうのよ」 「うるさい、行って来ます」 浴衣で、下駄で。スキップしそうになった。靴擦れになったらきっとちゃんと優しく扱ってくれる。それなら痛いけど、なってもいいかななんておもったことは秘密だ。 5時2分、下りの電車。終電になったらさっきのお母さんじゃないけど送っててもらおう。それとも、連絡すれば帰ってこなくてもいいかな?あ~、馬鹿だあたし。なんでこんなにソワソワしてるんだろう。 大きな金属音を立てながら止まる電車。 「久しぶ」 そこで止まった。あたしが見たのは、別になんでもないこと。女の子と仲良さそうに話してる星川を見ただけのこと。別にたいした事じゃない。しかも気付かない。もう、せっかく用意したけど乗らないでおこうか。 「芝山」 「星川」 なんで、後ろにいんの?目の前に女の子と喋ってるのに、まさかドッペルベンガー?頭の悪い考えがぐるぐるまわる。 「あ、兄貴じゃん?」 「葵、おまえなんでこんなところいんだ」 かなり、邪魔すんなと言っているような声で。 「はいはい、お邪魔のようなので、車両移ります」 「是非そうしてくれ」 「行こ、芝山」 「ちょっと」 手を引く右手は熱い。 「あぁまぢ、自分から5時の電車に乗れって言ったくせにさ待ち切れなくて一本速い電車で来てホームで待っちゃったよ」 「ばっかじゃないの?」 なんで可愛くないことばっかいっちゃうんだろ。本当はめちゃくちゃ嬉しい。あたしだけじゃなかったんだって思うと本当に嬉しい。だけど、今は顔を向けて喋れない。 自覚症状?あぁ、なんだか見ないうちに焼けてる、しかも身長高くなって、少し痩せていてカッコ良くなってる。 自覚しちゃった。さっきのお兄さんのことで。星川の隣にあたし以外の女の子が座ってるのが嫌だ。星川があたし以外の女の子に笑っている姿を見たくない。星川を、好きになった。自覚した。きっと好き、やだ認めたくない。嫌い、嫌いといわないとまでも...... 好き。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 27, 2007 04:50:49 PM
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