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ゆらのと 徒然草

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2011年04月01日
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     知覧の桜         2011年4月1日
2011-04-01 23:43:47
     2011-04-01 23:35:10
     2011-04-01 23:38:31


 今朝、急行「きたぐに」で無事、帰宅した。 何十年も前から知覧を訪れたいと思っていたが実行しなかった。5年前に77歳(喜寿)の年(今から2年後)に外国の桜の本を出版しようと決めた時、日本の桜も数ヶ所入れたいと思っている。知覧の桜もその中の一つである。
 この東日本大災害の非常時に私はあえて南に向かったのである。知覧の桜は未だ八部咲きだったが、それが私にとっては良かった。 戦争の史実を知る時、散る桜がいいなんて、あまりにも悲しく残酷だからである。
 1945年の春から夏にかけては太平洋戦争の末期状態だった。沖縄に上陸した米軍艦隊を爆撃するために本州の一番南の飛行場の知覧が特攻隊の基地となり,1036名が突撃して犠牲となったのである。
 特攻隊や知覧の事は多くの本が出版されているし、映画やテレビでも紹介されている。インターネットでも沢山紹介されているので、是非見ていただきたい。(私がここで紹介すると字数が足りなくなりので省略させていただく)
 今回のブログは私が見た知覧特攻平和館と私が考えた特攻隊のことを少し述べさせていただく。
 知覧特攻平和館は戦時中知覧飛行場のすぐ側にあり、多くの人が観光バスで訪れていた。鹿児島の温泉巡りのルートとなっていて約40分の下車である。(私のように個人でバスで行く人は少ない) 駐車場もマイカーで満車に近かった。 多くの人は桜見物の人達である。
  私はたっぷり時間があったので、ゆっくりと見させていただいた。特攻隊の部隊ごとに写真と遺言、遺作、遺品が陳列されたいた。 私は1人ひとりの写真を拝顔させてもらうと、その隊全体に手を合わせて冥福を祈った。私がすることを奇異に思った人もいたが場内のいたるところから嗚咽も聞こえていた。
 遺言や遺作を拝見すると、「天皇陛下万歳」「必殺」「轟沈」(ごうちん)、等が目立った。自分を桜に置き換え、「桜となって散ることを誇りに思う」の主旨の遺言も多かった。
 武士は桜のように潔く、パッと散る事から「花は桜木、人は武士」という、江戸時代の忠臣蔵あたりから盛んに言われていた諺なのだそうだ。太平洋戦争中、日本軍がこれを引用したのだと私は常々思っている。
 日本軍は大君(天皇)のために死ぬことを誉れとする精神を兵士に叩き込んだ。「捕虜になっても生きて帰って来い」とは教え込まなかった。戦時中、日本国民の殆どがマインドコントロールされたといっても過言でない。(ドイツ国民はヒットラーにマインドコントロールされたと言われている)
 次に、桜を詠った二つの辞世の句を紹介させていただく。いずれも会場でメモしたものである。(メモは可)

    大君の為 何か惜しまん 若桜
    散ってかひある 命なりせば


    惜しまれて 散る桜こそ 桜なれ

 次に私が一番、感動したのは次の遺言である。要約すると、この軍人は6歳の時から継母に育てられた。わが子同然に優しく育ててくれても、「お母さん」と言う事ができなかった。(機会を逸したのだと思う) 特攻隊で出陣する時、母親に書いた遺言の最後の部分である。

  「....................。 母上、淋しかったでしょう。 今こそ大声で呼ばして頂きます。お母さん、お母さん、お母さん、と」

 遺言はこれで終わっている。私はこれを読んだ時、目から、鼻から水分がどっと溢れ出た。所かまわず嗚咽した。(ハンカチがぐしょぐしょになった)
 知覧特攻平和館を出てバスの時間(4時)のギリギリまで私は桜の木の下で佇んでいた。冷たい風が吹いていた。空の青さが目に滲みた。
 私の心にお粗末な句が湧いてきた。私の思いが特攻隊で犠牲となった英霊に届けばよいのだが。

      春が来て 咲けよ知覧の若桜
      平和の今を 共に分かちて

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写真説明: 1 特攻隊員の銅像と桜。
       2、戦闘機(パプリカ)と桜。この近くから飛び立った。
       3、特攻平和観音に続く参堂の桜と石灯籠。
 


        ゆらのと=峰村剛 (長岡市在住)

  






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最終更新日  2011年04月02日 14時27分03秒
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