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カテゴリ:本
ちょっと丁寧な子育てのことについて知りたい方々に、とっても、とってもお勧めの1冊です。
『見て分かる困り感に寄り添う支援の実際』佐藤曉著 学研 この本は、「発達障害のある子の困り感に寄り添う支援」の続編です。 何がよいって、著者のまえがきにも書いてありますが、 ・1つめは、インパクトのある画像を使って、質の高い実践を読者に提供すること。 ・2つめは、実践の機微をことばにすること。 ・そして、基本的なコンセプトとして「三分読み切り」。どこから読み始めても三分以内で話が完結するようにかかれている。 三分どころか、A5ページの上半分が実践の写真で、下にその実践を理論的にことばで端的に意味づけしてあります。すぐ読めるのに、とっても充実感のある本です。 で、その佐藤先生が、講演にいらっしゃるというので、ちょっと遠出してセミナーに参加してきました! 講演の内容もとってもよかったです。 基本的には上記の本の内容を、より丁寧に説明してくださいました。本だけでも充分わかりやすいんですが、その写真、その場面の説明や先生の思いをより丁寧に伺え、3時間というちょっと長めの研修でしたが、あっという間でした。(佐藤先生には、もっとお時間が必要なようでしたが。。。) そして、特別支援教育以前に、もっとできること、やるべきことがたくさんある!を実感した研修でした。 以前に、宇治少年院の院長先生のお話を聞いたときと同じような感想を持ちました。 ・簡単に言ってしまうと、学校・地域・家庭において、まっとうな子どもを育て、まっとうな子ども集団を作っていきたい。 ・教育はいろいろなことの意味づけをしていくところで、学校は民主主義を教えていくところ。 そういえば、子どもの頃、「基本的な人権の尊重」とか「権利」とか「義務」について社会科で教えてもらった時、とても心に響いたのを覚えています。ちょっと、いじめっぽい発言とかしている子に、「基本的人権の尊重」なんて習いたての言葉を子ども同士で使ったりしたのを思い出しました。 学校では日常的な人間関係だけでなく、非日常的な人間関係(なんていうのか、学校という仕組みの中で関わっていくことでできていく人間関係っていうのかな。班活動とか、クラスとか。)を育てていく。「日常的な人間関係」しか築けない子どもは「群れる」ことしかできない。いろいろな人と関わる体験を、学校という枠組みはやり方次第で提供することができるっということが、とても印象に残りました。 そういう集団の中では、発達障害を持つ子どもたちも育つ。もちろん、一部には特別な個別支援が必要な子どもたちもいるが、6%といわれる発達障害の子どもたちの3分の2は、そういう子ども集団の中で自信をもって育っていくことができる。 とても、元気をいただくことのできた研修でした。 実践を理論的に言葉にしていくって、とっても大切ですね。頭で思っているだけでは、共有できませんから。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.04 18:50:23
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