カテゴリ:夢追い
空が青く輝いてぼくとガイアを包んでいた
太陽が銀河の辺境にいのちの光を輝かせていた ボクは久しぶりに故郷の河口の、埋め立てでかろうじて残った 猫の額ほどの砂浜に座っていた。 「ねえ」とボクはささやいた 「今どんな気持なの。泣きたい気分?笑いたい気分?」 目を閉じて大きく深呼吸をすると 風がそっと耳をくすぐっていった ボクは指先でそっと砂浜をなでた 「あのね・・・」 耳を澄ましていないと聞こえないほど かすかな声がかえってきた やわらかい風がボクの体をつつんだ 「うん」ボクはうなずいて待った 「これ内緒だよ・・・」 声はささやいた 「あたし、ホントはね、笑いたいのね。おもいきり・・・」 「・・・」・ 「デモね、ワタシが笑うと大陸が二つぐらい 簡単に沈んじゃうんだもん。だからがまんしてるの」 「そう・・・」 ぼくはもう一度そっと砂をなでて 涙を流した 「ありがとう」 ふたつの声がかさなって風と波の音に消えていった 帰り道、カラスが光る羽を一枚くれた ****** *村上春樹風ショートショートです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
心にジンとくる文章ですね。いつまででもこの様な気持ちでいられたらいいな♪
(2005.09.10 00:30:06)
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